光産業技術マンスリーセミナー
(2018年3月26日更新)

*** 2017プログラム紹介 ***

No.
開催日
講演テーマ / 講師
No.407

4/18
(火)

「 シリコンフォトニクス技術を用いたボード間/LSI間超小型光トランシーバ」

  技術研究組合光電子融合基盤技術研究所
 研究統括部長
 中村 隆宏
 氏
(内容)
   シリコンフォトニクスは、シリコンの高屈折率差による強い光閉じ込めにより小型・低消費電力化が期待されること、並びに、LSI-CMOSラインを用いて製造可能で、低コスト化が期待されることで、光トランシーバへの導入が進められている。本講演では、これらのシリコンフォトニクスの利点と実装技術により超小型化した光トランシーバである光I/Oコアについて報告する。また、光I/Oコアの応用先の1つであるボード間/LSI間への適用に関しても紹介する。
No.408

5/16
(火)

「 長距離大容量光通信システムを支える極低損失光ファイバ技術」

  住友電気工業株式会社 光通信研究所
 主席
 山本 義典
 氏
(内容)
   大洋横断海底光ケーブルなどに代表される長距離大容量光伝送システムにおいては、光ファイバには低い伝送損失および低い非線形性(大きな実効断面積)が強く求められており、今日までに伝送損失0.15dB/km以下、実効断面積130μm2以上の極低損失光ファイバが実用化されている。本講演では、光ファイバの低損失化の歴史を振り返るとともに、最新の極低損失光ファイバ技術を概説する。さらに、光ファイバの低損失化と低非線形性による長距離大容量伝送システムの性能改善への寄与についても述べる。
No.409

6/20
(火)

「 集積回路技術がもたらすテラヘルツ技術の変革」

  大阪大学大学院 基礎工学研究科 システム創成専攻
 教授
 永妻 忠夫
 氏
(内容)
   1990年代にはじまる、テラヘルツ(THz)波の研究開発のブレイクは、フェムト秒パルスレーザを利用したTHz波の発生と検出技術によりもたらされ、分光やイメージング技術の実用化に繋がった。およそ四半世紀が経過した今日、THz技術は産業化に向けた新たなフェーズに入りつつある。本講演では、それを象徴する重要な技術トレンドである、「半導体集積回路技術を導入したTHz基盤技術」の動向と、その通信やセンシングシステム応用への展望について述べる。
No.410

7/18
(火)

「 データセンタ向け次世代イーサネット光トランシーバと
それを支える超高速半導体光デバイス技術の最新動向 」

  日本オクラロ株式会社 戦略マーケティングセンタ
 主任技師
 平本 清久
 氏
(内容)
   IPトラフィックがCloud Service等のトラフィックに牽引され今後年率22%で増大すると 予想される中、イーサネット系トランシーバのマーケットはクラウドデータセンタがけん引すると見られている。クラウドデータセンタでは2016年からは100GbE対応の光トランシーバの導入が本格的に始まっており、2018年からは100Gbps超級の次世代イーサネット対応の光トランシーバの導入が始まると予測されている。
 本講演では、そのような背景のもとにIEEEで今年中に完了する見通しの400GbEに加え、特にデータセンタをターゲットとした新規格として2015年末より検討が開始された25GbE、50GbE、200GbE及び次世代の高密度100GbE等の光インターフェースの規格化の最新状況を概観すると共に、400GbEから新たに導入され、今後の光インターフェースの変調方式のベースとなるPAM4の特徴や、それら新規格に対応した光モジュールトランシーバのフォームファクタ、それらを実現するための光デバイスの技術動向等について紹介する。
No.411

8/22
(火)

「 近赤外分光計測の過去・現在・未来」

  名古屋大学大学院 生命農学研究科 生物圏資源学専攻
 教授
 土川 覚
 氏
(内容)
   近赤外分光法は、波長800−2500nmの電磁波を物質に照射して、その吸収・反射量から化学成分値等を非破壊で推定する手法である。本講演では、同法の歴史、原理、農業・食品産業・製薬工業・医療等における利活用の事例(果実の糖度、木材の含有水分、食品中の異物検出などなど)、さらには「小型化」や「見える化」を目指した最新の装置開発について紹介する。
No.412

9/19
(火)

「光学迷彩 歴史の裏の物語」

  東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所
 助教
 雨宮 智宏
 氏
(内容)
   透明人間になってみたい。誰しも一度は考えたことがあるはずだ。
その、長らく実現されることのなかった夢の技術に、今、手が届こうとしている……。
本講演では、透明マントを探し求めてきた歴史上の人々の活躍・葛藤を通じて、 光学迷彩の科学的な背景に迫る。
No.413

10/17
(火)

「診断・治療における内視鏡技術の現状と将来」

  オリンパス株式会社 医療要素開発1部 開発1グループ
 課長
 五十嵐 誠
 氏
(内容)
   昨今、癌の早期発見、及び、低侵襲治療において、内視鏡の果たす役割は年々大きくなっている。しかし、従来の内視鏡では微小病変の発見や病変部の良悪性鑑別等の点で必ずしも十分とは言えない。また、内視鏡を用いた治療においては術中出血などの合併症が課題である。そこで弊社は早期診断、及び、低侵襲治療の実現をミッションステートメントに掲げ、従来の内視鏡が抱える各種課題を改善するための様々な研究開発に取り組んできた。今回、弊社が提供する内視鏡イメージング技術や治療技術等が臨床現場でどのように活用されているかを主眼に概説する。
No.414

11/21
(火)

「量子カスケードレーザの進展とその応用」

  浜松ホトニクス株式会社 中央研究所
 
 枝村 忠孝
 氏
(内容)
   量子カスケードレーザは半導体量子井戸構造中に形成されるサブバンドと呼ばれる量子準位間の発光遷移を利用した中赤外領域の半導体レーザである。1994年に初めて低温でレーザ発振が報告され、2002年には室温CW発振が達成された。近年の環境意識の高まりから環境ガス計測を中心に各種分析装置にも実装され、急速に産業応用が進んでいる。本講演では量子カスケードレーザの動作原理から製品化までを概説し、様々な応用例を紹介する。また、THz領域の新技術についても触れる予定である。
No.415

12/19
(火)

「太陽電池セル・モジュールの最新業界動向および技術開発動向」

  明治大学
 特任教授
 中村 京太郎
 氏
(内容)
   今、太陽電池は大きな技術的転換点に差し掛かっている。現在の主流である従来型(Conventional)結晶シリコン太陽電池は広く普及しており製造コストも安いが変換効率20%を超える高効率を実現することは難しい。このためConventional太陽電池のシェアは今後徐々に低下していくと予想される。これに対して今後シェアが伸びていくと考えられるのは裏面パッシベーション型(Passivated Emitter and Rear Cell : PERC)や、ヘテロ接合およびバックコンタクト型といった高効率太陽電池である。特にPERCはConventional太陽電池に代わって今後の主流となっていくと予想される。講演では大きく変革しつつある太陽電池の技術開発動向および最新業界動向を概説する。
No.416

1/16
(火)

「空間多重光伝送技術の進展 〜光通信も「京」の時代へ〜」

 株式会社KDDI総合研究所
 執行役員
 森田 逸郎
 氏
(内容)
   継続的に増加する通信トラヒックを収容し、高信頼で経済的な通信サービスを提供し続けるためには、それを支える光伝送システムの大容量化が不可欠となる。しかし、従来の光ファイバでは、入力可能光パワーの制約等により、これまで以上の大容量化は物理的な限界に近づいている。
 このような限界を打破するための技術として、マルチコアファイバやマルチモードファイバを用いる空間多重光伝送技術の研究開発が活発に進められ、最近では、一本の光ファイバでの伝送容量記録を大幅に更新する10Pbit/s伝送実験も報告されている。本セミナーでは、空間多重光伝送技術の概要と共に、その代表的な成果を紹介し、技術の進展について述べる。
No.417

2/20
(火)

「デジタルコヒーレントシステムを支える波長可変光源の現状と関連デバイスの将来動向 」

 古河電気工業株式会社 研究開発本部
情報通信・エネルギー研究所 フォトニックデバイス開発部
 部長
 向原 智一
 氏
(内容)
    2010年代前半から、デジタル信号処理を用いてコヒーレント検波を実現する「デジタルコヒーレント通信」方式を用いた100Gbit/s大容量伝送システムの導入が進んだ。本セミナーでは、デジタルコヒーレント通信用狭線幅波長可変光源の基本動作原理、技術動向を紹介する。
 今後IoTに代表される、あらゆるモノがつながるネットワーク、自動運転、高速・低遅延5Gネットワークなどが注目され、ワイヤレスバックボーンや、クラウド・エッジコンピューティングの拡大が検討されている。そこで現在議論されているメトロ・データセンタ領域へのデジタルコヒーレント技術適用、小型、低消費電力、低コスト光源の最新技術動向を紹介する。
No.418

3/23
(金)

「ImPACTプログラムにおける高出力小型パルスレーザーの開発と応用 」

 内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)
 プログラム・マネージャー
 佐野 雄二
 氏
(内容)
    ImPACT佐野プログラムでは、小型・軽量で取扱い性に優れた高出力のパルスレーザーを 開発するとともに、開発したレーザーを使用した応用展開を進めている。本報告では、パルス エネルギー20mJ、繰返し数〜数十Hzで手の平サイズを達成したサブナノ秒のNd:YAG レーザー、並びに、製造・社会インフラのメンテナンス・医療分野などにおける応用システムの開発状況を紹介する。また、パルスエネルギー1J、繰返し300Hzの従来にない高出力テーブ ルトップNd:YAGレーザーの開発状況を報告する。
OITDA