No. 開催日 |
講演テーマ / 講師 |
No.320
1/19 (火) |
「高速光パケット処理技術および光ルータの現状と展望」
日本電信電話株式会社 先端技術総合研究所
フォトニクス研究所 先端光エレクトロニクス研究部
グループリーダ 高橋亮 氏
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(内容)
近年、IPTVやVODなど大容量データ通信の急速な発展に伴い、ネットワークの大容量化
が急務となっている。さらに、ユビキタス社会の実現に向けた多様な高度サービスへ
の要求も高まっている。しかしこれらネットワークの大容量化・高機能化は、電力消
費量の急増をもたらし、グリーンICT社会の実現に対する大きな問題となってい
る。このような情報通信環境の変化に対応するには、サーバやルータなどのIP系装置
の処理能力の更なる高度化と共に、装置の大幅な低消費電力化や低遅延化、小型化な
どが不可欠である。現在これらの問題を解決するため、高速な全光技術や光電子融合
技術を導入した光パケット処理技術および光ルータシステムの研究開発が世界中で活
発に進められている。本講演では、光ルータの実現に向けた国内外の様々な取り組み
や現状の最先端光パケット処理技術について紹介すると共に、光電子融合型および全
光型光ルータシステムの展望について解説する。
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No.321
2/16 (火) |
「通信用光コネクタ技術の現状と展望」
千葉工業大学
工学部 機械サイエンス学科
教授 長瀬 亮 氏
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(内容)
シングルモード光ファイバを接続する通信用光
コネクタは、システム側からの要求である無損失、
無反射、無故障かつ価格0円に限りなく近づけるた
めの技術で成り立っている。光通信システムの商
用運用が始まった1980年代からFTTHの本格的な普
及が始まった2000年代に至るまで、光コネクタ技
術の進展は光通信ネットワークの飛躍的な進歩を
陰で支えてきた。
本セミナーでは通信用光コネクタ技術の基礎と
これまでの変遷を概説した後、今後の技術動向
および標準化動向について述べる。
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No.322
3/16 (火) |
「レーザーによる 高エネルギー密度新材料・新デバイス創生へ向けて」
大阪大学大学院
工学研究科 電気電子情報工学 電気電子システム工学部門
先進電磁エネルギー工学講座 高エネルギー密度工学領域
教授 兒玉了祐 氏
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(内容)
光は、位相をそろえることで時間的、空間的に極めて小さな領域に
エネルギーを集中させることができ、人類が手にしたどの技術より効
率的にエネルギー密度を上げることができる。この高いエネルギー密
度状態を利用して、これまで実現しなかった物質状態、材料、デバイ
スが生まれようとしている。ここでは特に我が国オリジナルなアプロ
ーチとして、高エネルギー密度プラズマを利用したプラズマフォトニ
ックデバイスと、固相状態の高エネルギー密度物質・材料を中心に紹
介する。
光や荷電粒子のフラックスを上げていくと固体デバイスは損傷しプ
ラズマ状態になる。ところが、固体デバイスより高いエネルギー密度
を有した高密度プラズマをデバイスとして利用できれば、高いフラッ
クスの光や荷電粒子ビームを直接制御でき、新しい機能や装置の小型
化が期待できる。これが高エネルギープラズマフォトニクスの基本概
念である。この概念のもと、通常制御できないと思われていた高強度
の光や高密度荷電粒子ビームを直接制御できるプラズマフォトニック
デバイスについて紹介する。もう1つの可能性として高エネルギー密
度新物質・材料がある。従来、高出力レーザーによるテラパスカル以
上の超高圧状態による固体状態の相転移の実現は不可能であったが、
新しい圧縮法や回収技術の進展により、高出力レーザーを利用した超
高圧新物質・材料創生が現実になりつつある。夢の金属である固体金
属水素を始め、ダイヤモンドより硬いスーパーダイヤなどが1つのマ
イルストーンとして期待されている。最近、ダイヤモンドと同じ結晶
構造を持つSiの金属化状態取り出しに関する興味深い成果が得られつ
つある。
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No.323
4/20 (火) |
「HIT太陽電池の高性能化と低コスト化に向けたアプローチ」
三洋電機株式会社
研究開発本部 アドバンストエナジー研究所 ソーラーエナジー研究部
担当課長 木下敏宏
氏
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(内容)
三洋電機が独自に開発したHIT太陽電池は、実用サイズ世界NO.1の
エネルギー変換効率(23.0%)、夏場の温度上昇時の出力低下が少ない
ことにより、その優れた発電性能が世界的に注目されています。更に、
コストパフォーマンス改善のためウェハ薄型化に取り組み、98um厚でも
変換効率22.8%を達成しています。当日は、太陽電池産業の現状や
地球環境への貢献ポテンシャルの紹介に引き続き、HIT太陽電池の
更なる高効率化及び低コスト化に向けたアプローチを紹介させていただき
ます。
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No.324
5/18 (火) |
「新たな医療を目指す光応用技術の開発〜光音響診断〜」
防衛医科大学校
防衛医学研究センター 情報システム研究部門
准教授 佐藤 俊一 氏
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(内容)
本年1月に開催された生体医用光学に関する世界最大の会議BiOSにおいて,
全体で36あったConferenceのうち,光音響関係の"Photon Plus Ultrasound:
Imaging and Sensing"が発表件数最多であった(132件)。光音響診断が生
体医用光学分野において最も研究が活発なテーマの一つであることがわかる
(なぜか国内の研究は少ないが)。光音響診断とは,生体中の光吸収体,
例えばヘモグロビンを光励起した際に発生する音響波(光音響波)を観測す
ることにより,その濃度分布を計測・イメージングする技術である。光診断
と超音波診断の特徴を併せ持つこの光音響診断は,光コヒーレンストモグラ
フィー(OCT)よりはるかに深い組織を,超音波診断よりはるかに高い空間分
解能で観測可能である。これまで血管や血行動態を主な診断対象に,高分解
能化および観測組織深度の増大の二つを軸に研究が展開されてきた。そして
ここ数年,注目すべき新たな動向がみられる。重要な例として,マルチモダ
リティー化,特に超音波診断との統合,内視鏡的応用,新たな内因性吸収や
増感剤を用いた観測対象の飛躍的拡大などがあげられる。
本講演では,これら光音響診断・イメージングの最新の研究動向について
概観・分析し,今後臨床応用が期待される技術について著者らの研究を交え
て紹介したい。
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No.325
6/15 (火) |
「レーザ加工の現状と展望」
株式会社レーザックス
専務取締役 三瓶 和久 氏
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(内容)
レーザ加工は、自動車部品・車体の溶接や切断から、各種電子部品の微細加工、さ
らには半導体のリソグラフィをはじめとして、従来工法では難しい材料、形状の加工
に対応でき、様々な産業で使用されています。最近では太陽電池の生産に至るまで適
用が拡大しています。また、様々なサイズの加工についても、加工条件の変更だけで
対応できるため、試作・少量多品種生産から量産まで幅広い加工技術としてその可能
性が期待され、様々な産業で使用されています。
熱加工が主体であったレーザ加工がより微細な熱影響の少ない非熱加工のニーズに
答えるかたちで発振器の短波長・短パルスが進み、また、より使いやすいレーザ発振
器のニーズに答えるかたちで半導体レーザ・ファイバーレーザといった新しいレーザ
発振器が、それぞれの加工の用途に応じて市場に提供されています。
レーザは波長と照射時間『CW(連続)〜パルス照射)』によって、加工のプロセス
が大きく変わり、用途に応じた適用が可能である。レーザ基本的な発振器の特徴か
ら、加工プロセスの特徴について解説すると共に代表的な適用としての加工事例につ
いて紹介します。
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No.326
7/27 (火) |
「今後の高速・省エネ光半導体デバイス」
国立大学法人 電気通信大学
大学院先進理工学専攻
教授 上野 芳康 氏
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(内容)
近年5年間のデータセンター業界から次世代CPU技術の速度・消費電力動向を反映
し、『光』通信関連国際研究講演会(OFC, ECOC, CLEO, LEOS)と国内研究講演会
(JSAP, IEICEなど)に於いても、CPUチップ内部を相互接続する光配線技術(技術開発
段階)、そしてさらに、小規模な光信号処理デバイス類(開拓研究段階)の[信号速
度、消費エネルギー、小型集積度]の進展が次々成果発表され、活発に討議されてい
る。
本講演ではまず、過去40年間の世界・日本の電力消費量増大とCPU演算性能指数向
上の推移を、講師の観点からご紹介する。その上で、世界各地で開拓研究が続けられ
ている高速光半導体デバイスの[信号速度、消費エネルギー、小型集積度]の代表的
成果に注目し、それらの科学技術背景を整理しながらご紹介する。近年の各代表値
は、毎秒200ギガビット、1ビット当たり1ピコジュール、10〜100ミクロンである。
これらの近況と将来を決定づける最重要要素技術(新しい半導体材料選定の側面、ナ
ノフォト・電子緩和などの物理原理の側面)を選び出してご紹介しつつ、[速度・エ
ネルギー]課題を最優先するやや大胆な将来技術ビジョンをご講演する予定である。
大きな時間枠なので、活発なご質問ご意見を、歓迎致します。
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No.327
8/17 (火) |
「大面積フレキシブルエレクトロニクスに向けた各種有機デバイス」
国立大学法人 千葉大学
大学院工学研究科
准教授 中村 雅一 氏
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(内容)
約100年前に真空管が発明されて以来、エレクトロニクスに関わる様々な革新
的製品が生み出され、人々の生活スタイルに変革をもたらしてきた。21世紀に
入ってすでに10年が経過するが、この間残念ながら20世紀にもたらされたほどの
革新的製品は生まれていない。特に、身の回りの壁やテーブルなど、いたるとこ
ろの「表面」が未だエレクトロニクスの空白地帯であることが残念である。我々
は、Electronics on Any Surfaceをキャッチフレーズに、フレキシブルエレクト
ロニクスに関わる様々な要素技術や回路素子を生み出してゆくことで、いずれ
このようなエレクトロニクスの空白地帯を埋めてゆけると考えている。
この目的のために、パワートランジスタの有機薄膜トランジスタ(OTFT)版で
ある各種縦型有機トランジスタ、RFIDタグの機能を有機トランジスタで拡張する
段差型有機トランジスタ、フレキシブルエレクトロニクスのエネルギー源となる
有機太陽電池、大面積温度センサや最小限のエネルギー源として利用できる有機
熱電変換デバイス、大面積THzイメージング素子に向けた有機THzセンサなどの様々
なデバイスについて研究を進めている。本セミナーでは、有機半導体についての
基本的な解説を交えながら、これら有機電子デバイスに関する研究成果の概要を
紹介する。
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No.328
9/14 (火) |
「ホログラフィックメモリ用フォトポリマーの開発動向」
共栄社化学株式会社
奈良研究所 新規事業推進室
部付部長 池田 順一 氏
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(内容)
ホログラフィックメモリは2次元画像データをページ単位で記録できる3次元のメ
モリであり、高密度、大容量かつ高速で記録再生が可能で次世代メモリとして有望視
されている。講演ではまずホログラムメモリ用フォトポリマーの開発状況を概説する
とともに、私どもが進めてきたフェーズロック方式コリニアホログラムメモリーシス
テム用メディアとして開発したナノゲルフォトポリマ(NGPP)について概説する。な
お、NGPPは従来提唱されている干渉縞形成過程ではリニアポリマーの成長と拡散を考
慮しているのに対し、実用性能を出来るだけ維持しながらポリマーの成長や拡散を抑
制、干渉縞形成時にフォトポリマー材料がλ/10以下の微細なドットライク屈折率変
調部位を持つ様に設計、高精細化を図ったフォトポリマーである。
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No.329
10/19 (火) |
「テラヘルツ波センシングによる材料分析」
有限会社スペクトルデザイン
代表取締役 深澤 亮一 氏
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(内容)
テラヘルツ波を用いた分光やイメージングは、工業材料の分析、
化学成分検知、生産工程のモニターなどの非破壊分析技術として有望
である。 1990年頃から、0.1 〜10THz(波長:30μm〜3mm)の周波数
領域は、特にテラヘルツ領域と呼ばれるようになった。テラヘルツ
領域は、従来の遠赤外からミリ波にかけての電磁波領域と重なり、
簡便に使える分光装置の開発が立ち遅れたことから、応用も限られていた。
近年、テラヘルツ波の持つ透過性と、物質固有の吸収スペクトル
が得られるという特徴を生かして、分析や非破壊検査に応用されつつある。
その応用の可能性は、工業材料、農業・食品、製薬、バイオメディカル、
セキュリティー、環境計測など、多岐の分野にわたると考えられており、
今後の発展が期待されている。本講演では、テラヘルツ波分光の特徴、
分光およびイメージング装置の概要、さらに、材料分析への応用に
ついて紹介する。
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No.330
11/16 (火) |
「マグネシウム文明論―石油に代わる新エネルギー資源―」
東京工業大学・大学院理工学研究科
教授 矢部 孝 氏
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(内容)
太陽光のエネルギーは無尽蔵である。しかし、曇りや雨を考慮すると、我が国の年
間平均日照時間は4時間/日しかない。太陽光だけで、日本全体のエネルギーをまかな
うには、国土の60%にものぼる太陽光受光面積が必要となる(太陽利用効率30%
と仮定し、リスク回避で10日分の貯蔵を念頭においている)。
世界中には、年間平均日照時間が10時間/日を越す国があるが、そこからエネル
ギーを輸送してくる方法がなければ他の国がこれを利用することはできない。即ち、
エネルギー貯蔵ができ、移動可能な媒体が必要となる。年間100億トン消費してい
る石油・石炭をこのエネルギー貯蔵でまかなおうとすると、当然数十億トン規模の媒
体が必要となってくる。その媒体を製造するエネルギーも考えなければならないの
で、候補となる物質はほとんど限られる。
われわれは、マグネシウムMgを用いたエネルギー貯蔵を提案した。Mgを酸素や
水と反応させてエネルギーを取り出し、反応生成物である酸化マグネシウムを、太陽
光や風力などの自然エネルギーを用いて、Mgに戻すことができれば、このMgがエ
ネルギーの貯蔵、輸送媒体となることが期待できる。
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No.331
12/21 (火) |
「応力発光体を用いた安全管理センシング技術」
(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 応力発光技術チーム
研究チーム長 徐 超男 氏
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(内容)
世界で初めて開発した「応力発光体」は、機械的な刺激に応答して発光
する材料である。粉末状の応力発光体は、それぞれのセラミック微粒子が力学的刺激
により発光するセンサーの役割を果たす。微粒子を含有した塗料を対象物に塗布する
と、応力が集中した個所の微粒子が発光する。最近、著者らは外側から直接見ること
のできない構造物の欠陥とその危険レベルを、応力発光体の発光強度分布を利用して
可視化する計測技術を開発している。
測定した発光強度から構造物に発生したひずみの状態や欠陥レベル、亀裂やひび割れ
の発生・進展を可視化できる。講演では構造体の欠陥検査の重要性と現状説明を交え
て最近の研究進展を紹介する。
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No.332
1/18 (火) |
「面発光レーザフォトニクスの進展」
東京工業大学 精密工学研究所
教授 小山 二三夫 氏
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(内容)
面発光レーザは,数十マイクロアンペアのオーダーまで、低しきい値電
流化が進められ、消費電力が小さい、2次元アレー化が可能、ウェハ単位での性能試験が可能であるなど、
従来構造の半導体レーザに比べて多くの利点がある。30年以上にわたる研究を経て、サブミリアンペアの
低しきい値素子の実現や高速光データリンク、あるいはレーザマウス用光源として市場を形成しつつある。
最近では、スーパーコンピュータや携帯端末における低消費電力光配線への適用が検討されている。
本講演では、面発光レーザフォトニクスのこれまでの研究経緯、面発光レーザの構造と特性、応用システム、
最近の進展について述べる。波長集積・制御技術などの発光素子としての研究に加え、光信号処理、
スローライト光回路への応用などについても紹介する。
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No.333
2/15 (火) |
「人工光を用いた植物工場の現状と将来展望」
玉川大学 農学部生命化学科
教授 渡邊 博之 氏
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(内容)
昨年より経済産業省と農林水産省が本格的な植物工場事業の支援
に乗り出したこともあり、植物工場関連技術の開発が盛んである。
特に、太陽光併用型植物工場と共に人工光完全制御型植物工場の
技術開発が進んでいるが、作物の生産システムとしてはまだまだ
課題も多い。人工光完全制御型植物工場の栽培光源としてこれま
で利用されてきた高圧ナトリウム灯や白色蛍光灯に加え、最近植
物栽培用光源としてLEDの利用も試みられている。人工光完全
制植物工場のこれまでの開発の経緯をふまえ、それぞれの光源や
栽培システムの特徴や課題、特に、LED植物工場開発の試みや
今後の展開について、開発会社の動向や演者の経験をもとに解説
する。
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No.334
3/15 (火) |
開催中止
「単一細胞操作支援ロボットを用いた ES細胞へのフェムトインジェクション」
東京農工大学大学院 工学研究院 生命機能科学部門
准教授 斉藤 美佳子 氏
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(内容)
遺伝子や抗体、あるいはそれらを担持させた微粒子などを標的
細胞に導入するために、インジェクション技術は極めて有用である。
特に、それらの複数の成分を定量的に導入できること、また導入する
タイミングも任意に決められること、などの条件を考えると、他に
勝る方法はない。しかし、インジェクションを行うには、顕微鏡を
覗きながら細胞の選択、保持、細胞へのキャピラリーの刺入などの
一連の操作が必要なため煩雑で多くの時間を費やすことになり、
従来およそ実用的な方法とは考えられなかった。そこで、これらの
作業を高効率で行えるように、駆動部の集中制御、細胞位置登録機能
などを有する、新たなコンセプトに基づいて開発された装置が単一細胞
操作支援ロボット(Single-cell Manipulation Supporting Robot;
SMSR)である。
我々は、SMSRを基盤とするフェムトインジェクション技術の確立を
目指しており、既に、細胞の中では極めて小さいES細胞に対して複数
遺伝子の同時導入および定量的な遺伝子導入に成功し、疾患関連遺伝子
を改変した疾患モデル細胞の開発の可能性を示している。また、今後、
細胞再生工学で重要となる遺伝子発現制御技術としても有用であると
考えている。本講演では、これらSMSRを用いた研究成果について紹介する。
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