(2017年 3月27日掲載)
 

オプトニューズ Vol.11, No.6 (2016)



       
◆【1】協会事業
■平成28年度 光産業技術シンポジウム
 本年度は、テーマを「未来の自動車・ロボット・産業機器を支えるフォトニクス」とし、OITDAとPETRAが共催で開催された。自動運転と制御系セキュリティ、Amazon Picking、Challengeとロボットの進化、自動運転を実現するLiDAR技術、自動車フォトニクスの技術ロードマップ、8Kテレビ技術とその内視鏡手術への応用、および超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発について、各分野のエキスパートにご紹介いただき、活発な議論があった。昨年同様290名を超える参加者の下、終始盛会となった。

■第32回櫻井健二郎氏記念賞表彰
 第32回(2016年度)櫻井健二郎氏記念賞は、受賞題目「デジタルコヒーレント通信用狭線幅波長可変光源の開発と実用化」に対し、古河電気工業株式会社の向原智一氏他三名に、また、受賞題目「面発光レーザを中心とするフォトニクス集積技術の開発」に対し、東京工業大学の小山二三夫氏に授与された。

■第6回 電子光技術シンポジウム
  産総研との共催で第6回電子光技術シンポジウムが2/28に開催された。当日は産業界 並びに関係研究機関等から、昨年度とほぼ同じの171名の参加があり、この分野に対する 関心の高さを感じさせた。
 今年度は「光技術の医療・ヘルスケアへの展開」をテーマとして、5件の招待講演を含む10件の口頭発表が行われた。
 当該分野に関心を寄せる多くの参加者との有意義な議論が展開され、大盛況のうちに シンポジウムは閉幕した。

■平成28年度特許フォーラム
 特許動向調査委員会主催の「特許フォーラム」を3月10日に開催した。
 本年度委員会報告では、定点観測テーマである主要3産業分野別の特許動向調査報告に加え、最近注目度が上がっているデジタルコヒーレントやヘッドマウント&ヘッドアップディスプレイなど、技術トピックステーマ5件の調査結果報告をした。特別講演は、一般社団法人日本知的財産協会の久慈直登専務理事をお招きし、「第4次産業革命とオープンイノベーション」 というテーマで講演いただいた。

■光関連団体国際会議 (IOA) 参加報告
 今年で22回目となるIOA会議が、米国のOIDA主催により、1月28日〜29日にかけてサンフランシスコで開催された。会議には当協会を含むメンバー7か国とオブザーバ3か国の合計10か国が参加し、「各国/地域の光産業動向と昨年の活動」、「各国/地域の技術ロードマップと技術開発の動向」について報告と討議が行われた。

■2016(平成28)年度光産業全出荷額・国内生産額調査結果
 光協会では、2017年3月14日に2016年度の光産業動向調査の結果を発表した。光産業の全出荷額(日本企業の海外生産を含む)は、2015年度実績16兆8,259億円(前年度比5.1%減)、2016年度見込み14兆5,170億円(前年度比13.7%減)、また国内生産額は、2015年度実績8兆8,962億円(前年度比2.3%減)、2016年度見込み7兆8,373億円(前年度比11.9%減)とITバブル崩壊やリーマン・ショックといった社会的要因がない年度ではかつてない大幅下落であり、2017年度もやや減少と予測している。太陽電池や4Kテレビなど需要を先取りした分野で単価が下がり続けているため、しばらくは減少基調となると予想している。

◆【2】テクノロジートレンド
■高感度分光技術
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 渡部愛理
 分光の基礎は既に確立された技術だが、近年適用範囲が広がり、様々な分野で「そのままの対象をその場で」測定したいというニーズが高まってきた。本稿では、従来の分光器で課題だった暗さを克服した高感度分光法を、非侵襲測定事例を交えて紹介する。微弱な光を捉えた非破壊検査が社会を支えていく。
■エレクトロクロミックデバイスの最新動向
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 渡邉雄一
 エレクトロクロミック(EC)デバイスは、光の透過量や反射量を制御する調光デバイスであり、防眩ミラーや調光窓として実用化されている。近年は、反射型ディスプレイや調光ミラー等の新しい用途での開発も行われている。本記事では上記ECデバイスの最新動向について紹介する。
◆【3】リサーチ&アナリシス
■ネットワーク仮想化技術の動向
住友電気工業株式会社 辻本敬一
 近年、クラウドサービスでのサーバ仮想化に続いて、サービスの変化やトラヒックの増大に柔軟に対応するため、ネットワークの仮想化が次世代ネットワーク構築のトレンドとなっている。本稿ではネットワーク仮想化のアーキテクチャモデルを中心に解説する。
 
■立ち上がり始めたAR/VR市場
   「エネルギーの地産地消、再生可能エネルギーの融通」によるまちづくり
株式会社産業タイムズ社 津村明宏
 パソコン、スマートフォンに続く第3のプラットフォーム市場としてAR/VRの拡大が本格化してきた。セット機器として先行しているVRヘッドセットの現状や市場動向を紹介するとともに、これがデバイス市場、主にディスプレイに与える影響などを考察する。
◆【4】開催案内
■マンスリーセミナー(4/18,5/16,6/20)
 4月は技術研究組合光電子融合基盤技術研究所 研究統括部長 中村隆宏 氏による「シリコンフォトニクス技術を用いたボード間/LSI間超小型光トランシーバ」、5月は住友電気工業株式会社 光通信研究所 主席 山本義典氏による「長距離大容量光通信システムを支える極低損失光ファイバ技術」、6月は大阪大学大学院 基礎工学研究科 システム創成専攻 教授 永妻忠夫 氏による「集積回路技術がもたらすテラヘルツ技術の変革」を予定している。
■研究会開催案内
 第1回光ネットワーク産業・技術研究会
     「IoT社会に向けた光ネットワークの可能性」(仮)(5/25)
 第1回フォトニックデバイス・応用技術研究会 「光通信用デバイス」(6/7)
 第1回光材料・応用技術研究会 「情報通信技術」(6/16)
 第1回多元技術融合光プロセス研究会 「光応用プロセスの基礎と先端技術」(7/6)
 
◆【5】協賛案内
■協賛案内
 当協会で協賛・後援している事業・行事を掲載。
◆【6】お知らせ
■InterOpto 2017 出展募集
 当協会主催の"InterOpto2017"(国内外のレーザ、フォトニクス、光デバイス製品が一堂に集まる光産業の国際技術展示会)の出展募集、早期申込割引実施中。

■InterOpto 2017 中小・中堅・ベンチャー企業出展者支援のお知らせ
 中小・中堅・ベンチャー企業の事業PR活動のチャンスを広げることのできる展示会として、10月に幕張メッセで開催するInterOpto 2017において、出展小間料を当協会より支援する事業を実施します。

■研究会 会員募集
 光技術各分野の最新情報の交換、各分野での研究開発の促進及び産学官連携 強化を図る場として4つの研究会を設けて、講演と質疑応答を行っております。 また、時に応じて見学会、公開討論会も開催しております。
それぞれの光技術テーマに関心をお持ちの方のご参加をお待ちしています。
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