(2007年12月17日掲載)
第23回櫻井健二郎氏記念賞受賞者
(前列左から) 川西哲也 氏 ((独)情報通信研究機構) 井筒雅之 氏 ((独)情報通信研究機構) 中野義昭 氏 (東京大学) 宮本 裕 氏 (日本電信電話(株)) 富澤将人 氏 (日本電信電話(株)) (後列左から) 日隈 薫 氏 (住友大阪セメント(株)) 市川潤一郎 氏 (住友大阪セメント(株)) 村田浩一 氏 (日本電信電話(株)) 松岡伸治 氏 (日本電信電話(株)) 第23回(2007年度)櫻井健二郎氏記念賞は、受賞題目「超高速光ネットワーク向けOTNデジタルフレームの国際標準化と多値位相変調方式の研究開発実用化」に対し、 日本電信電話株式会社未来ねっと研究所の宮本 裕氏、富澤 将人氏、同、フォトニック研究所の村田 浩一氏、同、ネットワークサービスシステム研究所の松岡 伸治氏のグループに、 また、受賞題目「集積光変調デバイスによる高速光位相・周波数変調技術の開発」に対し、独立行政法人 情報通信研究機構の井筒 雅之氏、同、川西 哲也氏、住友大阪セメント株式会社の市川 潤一郎氏、同、日隈 薫氏のグループに授与された。 さらに、今年度は、櫻井健二郎氏記念特別賞として、受賞題目「フォトニックネットワーク用高速・低電力集積光デバイスの開発と革新的サブシステム実証」に対し、東京大学の中野義昭教授が研究開発チームの代表として授与された。 櫻井健二郎氏記念賞は、当協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業の振興に果たした功績を讃えると共に、光産業および技術の振興と啓発を図ることを目的として創設したもので、過去22回で17名の個人、21グループ、延べ93名が受賞している。 今年度の櫻井賞は、光産業および光技術の分野において先駆的役割を果たした1997年以降の業績を対象に、応募19件の中から厳正に選考された。 受賞の栄に輝いた日本電信電話株式会社の宮本 裕氏他の受賞理由は、「光ネットワークのさらなる大容量化、経済化のために、40Gb/s以上の高速伝送に適したOTNデジタルフレーム構成を世界に先駆けて提案し、 国際標準(ITU-TG.709勧告)決定に中心的な貢献をされました。 また、40Gb/sの長距離伝送に適したRZパルス化4値差動位相変調光伝送方式を開発し、世界初の40Gb/s波長多重光伝送方式を実用化されました。さらに、これらをベースとして100Gイーサネット方式向けの長距離伝送技術を提案し、 国際標準化における日本の主導権確保に多大な貢献をされた」ことによります。 また、独立行政法人 情報通信研究機構の井筒 雅之氏他の受賞理由は、「集積型ニオブ酸リチウムを用いる光単側帯波発生の進行波型変調デバイスを内外に先駆けて提案・実証し、 さらに最近の各種高速多値変調実証にいたるまで長年にわたり一貫してその開発を先導し、光の振幅、位相、周波数を高速かつ安定に変調することを可能とされました。この技術は、 超大容量伝送、伝送波形劣化補償、直交位相変調など、今後の光ネットワーク構成の中核となる技術であり、次世代光通信分野の研究開発に多大な貢献をされた」ことによります。 さらに、東京大学の中野 義昭教授他の受賞理由は、「次世代フォトニックネットワークに適する新規高速・低電力集積光デバイスを提案・開発されるとともに、70名以上が参画した国内有力企業との産学連携プロジェクトにおいて卓越したリーダーシップを発揮され、 大学人としての新しい存在感を示しながらこれらの有用性を実証する光ラベル処理パケットルーティングのシステムデモンストレーションを世界に先駆けて成功に導き、次世代光通信分野の研究開発に多大な貢献をされた」ことによります。 以上の9氏に対する表彰は、2007年12月5日に開催された第27回光産業技術シンポジウムの終了後に行われた。櫻井健二郎氏記念賞委員会 田中昭二委員長(超電導工学研究所長)から選考経過報告の後、賞状、メダル、副賞が各受賞者に手渡され、 引き続き受賞者を代表して宮本氏、井筒氏、中野教授より謝辞が述べられて表彰式を終了した。 |