第29回櫻井健二郎氏記念賞
(2014年2月17日掲載)




第29回櫻井健二郎氏記念賞受賞者
    「第29回櫻井健二郎氏記念賞受賞者」
    (左から)大城俊夫 氏, 菊地 眞 氏, 渡邉恵理子 氏, 小舘香椎子 氏
■第29回櫻井健二郎氏記念賞受賞者および受賞題目■

 第29回(2013年度)櫻井健二郎氏記念賞は、受賞題目「位相相関フィルタを用いた光相関技術とそのシステム化の研究開発」に対し、電気通信大学の渡邉 恵理子氏、電気通信大学・日本女子大学・株式会社Photonics System Solutionsの小舘 香椎子氏に、また、受賞題目「レーザーの医療応用に関する学術・社会・産業界における貢献と普及活動」に対し、公益財団法人医療機器センター・特定非営利活動法人日本レーザー医学会・一般財団法人ふくしま医療機器産業推進機構の菊地 眞氏、株式会社日本医用レーザー研究所・医療法人社団慶光会の大城 俊夫氏に授与されることが決定した。
 櫻井健二郎氏記念賞は、当協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業の振興に果たした功績を讃えると共に、光産業および技術の振興と啓発を図ることを目的として創設したもので、過去28回で21名の個人、32グループ、延べ128名が受賞している。
 今年度の櫻井賞は、光産業および光技術の分野において先駆的役割を果たした2003年以降の業績を対象に、応募17件の中から厳正に選考された。


第29回(平成25(2013)年度)
受賞者所  属
渡邉 恵理子電気通信大学
先端領域教育研究センター 特任助教
小舘 香椎子電気通信大学 特任教授
日本女子大学 名誉教授
株式会社Photonics System Solutions 代表取締役
受賞題名と受賞理由

「位相相関フィルタを用いた光相関技術とそのシステム化の研究開発」

 受賞者は、情報化社会で重要性を増しつつある画像・動画の認識・検索の高速化を目指し、光相関技術の開拓・応用に取り組み、従来の相関システムを飛躍的に凌駕することに成功した。特に、並列性を活用した高速・高精度の顔認識装置において位相相関フィルタ設計手法の有効性を実証し、さらに、ホログラフィック光メモリと組み合わせて直接データベースに並列アクセスする全光型光相関システムを構築した。またシステムの信号処理部を発展させてクラウド型動画検索(著作権管理等)に適用し、コンテンツ産業と共同して新サービス事業の可能性を探索している。これらは光コンピューティング普及の突破口を切り拓く先駆的な業績として今後の光産業の発展に貢献するところが大きい。
受賞者所  属
菊地 眞公益財団法人医療機器センター 理事長
特定非営利活動法人日本レーザー医学会 理事長
大城 俊夫株式会社日本医用レーザー研究所 所長
受賞題名と受賞理由

「レーザーの医療応用に関する学術・社会・産業界における貢献と普及活動」

 受賞者は、日本レーザー医学会の活動、レーザー医療機器の開発と臨床応用において主導的役割を果たし、医用レーザー専門英文雑誌「LASER thERAPY」の創刊と現在に及ぶ編集発行を通して国内外のレーザー医療の発展に努めました。形成外科、皮膚科、整形外科での臨床治療を行うとともに産婦人科・口腔歯科・眼科などへの応用を支援する各種レーザー機器の保守・安全性を指導しています。また、国産医用レーザー機器の開発・供給をめざした国家プロジェクトとして医工産連携活動を先導しています。特に世界に先駆けてレーザー医療の専門医制度及び安全教育制度の確立に貢献しました。
レーザー医療の安全と普及・拡大、機器開発に努めたことは今後の光産業の発展に貢献するところが大きいと認めます。

OITDA