(2016年 11月28日掲載)
オプトニューズ Vol.11, No.4 (2016)
◆【1】ご案内
■平成28年度 光産業技術シンポジウム
当協会(OITDA)と技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)が共催し、 「未来の自動運転・ロボット・産業機器を支えるフォトニクス技術」をテーマに、我が国の光技術と光産業の進むべき方向を展望し、議論いただく場といたします。 材料、 デバイスからシステムまで関係各位の積極的なご参加を募ります。
◆【2】協会事業
■インターオプト2016報告
国内外の最新の光技術、機器を集めて、9月14日〜16日にパシフィコ横浜にて 開催した。出展社は103社、小間数は146社、来場登録者(同時開催展示会含む)は 7718名。光技術動向及び産業動向をはじめとする各種セミナーも多数の聴講者を集め、 盛況であった。
■ISOM'16報告
光メモリ技術に関する国際学会であるISOM(International Symposium on Optical Memory)'16が、10/16-20日にわたって京都市の京都リサーチパークで開催され、 従来の光メモリシステムの設計とアプリケーションの最新動向に加え、イメージセン シング、光メディカル・バイオ、光情報システム、光テクノロジ、光関係の最新技術 分野等の広範な将来技術について活発な討議が行われた。
◆【3】テクノロジートレンド
■昆虫の視覚応答反応を利用した“光防除”技術
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 霜田政美
最近、新しい害虫防除技術として“光防除”が注目されている。これは昆虫の視覚応 答反応(光に集まる性質など)を利用して害虫を駆除する方法である。対象は農業害 虫にとどまらず、ハエやカなどの衛生害虫も含まれ、LED光源の開発に伴ってさまざ まな害虫の防除製品の開発が進んでいる。
■ドローン映像の3次元復元に基づく任意視点画像生成
大阪電気通信大学 越後富夫
ドローンの空撮映像に対し、移動するカメラ位置を求めるVisualSFM、多視点ステレオで密な3次元点群と それらをつなぐ三角形パッチを求めるCMPMVS、視点によって投影する画像を切り替える提案手法を 組み合わせることで、任意視点からひずみの少ない画像を生成した。
■両面発電太陽電池
宮崎大学 工学教育研究部 西岡賢祐
両面発電太陽電池は、通常は利用できない裏面からの入射光を取り込める能力を有する太陽電池であり、太陽電池産業の大きなブレークスルーになると期待されている。片面発電と比べて発電量を30%向上させることも可能となり、世界的に導入が進んでいる。
◆【4】リサーチ&アナリシス
■光通信用デバイスに向けた実装技術動向
三菱電機株式会社 望月敬太
光通信用トランシーバの小型化を実現するためには、搭載される光デバイスの多機能集積化が不可欠である。本稿では100Gb/s Ethernet用の送受信デバイスを例に、ハイブリッド集積を実現する2つの実装技術、@小型・高精度な光学部品の実装技術、A高周波電気信号伝送技術について最新動向を概観する。
■4Kカメラの最新動向
パナソニック株式会社 宮崎俊郎
4Kビデオメラは4Kテレビの市場での増加にともない急速に拡大している。本稿では 出荷台数、新モデルの中の4K機種の比率の分析を踏まえ、4Kならではの要素技術や 4K動画記録を生かした新機能を紹介し、今後の技術展開について述べる。
■5軸スキャンヘッド
キヤノン株式会社 井上晋宏
近年、超短パルスレーザを用いた微細加工技術が注目されている。本稿では、超短パルスレーザを加工対象物に高速・高精度に走査可能な5軸スキャンヘッドの特徴およびこれを用いた3次元加工の結果について紹介する。
■自動運転へ向けたADAS(Automotive Driving Assistance System)動向
IHSグローバル株式会社 有田学
これまで自動車メーカーは燃費向上や省エネルギー化に努めてきた。また、前方の人や物体を検出するための手段としてカメラや各種センシングデバイスを用いることにより人身事故などの衝突事故を減少させてきた。今後さらにセンシング技術を向上させることにより自動運転へと進化していく。
◆【5】開催案内
■マンスリーセミナー(12/20,1/17,2/21)
9月はパナソニック株式会社 先端研究本部 環境材料研究部 物質変換材料研究課 羽柴 寛氏 による「無機系材料を用いた人工光合成技術の研究動向とCO2還元反応研究の進展」、 10月は日本オクラロ株式会社 デバイス開発センタ 魚見和久氏による 「データセンター・データコム光通信用超高速半導体レーザの技術動向 〜up to 100 Gbit/s & Beyond;現在・過去・未来〜」、 11月は日産自動車株式会社 生産技術研究開発センター エキスパートリーダー 樽井大志氏による 「自動車産業 車体部品へのレーザ溶接品質保証技術」を予定している。
■研究会開催案内
第4回フォトニックデバイス・応用技術研究会(11/30)
第4回多元技術融合光プロセス研究会(12/6)
ワークショップ フォトニックデバイス・応用技術研究会(1/11)
第4回光ネットワーク産業・技術研究会(1/24)
◆【6】協賛案内
■協賛案内
当協会で協賛・後援している事業・行事を掲載。
◆【7】お知らせ
■特許フォーラム
平成29年3月10日に特許フォーラムを開催いたします。本フォーラムでは、特許動 向調査委員会で実施した光技術に関する特許動向調査の結果を報告するとともに、長年、 知的財産管理の現場でご活躍され、「知財スペシャリストが伝授する交渉術 喧嘩の作法」 の著者としても知られる一般社団法人日本知的財産協会の久慈直登専務理事をお迎えし て特別講演を行います。
■研究会 会員募集
光技術各分野の最新情報の交換、各分野での研究開発の促進及び産学官連携 強化を図る場として4つの研究会を設けて、講演と質疑応答を行っております。
また、時に応じて見学会、公開討論会も開催しております。
それぞれの光技術テーマに関心をお持ちの方のご参加をお待ちしています。
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