(2004年12月9日掲載)
櫻井賞受賞者記念写真
(前列左から) 関田 仁志 (受賞者:サイバーレーザー株式会社) 灘本 正博 (光産業技術振興協会 専務理事) 田中 昭二 (櫻井健二郎氏記念賞委員会 委員長) 内田 禎二 (櫻井健二郎氏記念賞委員会 主査) 阪野 顕正 (受賞者:日亜化学工業株式会社) (後列左から) 住吉 哲実 (受賞者:サイバーレーザー株式会社) 高砂 一弥 (受賞者:サイバーレーザー株式会社) 佐久間 純 (受賞者:サイバーレーザー株式会社) 野口 泰延 (受賞者:日亜化学工業株式会社) 森口 敏生 (受賞者:日亜化学工業株式会社) (列外) 清水 義則(受賞者:日亜化学工業株式会社) 第20回(2004年度)櫻井健二郎氏記念賞は、日亜化学工業株式会社の 清水 義則氏、阪野 顕正氏、野口 泰延氏、森口 敏生氏のグループ、ならびにサイバーレーザー株式会社の関田 仁志氏、住吉 哲実氏、高砂 一弥 氏、佐久間 純氏のグループに授与された。 櫻井健二郎氏記念賞は、当協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業の振興に果たした功績を讃えると共に、光産業および技術の振興と啓発を図ることを目的として創設したもので、過去19回で16名の個人、20グループ、延べ76名が受賞している。 今年度の櫻井賞は、光産業および光技術の分野において先駆的役割を果たした1994年以降の業績を対象に、応募11件の中から厳正に選考された。 受賞の栄に輝いた日亜化学工業株式会社の清水 義則氏他の受賞理由は『白色発光ダイオードの発明と実用化』に関するもので、「青色LEDチップにブロードな発光特性を有するYAG黄色蛍光体を塗布させるという巧みな組み合わせによる新規なハイブリッド構造の白色発光ダイオードを考案し、世界に先駆けて製品化に成功した。 この白色発光ダイオードは、高効率・高出力であるだけでなく、ブロードな発光スペクトラム特性を有し、演色性も高く、蛍光体特性を変えることにより色温度も調整可能であり、このことから、固体照明光源としての可能性が開かれ、携帯電話を初めとする液晶ディスプレイのバックライトなど多くの巨大な新規市場が短期間に開拓され、さらに技術的に進歩が顕著であるとともに、性能的にも常に世界をリードしており、日本オリジナルの技術として、日本のみならず世界の光産業発展に多大な貢献をされ、近年隆盛となっているLED照明分野の基礎をなしており、社会的・経済的影響がきわめて大きく、高く評価できる。 今後、本業績を基に、さらなる技術的発展により、ディスプレイ産業、照明産業等の発展に大きく寄与するものと期待される。」というものである。 一方のサイバーレーザー株式会社の関田 仁志氏他の受賞理由は『フェムト秒固体レーザーおよび深紫外光発生固体レーザーの実用化』に関するもので、「フェムト秒固体レーザーおよび深紫外光発生固体レーザーにおける産業利用上大きな課題であった低出力・不安定性という難問に果敢に挑戦し、高安定化レーザー共振器、光ファイバー接続、励起半導体とQスイッチとの連動、自動制御機構の導入等、各種技術の確立とそれらの複合的利用により、従来にない高安定・長寿命・大出力という特性を実現し、製品化に成功した。産業利用上不可欠なメンテナンスフリー性を高めることにより、それまで専門家しか利用できなかったこれらのレーザー装置を、非専門家でも自由に利用できるようにした功績は大きく、今後の産業利用の拡大に絶大なる貢献をされたことは高く評価される。 今後、本業績を基に、さらなる技術的発展・実用性向上により、半導体デバイス産業、医療応用等の発展に寄与するだけでなく、新たな利用分野を切り開くものと期待される。」というものである。 8氏に対する表彰は、2004年12月2日に開催された第24回光産業技術シンポジウムの終了後に行われた。櫻井健二郎氏記念賞委員会田中昭二委員長(超電導工学研究所長)から経過報告の後、賞状、メダル、賞金が各受賞者に手渡され、ついで受賞者を代表して筒井氏および成瀬氏より謝辞が述べられて表彰式を終了した。 |