(2015年 3月26日掲載)
 オプトニューズ Vol.9, No.6 (2014)
 

◆【1】協会事業
■平成26年度 光産業技術シンポジウム
  本年度は、テーマを「新たなパラダイムシフト社会を築く光情報通信」とし、 OITDAとPETRAが共催で開催された。変革するフォトニックネットワーク、より 柔軟な光ネットワーク、高品質と省エネのデータセンター、光情報通信技術ロー ドマップ、8K/4K光伝送インターフェース、超低消費電力光エレクトロニクスの 最先端動向を各分野の第一人者やエキスパートにご紹介いただき、活発な議論が あった。230名を超える参加者の下、終始盛会となった。
■第30回 櫻井健二郎氏記念賞 表彰
 第30回(2014年度)櫻井健二郎氏記念賞は、受賞題目「プラズモン効果による 超解像度顕微鏡に関する先導的な研究」に対し、大阪大学・理化学研究所・ナノ フォトン株式会社の河田聡氏に、また、受賞題目「CIS薄膜技術による第2 世代 薄膜太陽電池の実用化」に対し、昭和シェル石油株式会社・ソーラーフロンティ ア株式会社の櫛屋勝巳氏に授与された。
■第4回 電子光技術シンポジウム
 産総研との共催で第4回電子光技術シンポジウムが2/18に開催された。当日は 産業界並びに関係研究機関等から131名の参加があり,この分野に対する関心の 高さを感じさせた。今年度は「超短パルスレーザーの応用とポータブルセンサの 未来」をテーマとして,6件の招待講演を含む11件の口頭発表とセンサに関する パネルディスカッションが行われた。当該分野に関心を寄せる多くの参加者との 有意義な議論が展開され,大盛況のうちにシンポジウムは閉幕した。
■平成26年度第2回 光産業技術標準化国際シンポジウム
 本年度2回目の題記国際シンポジウムが「レーザ機器の安全・安心−医用レーザ機 器の安全−」をテーマに当協会で開催された。IEC及びJISにおいて本年度改正され たレーザ安全の基本規格には、新規クラス分けとして「クラス1C」が導入されるなど、 医用レーザ機器の安全性に関して国際規格では継続的に新しい考え方が導入されてお り、欧州及び日本の医用レーザ安全の権威にその最新動向を解説いただいた。
■平成26 年度特許フォーラムを開催
 特許動向調査委員会主催の「特許フォーラム」を3月6日に開催した。
本年度委員会報告では、例年実施している主要4産業分野別の特許動向調査報告に加え、 トピックスとしてレーザ加工分野の調査報告を実施した。特別講演は前知財高裁所長で ユアサハラ法律特許事務所の飯村敏明弁護士をお迎えし、アップル対サムスンの 知財高裁判決を題材に、技術標準化とFRAND宣言及び標準化特許の権利行使に関する ご講演をいただいた。
■2014(平成26)年度光産業国内生産額・全出荷額 調査結果
  2013年度の光産業の国内生産額は8兆4,672億円、成長率18.0%、日本企業の海外生産を含む全出荷額が16兆9,311億円、成長率12.0%。全体では、Feed in Tariff(FIT)の影響により発電事業用が大幅に伸びた太陽光発電分野、自動車を中心とする設備投資の回復を反映して大幅に伸びたレーザ加工分野、幹線系の光伝送機器の増加に伴ってやや増加した情報通信や関連するセンシング・計測分野など、入出力分野を除く全ての分野で国内生産額は増加した(全出荷額では、入出力と情報記録の2分野が減少)。2014年度は、国内生産額が8兆5,916億円、成長率 1.5%、全出荷額が16兆8,742億円、成長率▲0.3%。全体では、設備投資の増加に伴い順調に増加するレーザ加工およびセンシング計測分野、前年度の高成長の反動に伴って国内生産額で1.9%、全出荷額で7.7%の増加に止まる太陽光発電分野と、分野ごとに傾向が異なると見込んでいる。すなわち、ディスプレイ・固体照明分野は、ディスプレイ装置の国内生産減少に漸く歯止めが掛かり、全体でも国内生産額で4.2%の増加となるが、全出荷額では▲1.3%とやや減少になり、情報通信および情報記録分野は、前年度の反動で国内生産額および全出荷額ともに大きく減少すると見込まれる。また入出力分野については、円安に伴う国内生産回帰の効果が出て来たものの、国内生産額および全出荷額ともに引き続きやや減少を見込んでいる。2015年度の光産業は、国内生産額・全出荷額ともにやや増加と 予測されている。
◆【2】テクノロジートレンド
■サブテラヘルツ波イメージャのセキュリティ応用
日本電気株式会社 小田直樹
 本報告では、セキュリティ応用の観点から、室温動作のミリ波ヘテロダイン小型 イメージャの製品、冷却型超伝導ボロメータアレイを用いたサブテラヘルツ波イメ ージャの開発とその製品化活動および室温動作のサブテラヘルツ波イメージャの開 発状況について紹介する。
■光ネットワークに適用されるSDNの動向
株式会社KDDI 研究所 吉兼 昇
 近年、仮想化環境においてネットワーク資源の設定をソフトウェアにより集中制 御可能なSoftware-Defined Networking(SDN)が注目を集めている。SDNの導入によ り、ネットワークの柔軟な運用制御実現が期待されている。本稿では、光ネットワ ークに適用されるSDNに関して技術概要および標準化動向を述べる。
■有機薄膜太陽電池技術と室内応用
株式会社 東芝 都鳥顕司
 次世代太陽電池としては、一般住宅の屋根やメガソーラー以外への多用途展開や 低コスト化が求められており、その有力候補の一つとして有機薄膜太陽電池が期待 されている。
 有機薄膜太陽電池は、太陽光照射下よりも屋内照明光下での変換効率が高く、低照 度でも効率が低下しにくいという特長があり、室内用途に適している。ここでは、 有機薄膜太陽電池技術と室内向け応用の可能性について述べる。
◆【3】リサーチ&アナリシス
■照明業界の成長戦略
一般社団法人日本照明工業会 森 明
 本稿では、政府の成長戦略・再興戦略、エネルギー基本計画等との連携した取り組 みを目指し、2014年10月に(一社)日本照明工業会が発表した照明業界として今後取 り組むべき課題、方向性を示す「照明成長戦略2020」の概要を紹介する。
■CO2レーザによるガラスの微細加工
三菱電機株式会社 藤川周一
 ガラス基板にレーザを使用して微細貫通穴を形成する加工技術が注目を集めている。 目的はガラス回路基板の実用化である。本稿では、CO2レーザの新たな応用事例の一つ として、ガラス微細穴あけ加工技術について紹介する。
◆【4】開催案内
■マンスリーセミナー(4/21,5/19,6/16)
 4月は前田工業株式会社 取締役 レーザー事業部長 三瓶和久氏による「高出力レーザ と加工プロセス技術の最新動向 〜スキャナー、DOE(回折光学素子)による入熱コント ロール」 5月はふじわらロスチャイルドリミテッド エグゼクティブディレクター 松本郁夫氏に よる「コールドストレージにおける光ディスクの可能性」 6月は一般社団法人 メディカル・イメージング・コンソーシアム 副理事長 谷岡健吉氏による「放送用先端 イメージング技術とその医学応用〜超高精細8Kテレビと超高感度HARP撮像管の技術を中 心に〜」 を予定している。
■研究会 開催案内
第1回 フォトニックデバイス・応用技術研究会(5/27)
第1回 光ネットワーク産業・技術研究会(5/28)
第1回 光材料・応用技術研究会(6/19)
◆【5】協賛案内
■協賛案内
 当協会で協賛・後援している事業・行事を掲載。
◆【6】お知らせ
■InterOpto 2015 出展募集
 当協会主催の"InterOpto2015"(最先端アプリケーションに不可欠な、 レーザー/光源/光センサ/光材料・部材を軸とした、ベストマッチングの場) の出展募集、早期申込割引実施中。
■InterOpto 2015中小・中堅・ベンチャー企業出展社支援のお知らせ
 中小・中堅・ベンチャー企業の事業PR 活動のチャンスを広げることのできる 展示会として、パシフィコ横浜で開催するインターオプト2015 の展示会場にお いて、出展社を支援する事業として出展企業を募集いたします。出展小間料を 当協会より支援いたします。
■研究会 会員募集
 光技術各分野の最新情報の交換、各分野での研究開発の促進及び産学官連携 強化を図る場として4つの研究会を設けて、講演・見学会、説明会も開催して います。それぞれの光技術テーマに関心をお持ちの方のご参加をお待ちして います。
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