(2012年 5月15日掲載)
(H24-No.1) 第7分野:光エネルギー
テーマ:集光型太陽光発電
CPV-8 2012 ショート速報
西岡 賢祐(宮崎大学)
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会議名 |
:8th International Conference on Concentrating Photovoltaic Systems (CPV-8) |
開催期間 |
:2012年4月16日-18日 |
開催場所 |
:Hotel Beatriz (Toledo、スペイン) |
*要 約*
CPV-8は、集光型太陽光発電に関連する技術に特化した内容に関する
会議である。本会議の参加者は年々増加し、今回の参加者は31か国
から422人であった。集光型太陽光発電に関連する技術が報告され、
集光型太陽電池、モジュール化技術、システム出力評価等について
活発に議論された。Solar Junctionは太陽電池の世界最高効率であ
る43.5%(25℃、400-600倍集光)を達成しており、量産レベルでも
42%の高効率を出している。また、Semprius社が33.9%のモジュール
最高効率を達成した。集光型太陽電池やモジュール化技術だけでなく、
信頼性評価やマーケットについても活発な議論が行われた。
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(2012年 5月29日掲載)
(H24-No.2) 第1分野:光無機材料・デバイス
テーマ:量子情報通信
CLEO 2012 ショート速報
吉澤 明男(産業技術総合研究所)
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会議名 |
:The Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO) 2012 |
開催期間 |
:2012年5月6日-11日 |
開催場所 |
:San Jose Convention Center (San Jose, CA, 米国) |
*要 約*
CLEOは光技術すべてを網羅する国際会議である。量子情報が含まれて
いる分野はQELS-Fundamental Science(Quantum Electronics and Laser
Science)と呼ばれCLEO本体と区別されているようだが、合同
セッションも多く明確な境界はないと思う。実用化に近いと言えば
量子暗号通信を想像するが、今回は過去のCLEOと異なり量子暗号通信
システムに関する発表は少数で、超伝導技術による光子検出やダイヤ
モンド結晶、窒素空孔による単一光子発生や量子メモリー、量子デバ
イスの集積化、高品質エンタングルメント発生、暗号通信以外への応
用など「新たな展開」を意識した成果発表が多かった。また、量子情
報関連の他会議と比較すると「実験屋」の発表が多いのも特徴である。
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(2012年 6月 1日掲載)
(H24-No.3) 第6分野:加工・計測・バイオ
テーマ:光診断:拡散光イメージング
BIOMED 2012 ショート速報
岡田 英史(慶應義塾大学)
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会議名 |
:2012 Biomedical Optics, OSA Optics & Photonics Congress |
開催期間 |
:2012年4月28日−5月2日 |
開催場所 |
:Miami Hilton Downtown (Miami、米国) |
*要 約*
BIOMED 2012 は、Optical Society of Americaが主催する光学技術の
生体医用工学への応用に関する国際会議である。トピックとしては、
バイオ・ナノフォトニクス、光学顕微鏡、光音響イメージング、光コ
ヒーレンストモグラフィー、拡散光イメージング、分光計測などがあ
り、細胞から臓器レベルの非常に広いスケールにおける光診断・イメー
ジングに関する研究が報告されていた。また、今回の会議では、OIDA
(Optoelectronics Industry Development Association) 主催の光学
関連企業の健康医療分野への展開に関するナイトセッションも企画さ
れていた。
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(2012年 6月11日掲載)
(H24-No.4) 第3分野:情報処理フォトニクス
テーマ:ナノフォトニクス
ICNP2012 ショート速報
田中 拓男(理化学研究所)
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会議名 |
:The International Conference on Nanophotonics 2012 |
開催期間 |
:2012年5月27日−30日 |
開催場所 |
:Peking University (北京、中国) |
*要 約*
この国際会議は、ナノフォトニクスとその関連技術に関する会議で、
毎年開催されている。一昨年の筑波、昨年の上海に続き、6回目とな
る2012年の会議は北京で開催された。中国、日本、韓国はもちろん、
ヨーロッパ、米国、台湾などから参加者が集まり、活発な会議となっ
た。会議は、プラズモニクスならびにメタマテリアルに関するトピッ
クスを中心に、新しい光学現象の発現や、高効率極微光デバイスへの
展開、エネルギー変換デバイスへの応用などの研究成果が報告された。
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(2012年 6月19日掲載)
(H24-No.5) 第7分野:情報処理フォトニクス
テーマ:集光型・超高効率太陽電池
IEEE PVSC ショート速報
荒木 建次(大同特殊鋼)
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会議名 |
:The 38th IEEE Photovoltaic Specialist Conference |
開催期間 |
:2012年6月3日−8日 |
開催場所 |
:Austin Convention Center (オースチン、米国) |
*要 約*
集光型太陽電池は市場が立ち上がり始め、これまでの学会に見られた
ような基礎的研究やキワモノの構想よりも現実的な技術開発成果や信
頼性、また、現実的な新概念が数多く見られるようになってきた。
キーワードは@逆成長、A従来型3接合からの脱皮、B信頼性、C実
用化への胎動である。
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(2012年 7月 6日掲載)
(H24-No.6) 第7分野:情報処理フォトニクス
テーマ:太陽光発電:評価関連
IEEE PVSC ショート速報
菱川 善博(産業技術総合研究所)
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会議名 |
:The 38th IEEE Photovoltaic Specialist Conference |
開催期間 |
:2012年6月3日−8日 |
開催場所 |
:Austin Convention Center (オースチン、米国) |
*要 約*
米国IEEE(電機電子学会)主催で毎年開催されている太陽光発電分野
の国際会議である。会議への参加者、発表論文数はそれぞれ約1,530名、
約970件と、過去最高であった前回のシアトル会議よりやや減であった
が、同会議としては多数を保っている。結晶Si太陽電池を中心とした
生産拡大と低コスト拡大が進む中、発電量評価・システム評価・信頼性
評価技術への注目が増すと共に、薄膜太陽電池等の高性能デバイス開発
も加速している。ここでは筆者が主に参加聴講した評価関係のトピック
スについて述べる。
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(2012年 6月29日掲載)
(H24-No.7) 第6分野:加工・計測
テーマ:レーザ加工
SLT '12 ショート速報
鷲尾 邦彦(パラダイムレーザーリサーチ)
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会議名 |
:Stuttgart Laser technology Forum’12 |
開催期間 |
:2012年6月13日−14日 |
開催場所 |
:Messe Stuttgart/ICS (Stuttgart、Germany) |
*要 約*
集光型太陽電池は市場が立ち上がり始め、これまでの学会に見られた
ような基礎的研究やキワモノの構想よりも現実的な技術開発成果や信
頼性、また、現実的な新概念が数多く見られるようになってきた。
キーワードは@逆成長、A従来型3接合からの脱皮、B信頼性、C実
用化への胎動である。
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(2012年 6月29日掲載)
(H24-No.8) 第6分野:加工・計測
テーマ:レーザ精密微細加工
LPM2012 ショート速報
岡本 康寛(岡山大学)
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会議名 |
:13th International Symposium on Laser Precision Microfabrication |
開催期間 |
:2012年6月12日−15日 |
開催場所 |
:The Catholic University of America (Washington DC, USA) |
*要 約*
レーザによる精密微細加工を対象としたLPM2012では、基礎から産業
応用まで幅広い分野の講演があった。超短パルスレーザを用いた周期
構造作製とその特性の評価、サブ100nmオーダのプロセス、微細構造
体の作製、微細ラインの直接描画およびそれらの構造に関して議論が
行われた。多光子吸収や化学作用を併用した微細加工の提案や評価、
それらの実用応用を目指した研究開発に関する報告が多くあり、超短
パルスレーザによるプロセスの実用展開加速が期待される内容であった。
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(2012年 7月 2日掲載)
(H24-No.9) 第4分野:ディスプレイ
テーマ:PDP関連
SID2012 ショート速報
頭川 武央(パナソニック)
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会議名 |
:50th SID International Symposium, Seminar & Exhibition (Display
Week 2012) |
開催期間 |
:2012年6月3日−8日 |
開催場所 |
:Boston Convention and Exhibition Center (Boston, Ma, USA) |
*要 約*
SID2012のPDP関連に関する発表に参加した。近年、PDPの新しい保護
膜材料として提案されているMgCaOに関する発表が全体の半数を占め
ており、発表の内容から実用化が非常に近づいていることを感じた。
最も注目されていた発表は、145吋SHVの超大型高精細PDPに関する
駆動方法の発表であった。この他に、厚さが300μmの超薄型PDPや、
DC型のPDPを放射線センサーに応用した発表があった。
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(2012年 7月 5日掲載)
(H24-No.10) 第4分野:ディスプレイ
テーマ:LCD関連
SID2012 ショート速報
山崎 章(メルク株式会社)
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会議名 |
:50th SID International Symposium, Seminar & Exhibition (Display
Week 2012) |
開催期間 |
:2012年6月3日−8日 |
開催場所 |
:Boston Convention and Exhibition Center (Boston, Ma, USA) |
*要 約*
各国の大手メーカーや研究機関からディスプレイ関連技術が数多く発
表された。特に有機EL技術が注目を集め、Exhibitionでは韓国メー
カー2社がテレビ向けに55型品を出展し、話題になっていた。また、
3Dディスプレイや中小型高精細液晶ディスプレイ等に注目が集まった。
Symposiumでは有機ELをはじめとして、3D、電子ペーパー、ディスプ
レイ部材など幅広い分野に関する報告がある中、ブルーフェイズ液晶、
高精細液晶、酸化物半導体TFT等の発表が多くなされ、LCDの進化が
継続していることを実感できた。
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(2012年 7月 5日掲載)
(H24-No.11) 第4分野:ディスプレイ
テーマ:3Dディスプレイ
SID2012 ショート速報
上原 伸一(東芝)
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会議名 |
:50th SID International Symposium, Seminar & Exhibition (Display
Week 2012) |
開催期間 |
:2012年6月3日−8日 |
開催場所 |
:Boston Convention and Exhibition Center (Boston, Ma, USA) |
*要 約*
3Dディスプレイの市場では、メガネ式が大型TVを中心に搭載されつ
つあり、これを受けて本学会では、デバイスから生体系まで含めた
システムとしての研究や発表が、次第に充実してきている。一方で、
裸眼式3Dディスプレイを中心に、製品化に向けた開発に関する発表
も増えつつある。
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(2012年 7月 9日掲載)
(H24-No.12) 第4分野:ディスプレイ
テーマ:プリンテッドエレクトロニクス
LOPE-C ショート速報
長谷川 雅樹(メルク株式会社)
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会議名 |
:Large-area, Organic & Printed Electronics Convention 2012 |
開催期間 |
:2012年6月19日−21日 |
開催場所 |
:International Congress Center Munich (Munich、ドイツ) |
*要 約*
欧米では材料、装置、製品の企業が連合組織を作ってプリンテッドエレ
クトロニクスに取り組んでおり、この産業に対する大きな期待が感じら
れた。一昔前に、ユビキュタスコンピュータ社会が話題になったが、プ
リンテッドエレクトロニクスがこれを可能にできる。これまでのように、
すべてを印刷によって作製するのではなく、シリコンチップと組み合わ
せたハイブリッドなシステムを考えると、あらゆるものにコンピュータ、
センサ、無線データ通信を組み込むことが可能になり、新しい応用が考
えられるようになる。
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(2012年 7月26日掲載)
(H24-No.13) 第3分野:情報処理フォトニクス
テーマ:相変化材料
E/PCOS2012ショート速報
新谷俊通(産業技術総合研究所)
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会議名 |
:European Phase Change and Ovonics Symposium |
開催期間 |
:2012年7月9日−10日 |
開催場所 |
:Hotel Scandic Rosendahl (Tampere、フィンランド) |
*要 約*
相変化材料の基礎・応用に関する研究成果が発表される本学会だが、毎回議論される相変化材料の構造な
どに加え、今回は相変化材料の物性のサイズ効果に関する発表が目立った。また、トポロジカル絶縁性や光
記録において偏光特性が現れるなど、新奇な物性に関する発表もあり、相変化材料の物性にはまだ多くの研
究開発の余地があることを改めて認識することのできる学会であった。
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(2012年 7月30日掲載)
(H24-No.14) 第3分野:情報処理フォトニクス
テーマ:光設計
ODF'12 ショート速報
立野公男(株式会社古賀総研)
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会議名 |
:8th International Conference on Optics-photonics Design & Fabrication |
開催期間 |
:2012年7月2日−5日 |
開催場所 |
:Ladoga Lake on the boat "Vissarion Belinsky"(St.Petersburg、ロシ
ア) |
*要 約*
国際会議ODFは、光設計研究グループの歴代委員各位と共に、筆者らが
1998年に東京で初回開催して以来、隔年開催し今回で第8回目を迎えた。
当初、東京で4回開催され、奈良にホップし、台北にステップして、今
回は、遥かペテルブルグまでジャンプしてヨーロッパ最大の湖、ラドガ
湖上に浮かぶ客船上に軟着陸しての開催となった。感無量である。発表
件数は185件、参加人員は204名で18カ国におよんだ。主な技術動向は、
Free Form Optics(自由曲面光学)である。
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(2012年 8月14日掲載)
(H24-No.15) 第1分野:光無機材料・デバイス
テーマ:半導体発光デバイス
ISSLED2012 ショート速報
山口智広(工学院大学)
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会議名 |
:9th International Symposium on Semiconductor Light Emitting Devices |
開催期間 |
:2012年7月22日−27日 |
開催場所 |
:Technical University of Berlin (Berlin、ドイツ) |
*要 約*
ISSLEDはLEDに限らず広範な光デバイスを扱う国際シンポジウムであり、
今回のシンポジウムでも、窒化物半導体を中心としてエピタキシャル成
長からデバイス応用まで幅広く報告がなされた。特に、ナノワイヤ・ナ
ノコラム・量子ドット・コアシェル構造などの結晶成長に関する報告と
それらを用いたナノ構造LEDの発光特性に関する研究が多く報告された。
また、深紫外LED分野に関しては、その発光効率においてこれまで急速
な発展を遂げてきたがまだまだ向上の可能性を感じた。
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(2012年 9月 7日掲載)
(H24-No.16) 第1分野:光無機材料・デバイス
テーマ:通信用光材料・デバイス
IPRM2012 (CSW2012) ショート速報
河口 研一(富士通研究所)
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会議名 |
:The 24th International Conference on Indium Phosphide and Related Materials |
開催期間 |
:2012年8月27日−30日 |
開催場所 |
:University of California, Santa Barbara (サンタバーバラ, 米国) |
*要 約*
IPRM2012は、本年も化合物半導体国際会議(ISCS)と同時にCSW2012とい
う形で開催された。結晶成長・光材料関係では、薄膜成長の先を模索す
る動きとして、ナノワイヤなど立体的な構造形成に関する研究が活発化
してきた。また、光デバイス関係では、Si上III-V族半導体デバイスに
関する研究が低コスト化・シリコンフォトニクス応用に向けて進められ
ている他、InP基板上光通信用レーザとして、フォトニック結晶レーザ、
1.55μm帯量子ドットレーザに進展が見られた。
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(2012年 9月 7日掲載)
(H24-No.17) 第5分野:ヒューマンインタフェース
テーマ:共生システム
STSS2012 ショート速報
仲谷 善雄(立命館大学)、下田 宏(京都大学)
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会議名 |
:The First International Symposium on Socially and Technically Symbiotic Systems
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開催期間 |
:2012年8月29日−31日 |
開催場所 |
:岡山大学 津島キャンパス(岡山市) |
*要 約*
共生システムをテーマとして今回初めて開催された国際シンポジウムで
ある。特徴は、人間あるいは社会に焦点を当て社会的な観点と技術的な
観点の両方を含む研究を取り扱うことである。発表件数は55件と小規模
ながらも、ヒューマンインタフェース、人間−ロボット系、原子力プラ
ントの人的・組織的要因等の幅広い研究が見られ、これまでの技術的な
問題を解決するだけでなく人的・社会的な観点からの研究へと広がって
いることがわかる。
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(2012年 9月13日掲載)
(H24-No.18) 第3分野:情報処理フォトニクス
テーマ:IV族系情報処理フォトニクス
GFP2012 ショート速報
三浦 真(光電子融合基盤技術研究所)
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会議名 |
:The 9th International Conference on Group IV Photonics |
開催期間 |
:2012年8月29日−31日 |
開催場所 |
:Holiday Inn on the Bay Hotel(サンディエゴ、米国) |
*要 約*
第9回目となる今年のGFPは、個々のデバイス開発に関わる内容から集
積チップ全体としての性能向上やアーキテクチャの設計に研究のフェー
ズがシフトしつつあることを例年以上に印象付ける会議であった。特に
OracleやLuxtera等、ファブレスメーカがLSI設計やデバイスレイアウ
トの最適化等により高性能の集積化チップを実現しており、シリコンフォ
トニクス技術がプラットフォームとして成熟されつつある傾向が見られ
た。一方で、光源の集積は色々な方式が議論されている段階であり、集
積化としては未だ発展途上であるとの印象を受けた。この点がシリコン
フォトニクスが汎用技術になる際の大きな課題の一つであるとの認識は
共有されているようで、化合物基板を用いて光集積チップの低コスト化
を実現したOneChip Photonicsの発表が用意され、シリコンフォトニク
スが超えるべき技術的な課題に関しての議論がなされたことが印象的で
あった。
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(2012年 9月13日掲載)
(H24-No.19) 第1分野:光無機材料・デバイス
テーマ:シリコンフォトニクス
GFP2012 ショート速報
羽鳥 伸明(光電子融合基盤技術研究所)
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会議名 |
:The 9th International Conference on Group IV Photonics |
開催期間 |
:2012年8月29日−31日 |
開催場所 |
:Holiday Inn on the Bay Hotel(サンディエゴ、米国) |
*要 約*
GFPはIV族系材料の光物性・デバイスに関する国際会議であり、今回は
過去最高の参加人数を集めて開催され、Siフォトニクス分野への注目の
高さがうかがえる。発表は光インターコネクトに関する内容が大部分を
占め、特に変調器・受光器の報告は件数も多いうえに成果内容の完成度
が高く、技術が成熟しつつある様子をうかがわせた。発光素子について
はGeレーザに注目が集まり、Si基板上直接発光素子への期待が高まる
ほか、ハイブリッド集積光源の進展も見られた。
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(2012年 9月28日掲載)
(H24-No.20) 第8分野:光有機材料・デバイス
テーマ:プリンテッドエレクトロニクス
ICFPE2012 ショート速報
山本 典孝(産業技術総合研究所)
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会議名 |
:The 2012 International Conference on Flexible and Printed Electronics |
開催期間 |
:2012年9月5日−8日 |
開催場所 |
:東大安田講堂(東京、日本) |
*要 約*
プリンテッドエレクトロニクス(PE)分野に関する各国の研究機関・企
業、主要なメンバーが集う会議である。PEには魅力を感じられるものの、
現在はまだ黎明期であり、具体的な将来像に描けないということが関係
者に共通するところであろう。本会議は、学術的な最新の研究発表とい
うよりは、PEの将来を示すようなさまざまな事例が各国の研究機関や企
業から紹介され、多くの知見を得ることができる。
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(2012年 9月28日掲載)
(H24-No.21) 第5分野:ヒューマンインタフェース
テーマ:人工視覚関連
TEATC2012 ショート速報
太田 淳(奈良先端科学技術大学院大学)
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会議名 |
:The Eye and The Chip 2012 (7th Biennial World Congress on Artificial Vision) |
開催期間 |
:2012年9月9日−11日 |
開催場所 |
:Detroit Marriott Renaissance Center(デトロイト、米国) |
*要 約*
2年に1回開催される人工視覚に特化した唯一の会議であるThe Eye
and The Chip(TEATC)が米国デトロイトのDetroit Marriott
Renaissance Centerで9月9日〜11日の3日間にわたり開催された。
参加者は80人ほどで、3日間の会議では、アジア、オーストラリア、
北米、ヨーロッパの地域毎の各研究機関とFDAからの最新の人工視覚
に関するトピックスについて31件(全て招待講演)の発表と活発な議
論がかわされた。
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(2012年10月 4日掲載)
(H24-No.22) 第3分野:情報処理フォトニクス
テーマ:シリコンフォトニクス
ECOC2012 ショート速報
賣野 豊(光電子融合基盤技術研究所)
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会議名 |
:38th European Conference and Exhibition on Optical Communication |
開催期間 |
:2012年9月16日−20日 |
開催場所 |
:RAI Congress Centre(アムステルダム、オランダ) |
*要 約*
9月16日から20日までの5日間、オランダのアムステルダムでECOC2012
が開催された。シリコンフォトニクス関連の講演は33件と増加傾向だっ
た。内容としては、単体デバイスの発表は少なくなり、集積サブシステム
やアプリケーション寄りの発表が増えてきており、この分野の興味の中心
が、個別デバイスの特性検証から、集積サブシステムとしての革新性、ア
プリケーションにおけるブレークスルー、産業としてのエコシステム確立
等に移りつつあるように感じた。
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(2012年10月 4日掲載)
(H24-No.23) 第2分野:光通信・ネットワーク
テーマ:基幹伝送
ECOC2012 ショート速報
小田 祥一朗(株式会社 富士通研究所)
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会議名 |
:38th European Conference and Exhibition on Optical Communication |
開催期間 |
:2012年9月16日−20日 |
開催場所 |
:RAI Congress Centre(アムステルダム、オランダ) |
*要 約*
ECOC2012は光ファイバ通信関連で欧州第一の規模の国際学会であり、本
年は1,100人程度の参加者が集まった。基幹伝送関連では、従来のデジタ
ルコヒーレント技術の高度化に伴う周波数利用効率向上および長距離大容
量化技術の報告と共に、数多くの空間多重伝送およびその関連技術の報告
が行われ、実用化に向けた進展が伺えた。また、ポストデッドラインセッ
ションにおいて、1本のファイバ(マルチコアファイバ)による伝送容量
が1Pb/sを超える発表があり、高い注目を集めた。
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(2012年10月 4日掲載)
(H24-No.24) 第2分野:光通信・ネットワーク
テーマ:光アクセス関連
ECOC2012 ショート速報
大石 将之(株式会社KDDI研究所)
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会議名 |
:38th European Conference and Exhibition on Optical Communication |
開催期間 |
:2012年9月16日−20日 |
開催場所 |
:RAI Congress Centre(アムステルダム、オランダ) |
*要 約*
ECOC2012における光アクセス関連トピックスを報告する。10G-EPONおよ
びXG-PONの標準化が完了しているTDM-PONは、多値変調を利用した更な
る高速・大容量化、デジタルコヒーレントや光増幅器を利用した長距離・
多分岐化等の拡張技術が数多く報告された。また次世代PON方式として、
NG-PON2(ITU-T/FSAN)の有力候補として議論されているTWDM-PON、
WDM-PONを中心とした最新の実験報告が相次いだ。その他、省電力PON
や光無線融合技術など幅広く報告され、本分野の着実な進展が窺えた。
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(2012年10月 5日掲載)
(H24-No.25) 第2分野:光通信・ネットワーク
テーマ:光基幹ネットワーク
ECOC2012 ショート速報
原井 洋明, 古川 英昭(独立行政法人 情報通信研究機構)
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会議名 |
:38th European Conference and Exhibition on Optical Communication |
開催期間 |
:2012年9月16日−20日 |
開催場所 |
:RAI Congress Centre(アムステルダム、オランダ) |
*要 約*
ECOC2012の光基幹ネットワーク関連では、昨年に引続き、Elasticや
Flexible、Gridlessなどをキーワードとした、波長グリッドに縛られずに
波長資源を最大限活用するためのエラスティック光ネットワーク技術に
関する講演が数多く行われ、ホットトピックが継続している。また、
光伝送の制限要因を考慮したImpairment-Awareや、OpenFlowと
Software Defined Networkを光ネットワークと連携させたネットワークの
実装提案とその実験報告として、光ネットワークのみに閉じずエンドツーエンドで
ネットワーク制御する取り組みも報告された。
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(2012年10月 5日掲載)
(H24-No.26) 第2分野:光通信・ネットワーク
テーマ:光ファイバ
ECOC2012 ショート速報
林 哲也(住友電気工業株式会社)
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会議名 |
:38th European Conference and Exhibition on Optical Communication |
開催期間 |
:2012年9月16日−20日 |
開催場所 |
:RAI Congress Centre(アムステルダム、オランダ) |
*要 約*
ECOC2012における光ファイバ関連の注目トピックスを紹介する。
伝送用ファイバ関連の報告数が最も多く盛況であったが、将来的な
キャパシティ・クランチへの対応の為に空間多重関連の研究が近年
急激な盛り上がりを見せており、今学会では、伝送用ファイバの大多数、
増幅用ファイバにおいても過半数が、空間多重用のマルチコアファイバ・
数モードファイバ関連の発表であった。また、中空コアファイバにおいて、
2µm帯伝送など、将来的な極低損失伝送実現への足掛かりとなる報告が
為されたことも印象的である。
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(2012年10月18日掲載)
(H24-No.27) 第1分野:光無機材料・デバイス
テーマ:化合物半導体デバイス
ECOC2012 ショート速報
下山 峰史(富士通研究所)
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会議名 |
:38th European Conference and Exhibition on Optical Communication |
開催期間 |
:2012年9月16日−20日 |
開催場所 |
:RAI Congress Centre(アムステルダム、オランダ) |
*要 約*
2012年9月開催のECOCにおける光デバイス関連発表について、化合物半
導体関連を中心に紹介する。高速データ通信用デバイスに関しては、ここ
数年の傾向通り日本の研究機関からの報告が目立ったが、欧米企業でも開
発は継続されているようだ。コヒーレントレシーバ関連の発表は数を減ら
し、同技術が既に成熟過程に入りつつあることを伺わせた。全般的に、日
本の研究機関からは個別デバイスについて高水準の発表が多くあった反面、
これを組み合わせて新規機能を生み出す点では欧米の後塵を拝している印
象を受けた。
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(2012年10月15日掲載)
(H24-No.28) 第6分野:加工・計測
テーマ:レーザ加工
ICALEO 2012 ショート速報
鷲尾 邦彦(パラダイムレーザーリサーチ)
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会議名 |
:31th International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics |
開催期間 |
:2012年9月23日−27日 |
開催場所 |
:Anaheim Marriott Hotel(Anaheim、CA、米国) |
*要 約*
ICALEOは、LIA(米国レーザ協会)の主催により年1回開催されるレーザ
加工分野で世界最大級の国際会議である。会議参加者数は448名(うち米
国45%)で、昨年の523名(うち米国51%)に比べ、総数は約14%減となっ
たが、国際化が進展した。日本からの参加者数は、一昨年と同数の27名で、
昨年の17名に比べると大幅に増加し、参加者数で3位となった。今回の日
本からの講演は、オリジナリティ及び技術レベルの高い発表が昨年に比べ
て一段と多くなり、日本のレーザ加工技術の復活を世界にアピールできた
ようだ。
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(2012年10月15日掲載)
(H24-No.29) 第7分野:光エネルギー
テーマ:結晶シリコン太陽電池関連
27th EU PVSEC ショート速報
大下祥雄(豊田工業大学)
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会議名 |
:The 27th European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition |
開催期間 |
:2012年9月24日−9月28日 |
開催場所 |
:Messe Frankfurt and Congress Center(フランクフルト、ドイツ) |
*要 約*
結晶シリコン太陽電池の価格が大幅に低下している状況に対して、さらな
る低コスト化と高効率化を実現するための技術に関する報告が多くなされ
た。変換効率に関しては、選択エミッタ構造や裏面の部分コンタクト構造
などの採用により、ターンキーシステムで製造した太陽電池においても
20%程度の変換効率が得られる状況にある。一方、裏面接合型に関しては、
SunPowerにより平均セル効率23.6%、モジュール効率21%と高い値が得ら
れている。ヘテロ接合を用いた太陽電池も着実に進歩しており、高効率化
の競争が激しくなっている。一方、個別プロセスとしては、レーザードー
ピング、イオン注入、銅配線、キャストモノ結晶などの技術が急速に進歩
している。
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(2012年10月17日掲載)
(H24-No.30) 第5分野:ヒューマンインタフェース
テーマ:ヒューマンコンピュータインタラクション
APCHI2012 ショート速報
中谷桃子(日本電信電話株式会社)
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会議名 |
:The 10th Asia Pacific Conference on Computer Human Interaction |
開催期間 |
:2012年8月28日−31日 |
開催場所 |
:くにびきメッセ (松江市、日本) |
*要 約*
アジア環太平洋地域における国際会議APCHI(Asia Pacific Conference
on Computer Human Interaction)について報告する。本会議は、ヒューマン
インタラクション、コンピュータコミュニケーション技術、人間工学、
社会科学といった幅広い研究分野をカバーする会議であり、今年は日本で
開催されたこともあり、日本人の参加者は全体の65%に上った。本年は、
大変厳しい採択率であったため、それぞれの発表の質が高く、人の生活の
質の向上や効率化につながる研究が多くみられた。
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(2012年11月 2日掲載)
(H24-No.31) 第5分野:ヒューマンインタフェース
テーマ:画像処理・生理生体計測
SMC 2012 ショート速報
石井裕剛(京都大学)
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会議名 |
:The 2012 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics |
開催期間 |
:2012年10月14日−17日 |
開催場所 |
:Convention & Exhibition Center (ソウル, 韓国) |
*要 約*
SMC2012 は、米国IEEEが毎年主催するシステム工学、ヒューマンマシンシステム、
サイバネティックス(人工頭脳)に関する国際会議である。画像処理やパターン認識、
ファジー、ロボット制御、人の認知特性を考慮したインタフェースの設計手法、
意思決定支援、生体生理センサ等々、基礎研究から応用研究まで、非常に幅広い内容の
講演や研究発表があった。本稿では、著者が主に聴講した画像処理、生理計測、
ロボット制御関連のキーノート講演と研究発表について報告する。
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(2012年11月 2日掲載)
(H24-No.32) 第1分野:光無機材料・デバイス
テーマ:窒化物半導体の進展
IWN2012 ショート速報
山口敦史(金沢工業大学)
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会議名 |
:International Workshop on Nitride Semiconductors 2012 |
開催期間 |
:2012年10月14日−19日 |
開催場所 |
:札幌コンベンションセンター |
*要 約*
IWN2012は、参加者が約1000名という大規模な国際会議となった。光デバイスとしては、
かなり実用レベルに近い特性の緑色半導体レーザが、GaNのc面基板上にも非c面(半極性)
基板上にも実現され、今後どちらの基板面方位が優勢になるのかが注目される。また、
白色LEDで問題となっているDroop現象については、その起源については結論は出ていないながら、
対処方法についてはコンセンサスが得られつつある雰囲気だった。その他にも光物性・構造評価などで
興味深い発表があった。
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(2012年11月 7日掲載)
(H24-No.33) 第7分野:光エネルギー
テーマ:光有機エレクトロニクス
PE2012 ショート速報
中村浩昭(出光興産株式会社)
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会議名 |
:8th Plastic Electronics Conference & Exhibition 2012 |
開催期間 |
:2012年10月9日−11日 |
開催場所 |
:Messe Dresden (ドレスデン、ザクセン州、ドイツ連邦共和国) |
*要 約*
本コンファレンスは、ほとんどが招待講演であり、有機エレクトロニクス
に関して業績の知られた団体による講演である。発表は材料開発からデバ
イス、生産プロセス、周辺材料、市場動向、ビジネスモデルなど広範囲に
わたり、産業化の動向を広く知ることができた。有機薄膜太陽電池は、地
元ドレスデンのHeliatekが研究開発をリードしていることもあり、講演
の数が多かった。発表した企業は多くがベンチャーであり、コスト的に実
現性のある課題を掲げ前進していることが伺えた。有機ELでも照明用途
が欧州で活発に開発されていることもあり多くの発表があり着実に進展し
ている。一方、TVについては深青色の発光性能が蛍光・りん光とも高精
細大型TVに十分とは言えない段階であり、LCDが得意でない用途(フレ
キシブル、透明ディスプレイ等)で製品化されるとの見方もあった。
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(2012年11月14日掲載)
(H24-No.34) 第1分野:光無機材料・デバイス
テーマ:半導体レーザ
ISLC2012 ショート速報
下山峰史(富士通研究所)
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会議名 |
:23rd IEEE International Semiconductor Laser Conference |
開催期間 |
:2012年10月7日−10日 |
開催場所 |
:San Diego Mission Valley Marriott (San Diego、アメリカ) |
*要 約*
ISLCは半導体レーザに関する国際会議である。参加者は同分野の専門家が
殆どであり、背景知識の近い研究者同士による活発な議論が行われた。大
会では通信用高速レーザ・面発光レーザからシリコン材料とのハイブリッ
ド光源までの種々の構造、光波長は青色から遠赤外まで、半導体レーザの
殆どの分野を網羅する発表があった。半導体レーザの発展と共に歩んでき
た同会議も、近年は技術の成熟と共に参加者の固定化が問題視されつつあ
り、今後はシリコンフォトニクス等の新しい分野を取り込んで行くことが
期待される。
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(2012年11月14日掲載)
(H24-No.35) 第3分野:情報処理フォトニクス
テーマ:光メモリ・情報処理
ISOM'12 ショート速報
小出 大一(日本放送協会)
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会議名 |
:International Symposium on Optical Memory 2012 |
開催期間 |
:2012年9月30日−10月4日 |
開催場所 |
:日本科学未来館 (東京、日本) |
*要 約*
ISOMは、年1回日本やアジア中心に開催される光メモリ技術分野で最大の
国際会議であり、今年は東京で開催された。分野は、ホログラム記録、多
光子吸収記録、多層記録、高密度光記録などがあり、光メモリ技術に携わ
る企業や大学からの発表で構成された。次世代技術の提案は多岐にわたり、
次世代の大容量化のための基盤技術の発表が多く目立った。次世代の光メ
モリの方向性については、新たに構成されたスペシャルセッションなどで
活発に議論され、参加する関連企業や大学などの関心を引いた。
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(2012年11月21日掲載)
(H24-No.36) 第7分野:光エネルギー
テーマ:色素増感太陽電池及び有機薄膜太陽電池の進展
DSC-OPV7 ショート速報
加藤 直彦(豊田中央研究所)
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会議名 |
:The 7th Aseanian Conference on Dye-sensitized and Organic Solar Cells |
開催期間 |
:2012年10月26日−28日 |
開催場所 |
:Liberal Education Classroom Building, National Taiwan University(台北、台湾) |
*要 約*
DSC-OPV7は、色素増感太陽電池(DSC)及び有機薄膜太陽電池(OPV)に関す
るアセアン会議である。アジア豪州各国の他、欧米の著名研究者のによる
多数の招待講演もあり、本分野の最新技術が報告・討議された。DSCは、
従来の液体電解質系での色素や電極、電解質改良によるセルの変換効率
η向上や耐久性の報告に加え、新材料(ハロゲン化ペロブスカイト)を
用いた全固体化技術(η=10.9%)が注目された。OPVでも、素子構造や
材料の改良による長期安定性の向上やタンデム化によるη向上など着実
な技術進展がみられた。
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(2012年11月21日掲載)
(H24-No.37) 第8分野:光有機材料・デバイス
テーマ:ナノインプリント技術
NNT2012 ショート速報
宮内 昭浩(日立製作所)
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会議名 |
:The 11th International Conference on Nanoimprint/Nanoprint Technology |
開催期間 |
:2012年10月24日−26日 |
開催場所 |
:Silverado Resort and Spa (Napa, CA. 米国) |
*要 約*
NNT2012はナノインプリント関連の国際会議で、米欧アジアの3極持ち回
りで毎年、開催しており、今回は11回目。事前登録者は約170名で、
内訳はアジア41%、北米21%、欧38%であった。口頭発表39件、ポス
ター68件の報告があった。ロール方式によるフィルムへの微細加工が潮
流となっており、出口はフレキシブルエレクトロニクスやLEDなどの光学
部品が多い。今後、特にアプリケーションデバイスと量産対応設備の開発
でデッドヒートが展開されると思われる。
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(2012年11月28日掲載)
(H24-No.38) 第1分野:光無機材料・デバイス
テーマ:フォトニクス全般
PA2012 ショート速報
立野 公男(株式会社古賀総研)
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会議名 |
:Photonics Asia 2012, Beijing |
開催期間 |
:2012年11月5日−7日 |
開催場所 |
:Beijing International Convention Center(北京、中国) |
*要 約*
PA(Photonics Asia)2012, Beijingは、フォトニクス分野における学際
的交流を目指しており、レーザ、バイオメディカルフォトニクス、量子光
学、非線形光学、ホログラフィ、光エレクトロニクス、画像処理、LED、
センサーにいたる広い領域をカバーして14のセッションに分かれて開催
された。参加人数は約700名。発表件数は915件で、基調講演が4件、招
待講演が102件、口頭発表が362件、ポスターが447件であった。全体と
しての傾向は、バイオメディカルフォトニクスが118件と圧倒的に多く、
光ストレージは26件と衰退して、テラヘルツを含む赤外分野の76件にさ
え大きく抜かれた。また、新興分野として、シリコンフォトニクスがナノ
フォトニクスのセッションに登場したのが印象的であった。
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(2012年11月22日掲載)
(H24-No.39) 第7分野:光エネルギー
テーマ:化合物薄膜太陽電池
PVSEC-22 ショート速報
山田 明(東京工業大学)
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会議名 |
:The 22nd international Photovoltaic Science and Engineering Conference |
開催期間 |
:2012年11月5日−9日 |
開催場所 |
:ドラゴン・ホテル (杭州、中国) |
*要 約*
中国、杭州においてPVSEC-22が開催された。PVSEC-22は、アジア地区に
おける最大の太陽電池の国際会議であり、日本とアジアの国が1年おきに
開催している国際会議である。ここでは、結晶Si太陽電池、アモルファス
Si太陽電池、Cu(InGa)Se2に代表される化合物薄膜太陽電池、色素ならび
に有機半導体を用いた先進太陽電池、そして関連するシステム技術と、太
陽電池の材料開発からシステムまでが活発に議論された。ホスト国である
中国からの論文数が多いのはもちろんであるが、日本からの発表件数は第
2位であった。また、米国からの発表件数が0であったのは驚きであった。
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(2012年12月13日掲載)
(H24-No.40) 第3分野:情報処理フォトニクス
テーマ:相変化材料・デバイス
PCOS2012 ショート速報
山田昇(京都大学)、桑原正史(産業技術総合研究所)
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会議名 |
:The 24th Symposium on Phase Change Oriented Science |
開催期間 |
:2012年11月29日−30日 |
開催場所 |
:Hotel Wellseason Hamanako (浜松、日本) |
*要 約*
PCOSは「物質の相変化(構造変化)」をキーワードに、さまざまな分野か
らの研究者・技術者が交流する小規模ながら多面的な会議であり、「温泉
地での会議とアットホームな懇親会」を通じた人的ネットワーク形成が大
切にされている。かつての光ディスクをメインとする会議から基礎的研究
へのシフトが顕著で、相変化材料の基礎的物性、構造解析、光と電子の相
互作用の物理、新材料組成、超構造、不揮発性固体メモリ等、多岐に渡る
報告があった。中でも、「プラズモニック光応用」、「ナノ粒子相変化光デ
バイス」、「超格子デバイス」、「コヒーレントフォノン励起による構造変化」
等が目新しく注目された。
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(2013年 1月 9日掲載)
(H24-No.41) 第5分野:ヒューマンインタフェース
テーマ:防災情報システム
Gi4DM2012 ショート速報
仲谷 善雄(立命館大学)
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会議名 |
:The 8th International Symposium on Geo-information for Disaster Management |
開催期間 |
:2012年12月13日−14日 |
開催場所 |
:Holland Casino(エンシュヘデ、オランダ) |
*要 約*
電子地図(GIS)の活用を中心とした防災・減災情報システムをテーマと
して開催された国際シンポジウムである。今回は8回目で、オランダのエ
ンシュヘデーで開催された。特徴は、理論的、基礎的な研究よりも、実用
化を目指した研究や現場に適用した実例を重視していることである。参加
者が100名強という小規模ながらも、防災・減災に関わる教育訓練、意思
決定支援、人間行動のモデル化、情報の視覚化、高度情報システム、群集
管理、情報ネットワーク管理、センサデータ処理などに関する幅広い研究
や実践例が紹介され、非常に熱心な議論が展開された。なお今回は東日本
大震災が大きく注目され、多くの発表で言及されていた。また状況認識
(situational awareness)に注目する研究が多かった。
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(2013年 1月 9日掲載)
(H24-No.42) 第4分野:ディスプレイ
テーマ:3D関連
IDW'12 ショート速報
陶山 史朗(徳島大学)
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会議名 |
:The 19th International Display Workshops in conjunction with Asia
Display 2012
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開催期間 |
:2012年12月4日−7日 |
開催場所 |
:Kyoto International Conference Center(京都、日本) |
*要 約*
IDW’12は、19回目の開催となる国際ディスプレイワークショップである。
3D分野では昨年を上回る69件(口頭34件、ポスター35件)の発表がなさ
れた。
二眼式/多眼式に関わる発表がほとんどを占め、ハードに関する発表が例
年通り多く見受けられる。しかし、これに匹敵して、この4年ほど見られ
る傾向ではあるが、3D表示におけるクロストークや3D画質などに関する
発表が多く見られる傾向は依然として変わっていない。実用化および標準
化へ向けた研究開発が、ハード面からだけでなく視覚的な面からも活発化
しており、かつこれが継続していると考えられる。このうような研究の方
向性は、ユーザーの視点に立っていることから、好ましい傾向と考える。
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(2013年 1月 9日掲載)
(H24-No.43) 第4分野:ディスプレイ
テーマ:LCDおよびフレキシブルディスプレイ
IDW'12 ショート速報
長谷川 雅樹(メルク)
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会議名 |
:The 19th International Display Workshops in conjunction with Asia
Display 2012
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開催期間 |
:2012年12月4日−7日 |
開催場所 |
:Kyoto International Conference Center(京都、日本) |
*要 約*
LCDではコストとパネルの薄型化の観点から、タッチセンサーの組み込み
技術開発が目覚ましい。ブルー相は、カラーフィールドシーケンシャルが
可能となるため省エネ化でき、近年のモバイル向けに再度注目されてきた。
フレキシブルディスプレイ実現のための有機半導体、酸化物半導体は、材
料特性が向上しただけでなく、プロセスと合わせて実際のデバイス特性、
均一性も改善され、さらに実用化に近づいた。
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(2013年 2月 5日掲載)
(H24-No.44) 第8分野:光有機材料・デバイス
テーマ:有機半導体材料
2012 MRS Fall ショート速報
竹谷 純一(大阪大学)
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会議名 |
:2012 Materials Research Society Fall Meeting
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開催期間 |
:2012年11月25日−30日 |
開催場所 |
:Hynes Convention Center(ボストン、MA、米国) |
*要 約*
「Single-Crystalline Organic and Polymer Semiconductors?Fundamentals
and Devices」と題する本シンポジウムは、有機半導体のキャリア伝導機構
と物質開発の現状について概観するため、Alejandro L. Briseno
(U. of Massachusetts)、Antonio Facchetti (Polyera Co.)らのこの分野の
エキスパートによって企画された。低分子及び高分子の高移動度有機半導体
のトランジスタなどの有機デバイスの最新の研究、高移動度の単結晶トラン
ジスタを含む物性についての最先端の研究が紹介された。10?/Vsを超える
移動度の印刷可能な低分子有機半導体単結晶や、高分子の両極性トランジス
タなど、この分野の大きな進展が報告された。
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(2013年 4月 9日掲載)
(H24-No.45) 第6分野:加工・計測
テーマ:医療・バイオ分野
BiOS2013 ショート速報
石井 克典(大阪大学)
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会議名 |
:Photonics West BiOS 2013
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開催期間 |
:2013年2月2日−7日 |
開催場所 |
:The Mscone Center (San Francisco、CA、アメリカ) |
*要 約*
BiOS 2013は光音響法、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)、光トモ
グラフィー、多光子顕微鏡といった診断・顕微鏡・イメージングに関す
る話題で盛況であった。レーザー治療分野では泌尿器科や整形外科など
において新しいレーザーの利用が議論されていた。OCT分野では垂直共
振器面発光レーザーを用いた高速・高深達度の波長掃引型OCTが注目を
集めていた。光音響法分野ではトモグラフィー型、内視鏡型、顕微鏡型
と様々なシステムが様々な観察対象に試みられており、今後の進展が期
待される。
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(2013年 4月 2日掲載)
(H24-No.46) 第2分野:光通信・ネットワーク
テーマ:光ファイバ関連
OFC/NFOEC2013 ショート速報
佐々木 雄佑(株式会社フジクラ)
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会議名 |
:The Optical Fiber Communication Conference and Exposition and the National Fiber Optic Engineers Conference
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開催期間 |
:2013年3月17日−21日 |
開催場所 |
:Anaheim Convention Center(アナハイム、カリフォルニア州、アメリカ) |
*要 約*
OFC/NFOEC2013における光ファイバ関連の注目トピックスを紹介する。
伝送容量の更なる拡大を目指すマルチコアファイバや数モードファイバを
用いた空間多重技術(SDM)が盛り上がりを見せているのを背景に、ワーク
ショップを含め、連日SDMに関わる報告と議論が活発になされた。SDMに
関する報告では、伝送用ファイバだけでなく、増幅器、入出力デバイスに
も進展が見られ、さらにそれらを組み合わせた伝送実験の報告が多かった
のが印象的であった。また、長距離伝送用のファイバとして、低損失の記
録を11年ぶりに更新したピュアシリカコアファイバが報告された。
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(2013年 4月 2日掲載)
(H24-No.47) 第2分野:光通信・ネットワーク
テーマ:光ネットワーク
OFC/NFOEC2013 ショート速報
石田 晋哉(NEC Corporation of America)
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会議名 |
:The Optical Fiber Communication Conference and Exposition and the National Fiber Optic Engineers Conference
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開催期間 |
:2013年3月17日−21日 |
開催場所 |
:Anaheim Convention Center(アナハイム、カリフォルニア州、アメリカ) |
*要 約*
OFC/NFOEC2013において、光ネットワークに関連する最も大きな話題は
SDN(Software-Defined Network)であった。SDNの定義・要件・効能を
論ずるものから、現在、SDNを構築するための制御インタフェースとして
代表的なOpenFlowを各種光ネットワーク向けに拡張・適用した報告まで、
多岐に渡る発表が数多くのセッションでなされた。また、光ファイバ資
源を効率よく利用するための手段として、flex-gridや
MLR(Multi-Line-Rate)の適用が検討されている。データセンタ内では
更なる遅延短縮のために、光ネットワークの導入が検討されている。
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(2013年 4月 5日掲載)
(H24-No.48) 第2分野:光通信・ネットワーク
テーマ:基幹伝送
OFC/NFOEC2013 ショート速報
佐野 明秀(日本電信電話株式会社)
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会議名 |
:The Optical Fiber Communication Conference and Exposition and the National Fiber Optic Engineers Conference
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開催期間 |
:2013年3月17日−21日 |
開催場所 |
:Anaheim Convention Center (Anaheim、CA、米国) |
*要 約*
2013年3月17〜21日に米国アナハイムにて開催されたOFC/NFOEC2013に
おける基幹系伝送システムに関する技術動向について報告する。マルチコ
ア、マルチモードファイバを用いた空間多重伝送に関する発表が引き続き
活発で、多数の関連セッション、ワークショップが開催され、高い注目を
集めていた。また、ポスト100 Gに向けた研究開発では、400 G級伝送に
おいて多値化、高速化、大容量化などの面で着実な進展がみられるととも
に、デジタル信号処理技術に基づく様々な新規技術の提案、実証について
の発表があった。
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(2013年 4月 8日掲載)
(H24-No.49) 第2分野:光通信・ネットワーク
テーマ:光アクセス
OFC/NFOEC2013 ショート速報
向井 宏明(三菱電機)
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会議名 |
:The Optical Fiber Communication Conference and Exposition and the National Fiber Optic Engineers Conference
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開催期間 |
:2013年3月17日−21日 |
開催場所 |
:Anaheim Convention Center (Anaheim、CA、米国) |
*要 約*
2013年3月17日から3月21日にアナハイム(米国)にて開催された
OFC/NFOEC 2013における光アクセス関連技術のトピックスを紹介する。
光アクセスの主流であるPON関連技術では、ITU-T/FSANで標準化中の
NG-PON2、さらにはNG-PON2の先の技術であるNG-PON3に分類される技
術が多数報告された。また、NG-PON2、NG-PON3の主な適用先と考えら
れている携帯電話基地局収容向け光アクセスネットワークについても
議論が盛んである。一方、NG-PON1に分類される10 GクラスのPONで
ある10G-EPON、XG-PONについては、技術報告の件数こそ少ないが、
中国、韓国のメーカーを中心にプラガブルタイプの光トランシーバが
多数出展されており、いよいよ商用導入が近づいていることが感じら
れた。
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