平成30年度 国際会議速報

(2019年3月20日更新)

(2018年 4月13日掲載)
(H30-No.1)光UI・IoT
テーマ:光化学センサ
EUROPTRODE2018ショート速報
渡辺 尚志(パナソニック)
会議名 :EUROPT(R)ODE XIV
開催期間 :2018年3月25日〜28日
開催場所 :The Royal Continental Hotel(Napoli、Italy)

-要 約-
 EUROPT(R)ODE 2018は光学的化学センサ及びバイオセンサに関する国際学会。従来は分析ができなかった化合物を検出することを目的とした化学分析の基礎的な研究とともに、化学分析をより日常的な用途に応用するような取り組みが多く報告された。化学分析が実験室を離れて、生産の現場や日常生活で用いられる技術として可能性が広がってゆく可能性を感じた。本報告では、これらの光化学センサの民生用のセンシング技術に関するトッピクスについて報告する。
(2018年 4月25日掲載)
(H30-No.2)光エネルギー
テーマ:集光型太陽光発電
CPV-14ショート速報
荒木 建次(豊田工業大学)
会議名 :14th International Conference on Concentrator Photovoltaic Systems
開催期間 :2018年4月16日〜18日
開催場所 :プエルトリャノ、スペイン

-要 約-
 太陽電池・太陽光発電分野では中国製結晶Si太陽電池の一強が続いており、太陽光発電関係の学会は退潮傾向にある。その中で、集光型太陽光発電関係は昨年と変わらない参加者を集め、堅調に技術開発が進んでいる。発電効率50%の大台も近づいた印象だ。日本勢も住友電工がモロッコなどで順調に高効率発電実績を積み、パナソニック(招待講演)も革新的なマイクロCPVの製品開発を進めている。電機・電子・素材・光学・機械の統合が必要な分野であり、まだまだ国内産業も一矢報いる機会がある。
(2018年6月1日掲載)
(H30-No.3)光材料・デバイス
テーマ:光デバイス・ナノフォトニクス
CLEO2018ショート速報
宮田 将司(日本電信電話株式会社)
会議名 :The Conference on Lasers and Electro-Optics 2018
開催期間 :2018年5月13日〜18日
開催場所 :San Jose (CA、米国)

-要 約-
 CLEOは、最先端の光科学技術全般をカバーする著名な国際会議である。今年は例年通り、米国サンノゼのSan Jose Convention Centerで開催された。CLEO2018は、Fundamental Science、Science and Innovations、Applications and Technologyの3つのパートから構成されており、全体で2,231件の講演が行われ、参加者数は約4,400人であった。また、200社を超える企業が参加する展示会も併設され、例年通り、基礎から応用、実用技術まで網羅する世界有数の国際光フォーラムであった。本報告では、筆者が聴講した光デバイスやナノ・マイクロフォトニクスの分野を中心に、最新トピックや注目された講演を紹介する。
(2018年6月6日掲載)
(H30-No.4)光加工・計測
テーマ:光センシング
APOS2018ショート速報
水野 洋輔(東京工業大学)
会議名 :The 7th Asia-Pacific Optical Sensors Conference
開催期間 :2018年5月28日〜31日
開催場所 :くにびきメッセ (松江、日本)

-要 約-
 APOSは、光センシングに関するアジア太平洋地域を中心とした国際会議である。今回、7回目にして初めて日本(島根県松江市)で開催された。全ての口頭講演がシングルセッションで行われるのが特徴である。1件のプレナリー講演と9件の招待講演を含めて、計147件の講演(口頭56件、ポスター91件)が行われ、200名近くの参加者があった。また、国内外の10社が参加する展示会も併設され、盛況であった。本報告では、筆者の専門に近い光ファイバセンシング分野を中心に、最新トピックや興味深い講演をいくつかピックアップして紹介する。
(2018年6月12日掲載)
(H30-No.5)光UI・IoT
テーマ:3D Light-Field and Autostereoscopic Displays
SID2018ショート速報
高田 英明(日本電信電話株式会社)
会議名 :The Society for Information Display International Symposium,Seminar & Exhibition
開催期間 :2018年5月20日〜25日
開催場所 :Los Angeles Convention Center (CA、米国)

-要 約-
 2018年5月20日〜25日に米国ロサンゼルスで開催された、SID Display Week 2018のSymposiumの発表の中から3D Light-Field and Autostereoscopic Displaysのセッションについて、動向と注目した発表およびExhibitionにおける関連展示について報告する。人の視覚のメカニズムを活用した裸眼3D表示の原理および画質向上手法、観察者位置のトラッキングによる超多眼/ライトフィールドディスプレイの輻輳調節矛盾の解決に向けた提案、3D映像の高解像度化の実現手法など、視覚からセンシングまで含めた幅広い分野の技術や知見を取り込んだ研究が盛んに議論されていた。
(2018年6月14日掲載)
(H30-No.6)光UI・IoT
テーマ:次世代ディスプレイ
SID2018ショート速報
長谷川 雅樹(メルクパフォーマンスマテリアルズ)
会議名 :The Society for Information Display International Symposium,Seminar & Exhibition
開催期間 :2018年5月20日〜25日
開催場所 :Los Angeles Convention Center (CA、米国)

-要 約-
 聴講者が多かったセッションは、micro-LED、量子ドット、AR/VR用ディスプレイ、OLEDで、昨年と同様の傾向であった。OLEDはセッション数は多いものの研究開発から製品化にシフトしたためか若干聴講者が減ったようであった。LCDは1968年のRCAによる動的散乱モードの発表から50年を記念してセッションが組まれ、LCDの発展に大きく寄与した発明の当事者が当時を振り返りながら講演を行った。量子ドット材料の特性は向上したが、大きな課題は変わらずCd-freeと青色の寿命であった。LCDはAR/VRの要求からさらなる高速応答が求められ、それに対応する技術が報告された。展示では、JDIが8K-LCDを用いたライトフィールドディスプレイで3D静止画と動画を展示していた。
(2018年6月14日掲載)
(H30-No.7)光材料・デバイス
テーマ:化合物半導体光デバイス・材料
CSW2018ショート速報
王 学論(産業技術総合研究所)
会議名 :Compound Semiconductor Week 2018
開催期間 :2018年5月29日〜6月1日
開催場所 :Massachusetts Institute of Technology (MA、米国)

-要 約-
 CSWは、化合物半導体の結晶成長、物性評価、デバイス応用について議論する40年以上続いた歴史のある国際会議である。今年の会議には、世界25の国・地域から約400名の参加者があり、約330件(招待講演48件、一般投稿287件)の論文が報告された。今年の会議の一つの大きな特徴は、近年のIoTセンシングや大容量・高速光通信の需要の高まりを反映し、テラヘルツ〜中赤外波長帯の発光デバイスおよびSi基板上への化合物半導体光デバイスのモノリシック集積関連の発表が多かったという点である。本稿では、会議で報告された光デバイス・材料関連の発表について、印象に残ったものをピックアップして紹介する。
(2018年6月25日掲載)
(H30-No.8)光材料・デバイス
テーマ:化合物半導体結晶成長・光デバイス
ICMOVPE-XIXショート速報
王 学論(産業技術総合研究所)
会議名 :The 19th International Conference on Metalorganic Vapor Phase Epitaxy
開催期間 :2018年6月3日〜6月8日
開催場所 :奈良春日野国際フォーラム (奈良、日本)

-要 約-
 ICMOVPEは、有機金属気相成長法(MOVPE)という産業上極めて重要な化合物半導体薄膜結晶成長技術について議論する国際会議であり、今回の会議には世界24の国・地域から約400名の参加者があり、約280件の論文が報告された。発表論文の内訳を材料別でみると、窒化物半導体関係の発表(約150件)が全体の約半分を占めており、窒化物半導体が依然としてMOVPEコミュニティにとっての最も重要な研究対象であることを示している。また、近年の大容量・超高速光通信の需要の高まりが追い風となり、Si基板上への通信波長帯III-V族半導体成長技術の発表が目立った。
(2018年6月28日掲載)
(H30-No.9)光加工・計測
テーマ:バイオセンサ
Biosensors2018ショート速報
芦葉 裕樹(産業技術総合研究所)
会議名 :28th Anniversary World Congress on Biosensors
開催期間 :2018年6月12日〜6月15日
開催場所 :Hyatt Regency Miami (FL、米国)

-要 約-
 Biosensors2018は世界的なバイオセンサ研究の活発さを反映し、前回同様に盛況な会議となった。研究のトレンドとして、高い検出感度、性能を追い求める基礎研究的な検出技術開発から、実用化に向けたデバイスの簡易化やシステム化に重点が移行していることが強く感じられた。印象に残ったトピックとしてはpaper-based sensorやcontinuous monitoring、スマートフォン計測、イムノビーズアッセイなどがあった。検出技術の成熟が進み、検出手法の淘汰、集約が始まっていると思われるバイオセンサで、今後どのような方向に検出技術が展開するのか、注目されるところである。
(2018年6月28日掲載)
(H30-No.10)光エネルギー
テーマ:化合物薄膜太陽電池
WCPEC-7ショート速報
山田 明(東京工業大学)
会議名 :The 7th World Conference on Photovoltaic Energy Conference
開催期間 :2018年6月10日〜6月15日
開催場所 :Hilton Waikoloa Village, Waikoloa (ハワイ、米国)

-要 約-
 WCPEC-7は、4年毎に開催されている太陽光発電に関する世界会議であり、米国、アジア、欧州の各国際会議をまとめた合同会議である。今回の会議には、63カ国から1,304名の参加者があり、1,224件の論文が発表された。分野別の発表割合は、Si系太陽電池が21%、太陽光発電の信頼性が15%、化合物薄膜太陽電池が13%、太陽電池の評価・分析が10%と、材料開発からシステムの信頼性へのシフトが見られた会議となった。本報告では、化合物薄膜太陽電池を中心に講演内容をまとめる。
(2018年7月3日掲載)
(H30-No.11)光エネルギー
テーマ:カルコゲン系薄膜太陽電池材料
E-MRS2018Sショート速報
寺田 教男(鹿児島大学)
会議名 :2018 European Materials Research Society Spring Meeting and Exhibit
開催期間 :2018年6月18日〜6月22日
開催場所 :Strasbourg Convention Center (Strasbourg、フランス)

-要 約-
 E-MRS 2018 Spring Meeting ではカルコゲン系太陽電池材料(CdTe, Cu(In,Ga)(S,Se)2,Cu2ZnSn(S,Se)4など)に特化したシンポジウム(Symposium A: Thin Film chalcogenide photovoltaic materials)が開催され、過去最高の233件の発表があり活発な議論が進められた。エネルギー変換効率の更新に関する報告は無かったものの、基礎物性・微細構造解析か らアルカリ処理の機構解明、デバイス・プロセス評価、シミュレーション、新材料の提案まで、当該電池に深く関わる研究報告が多数あり、聞き応えがあった。
(2018年7月3日掲載)
(H30-No.12)光エネルギー
テーマ:ペロブスカイト太陽電池
HOPV-18ショート速報
早瀬 修二(九州工業大学)
会議名 :10th International Conference on Hybrid and Organic Photovoltaics
開催期間 :2018年5月28日〜5月31日
開催場所 :Gran Hotel Bali (Benidorm、スペイン)

-要 約-
 HOPV18(Hybrid & Organic Photovoltaics)は毎年ヨーロッパで開かれている有機系太陽電池に特化した学会である。今年は10回目の記念開催として位置づけられ5月28日から31日の4日間、スペインのベニドームで開催された。Juan Biscurtから10年間を振り返った講演があった。HOPVの 参加者は約300名であった。色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池、塗布型量子ドット太陽電池、ペロブスカイト太陽電池、光触媒等で計265件のアブストラクトが提出された。ここではキーノート講演、およびペロブスカイト太陽電池の新しい研究動向について報告する。
(2018年7月6日掲載)
(H30-No.13)情報処理フォトニクス
テーマ:ホログラフィ
DH2018ショート速報
田原 樹(国立情報学研究所、科学技術振興機構 さきがけ)
会議名 :Digital Holography & 3-D Imaging 2018
開催期間 :2018年6月25日〜6月28日
開催場所 :Wyndham Orlando Resort International Drive (FL、米国)

-要 約-
 2018年6月にアメリカ合衆国フロリダ州にて開催された国際会議DH2018において発表された、ディジタルホログラフィ、3次元イメージング技術に関する研究の動向をまとめる。4年ぶりの米国開催に伴い、本年は特に多数の発表がなされた。基調講演を含め情報科学を活用した光学の研究発表に注目が集まった。深層学習を活用した研究成果の報告に対し多くの聴衆が集まるなど,注目度の高さが際立った。また、レンズレス3次元画像センシング、定量位相イメージング、3次元ディスプレイにおける研究進展が例年通り報告された。ホログラフィックイメージングに関する世界的な研究動向を知るために有益な会議であった。
(2018年7月11日掲載)
(H30-No.14)情報処理フォトニクス
テーマ:ナノフォトニクス
CCMR2018ショート速報
田中 拓男(理化学研究所)
会議名 :Collaborative Conference on Materials Research 2018
開催期間 :2018年6月25日〜6月29日
開催場所 :Songdo Convensia (Incheon、韓国)

-要 約-
 Collaborative Conference on Materials Research(CCMR)は材料科学に関する幅広いトピックスを扱う国際会議で毎年開催されている。今年の会議は、韓国仁川(Incheon)のSongdo Convensiaで5日間にわたり開催された。韓国をはじめとするアジア各国はもとよりヨーロッパ、アメリカ、オセアニアなど全世界30カ国から360名の参加者が集まり活発に議論が行われた。7つのセッションが平行して開催されたため、1つ1つのセッション毎の 参加者はやや少なめであるが、活発な議論が展開されていた。
(2018年8月8日掲載)
(H30-No.15)光材料・デバイス
テーマ:半導体光デバイス
OECC2018ショート速報
開 達郎、福田 浩(日本電信電話株式会社)
会議名 :23rd OptoElectronics and Communications Conference
開催期間 :2018年7月2日〜7月6日
開催場所 :済州、韓国

-要 約-
 OECCはアジア太平洋地域で開催される国際会議であり、光通信システムやオプトエレクトロニクスデバイスに関する技術が報告される。毎年、大学や企業から多くの参加者が集まり、盛んな議論が行われていることから、光通信全般に関する技術・研究開発動向を把握し、今後の応用を 探索する上で有益な情報が多く得られる会議である。本速報では学会講演の中から、主に半導体光デバイスに関して、筆者の注目した発表を紹介する。
(2018年9月12日掲載)
(H30-No.16)光材料・デバイス
テーマ:Ⅳ族系フォトニクス
15thGFPショート速報
前田 圭穂(日本電信電話株式会社)
会議名 :15th International Conference on Group ⅣPhotonics Conference
開催期間 :2018年8月29日〜8月31日
開催場所 :InterContinental Presidente Cancun Resort(Cancun、メキシコ)

-要 約-
 Group Ⅳ photonics (GFP) は、Ⅳ族元素をベースとした光材料・デバイスに関して議論する場として、2004年より開催されている会議である。シリコンフォトニクス(SiPh)用いた光通信用の変調器、受光器、パッシブデバイスに関する報告に加えて、近年注目を集めているLiDAR・センシング用中赤外光源やニューロモルフィックコンピューティング応用に向けた光集積回路(Photonic integrated circuit:PIC)など幅広いアプリケーションに関する報告が多く寄せられた。SiPhの個々のデバイス技術、200 mm/300 mm CMOSラインによる量産技術は成熟してきており、それに見合う規模の市場を模索しているように感じられた。
(2018年9月21日掲載)
(H30-No.17)情報処理フォトニクス
テーマ:ナノフォトニクス
Optics+Photonicsショート速報
田中 拓男(理化学研究所)
会議名 :SPIE Optics + Photonics
開催期間 :2018年8月19日〜8月23日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、米国)

-要 約-
 この会議は米国のSPIEが主催する光学技術全般を取り扱う国際会議で毎年この時期に開催されている。今年の会議も、例年通り米国サンディエゴのSan Diego Convention Centerで開催された。北米で開催される光学関連分野の学術会議としては最大規模の会議の1つであり、世界中から参加者が集まった。会議は、Nanoscience+Engineering, Organic Photonics, Optical Engineeringの3つのカンファレンスで構成され、それぞれが個別に複数のTopicsを設定しており、その数は合計30になる。いずれも活発な分野を戦略的に取り上げているため、10以上のパラレルセッションの全てで熱い議論が展開されていた。
(2018年9月28日掲載)
(H30-No.18)光材料・デバイス
テーマ:赤外・ミリ波・テラヘルツ
IRMMW-THzショート速報
入交 芳久(情報通信研究機構)
会議名 :The 43rd International Conference on Infrared, Millimeter and Terahertz Waves
開催期間 :2018年9月9日〜9月14日
開催場所 :名古屋国際会議場(名古屋、日本)

-要 約-
 第43回赤外・ミリ波・テラヘルツ波における国際会議(IRMMW-THz 2018)に参加し、最新の技術調査を行った。この会議はミリ波・赤外・テラヘルツ波領域における研究開発を幅広くカバーしており、デバイス開発からTHz波発生・検出システム、それらの高速無線通信・分光・天文学・イメージング・産業・セキュリティ・生物学・医学など、広い応用範囲にわたる講演が行われた。その中でも、筆者が興味を持った内容に絞り込んで、個人的主観に基づいて報告する。
(2018年10月5日掲載)
(H30-No.19)光材料・デバイス
テーマ:半導体レーザ
ISLC2018ショート速報
白尾 瑞基(三菱電機)
会議名 :26th International Semiconductor Laser Conference
開催期間 :2018年9月16日〜9月19日
開催場所 :Hilton Santa Fe Historic Plaza(NM、米国)

-要 約-
 ISLCは半導体レーザに関わる研究者が一堂に会し、最新動向を議論する場として隔年で開催される国際会議である。本年は大容量光通信を実現する高速変調レーザ、低消費電力光源だけでなく、量子ドットの特徴的なふるまいが安定動作・狭線幅化といった性能を実現しており、改めて注目を集めていた。また、空間光通信、Lidarやセンシング向けデバイスについても実用化に向けた興味深い発表が多くみられた。
(2018年10月10日掲載)
(H30-No.20)情報処理フォトニクス
テーマ:相変化材料・デバイス
EPCOS2018ショート速報
齊藤 雄太(産業技術総合研究所)
会議名 :European Phase-Change and Ovonic Symposium 2018
開催期間 :2018年9月23日〜9月25日
開催場所 :Museo Diocesano(Catania、イタリア)

-要 約-
 EPCOSは、相変化材料の基礎から応用研究までを広く網羅した国際シンポジウムで、2001年から毎年開催を重ね、今年で第18回目となる。元々は光ディスクの研究会として発足したが、その後電気的特性を利用した不揮発性相変化メモリへ発表の中心は移行していき、そしてここ数年間は、フォトニクスやプラズモニクス、ディスプレイ応用など、再び光を用いた研究も活発化してきている。今年は、相変化材料の光・電気的物性、結晶化メカニズムといった材料自身の実験・理論的研究から、相変化メモリやそれを用いたニューロモルフィック素子、相変化フォトニックデバイスといった応用まで多岐にわたる報告があった。
(2018年10月10日掲載)
(H30-No.21)光情報通信
テーマ:光ネットワーク
ECOC2018ショート速報
北村 圭(日本電信電話株式会社)
会議名 :44th European Conference on Optical Communication
開催期間 :2018年9月23日〜9月27日
開催場所 :Fiera Roma(Rome、イタリア)

-要 約-
 ECOC2018では、ディスアグリゲーション、機械学習が光ネットワーク関連の発表でキーワードとなっていた。特に5Gモバイル通信やデータセンタの増加に対し、様々な要件を持つトラヒックを効率的に収容するメトロネットワークの構築を目的とする発表が多いと感じた。ネットワークの構築にあたり、キーワードの技術をどのように適用していくかについて、活発な議論が行われていた。
(2018年10月16日掲載)
(H30-No.22)光情報通信
テーマ:光ファイバ
ECOC2018ショート速報
齊藤 侑季(住友電気工業)
会議名 :44th European Conference on Optical Communication
開催期間 :2018年9月23日〜9月27日
開催場所 :Fiera Roma(Rome、イタリア)

-要 約-
 ECOC2018における光ファイバ関連の注目トピックスを紹介する。空間分割多重に関連した報告がメイントピックであり、例年に引き続き空間多重による大容量伝送実験が報告されたほか、モード多重用ファイバではモード毎の光学特性の評価について、マルチコアファイバでは実用化に向けクラッド径を抑えたファイバ設計について報告がなされた。また増幅用ファイバや微細構造ファイバの最新の研究も報告された。
(2018年10月16日掲載)
(H30-No.23)情報処理フォトニクス
テーマ:通信用光デバイス
ECOC2018ショート速報
青木 剛(PETRA)
会議名 :44th European Conference on Optical Communication
開催期間 :2018年9月23日〜9月27日
開催場所 :Fiera Roma(Rome、イタリア)

-要 約-
 ECOC2018のデバイス、モジュール関連講演の聴講について報告する。Conferenceは多くの参加者の熱気に包まれ、最先端の技術開発の議論がなされていた。デバイス関連では、変調器、受光器共にチャネルあたりでの高速化が非常に進んでおり、シリコンフォトニクスをプラットフォームとした化合物等とのハイブリッド型の報告が目立っていた。モジュール関連では、光デバイスだけではなく、電気デバイスであるドライバおよびTIAも併せて開発することで広帯域化を実現していた。
(2018年10月25日掲載)
(H30-No.24)光情報通信
テーマ:光アクセス
ECOC2018ショート速報
飯山 法子(日本電信電話株式会社)
会議名 :44th European Conference on Optical Communication
開催期間 :2018年9月23日〜9月27日
開催場所 :Fiera Roma(Rome、イタリア)

-要 約-
 光通信関連技術に関する欧州最大の国際会議ECOC2018において報告された、光アクセス分野の最新技術トピックスを紹介する。 PON(Passive Optical Network)の伝送技術としては、標準化動向を反映し、一波長当たり25 Gbps以上のPONをディジタル信号処理(DSP: Digital Signal Processing)を用いて実現する報告が主流となっている。PON技術含め、カテゴリ全体として第5世代移動通信システム(5G)への適用を意識した報告が多くを占めていた。
(2018年10月25日掲載)
(H30-No.25)光情報通信
テーマ:基幹伝送
ECOC2018ショート速報
中村 政則、小林 孝行(日本電信電話株式会社)
会議名 :44th European Conference on Optical Communication
開催期間 :2018年9月23日〜9月27日
開催場所 :Fiera Roma(Rome、イタリア)

-要 約-
 ECOC2018における基幹伝送関連の注目技術・最新動向について報告する。本報告では、「光送受信機技術」、「光伝送技術」、「大容量化技術」のトピックに着目する。光送受信機技術は、チャネル速度高速化の検討に加え、非線形光学効果への耐力の高い変調フォーマットについて多くの発表がなされた。光伝送技術として本会議ではPDLに着目した報告が数多く見られた。大容量化技術に関しては、近年盛んに検討されている空間分割多重技術に加え、敷設ファイバへの適用を指向した複数の光帯域を利用する広帯域伝送が注目されていた。
(2018年10月25日掲載)
(H30-No.26)光加工・計測
テーマ:生体医用光工学
fNIRS2018ショート速報
岡田 英史(慶應義塾大学)
会議名 :fNIRS 2018
開催期間 :2018年10月5日〜10月8日
開催場所 :東京大学(東京、文京区)

-要 約-
 fNIRS2018は、The Society for Functional Near-Infrared Spectroscopyが主催する、近赤外分光法による脳機能イメージングに関する国際会議である。テーマとしては、測定装置のハードウエア開発、データ解析、他の測定技術とのマルチモーダル計測、認知機能計測、神経発達、小児脳機能計測、医療応用などであり、理工学、脳科学、医学など、幅広い専門分野の研究者が参加し、近赤外光による脳機能計測とイメージングに関連したテーマについて発表を行い、活発な議論が交わされた。
(2018年10月29日掲載)
(H30-No.27)光加工・計測
テーマ:レーザ加工
ICALEO2018ショート速報
鷲尾 邦彦(パラダイムレーザーリサーチ)
会議名 :37th International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics
開催期間 :2018年10月14日〜10月18日
開催場所 :Rosen Centre Hotel(Orlando、FL、米国)

-要 約-
 ICALEOは、LIA(米国レーザ協会)の主催により年1回開催されるレーザ加工分野で世界最大級の国際会議である。ドイツからの講演件数は51件(シェア約27%)であった。ドイツは、昨年に引き続きトップとなったが、そのシェアは前年に比べ7.4%ほど低下した。中国からの講演件数は34件(シェア約18%)であった。中国の躍進が目覚ましい。マクロ加工会議(LMP)の講演件数は89件と多かった。その中でも、AM(Additive Manufacturing(LMD及びSLM))関連の講演件数が40件(LMP内のシェア約45 %)に達し、接合分野の28件に比べて、約1.4倍となった。
(2018年10月30日掲載)
(H30-No.28)光加工・計測
テーマ:レーザ加工
PhotonicsAsia2018ショート速報
岡田 直忠(東芝)
会議名 :Photonics Asia 2018,Advanced Laser Processing and Manufacturing Ⅱ
開催期間 :2018年10月11日〜10月13日
開催場所 :Beijing International Convention Center(Beijing、中国)

-要 約-
 Photonics Asia 2018のプレナリーセッションでは、ノーベル物理学賞を受賞したG. A. Mourou博士の高輝度レーザに関する発表があり、注目を集めていた。加工関連の会議であるAdvanced Laser Processing and Manufacturingでは、発表43件中、中国からの発表が65%で、中国のローカル色の強い会議であったが、電磁場下でローレンツ力を利用したAdditive Manufacturingや、造形後のレーザショックピーニング適用によるひずみ補正や欠陥除去、コールドスプレーを用いたAdditive Manufacturing等、新しい試みの発表があり、中国のレーザ加工研究の活力を感じさせるものであった。
(2018年11月1日掲載)
(H30-No.29)光ユーザインタフェース
テーマ:日常使用のAR/MR
ISMAR2018ショート速報
酒田 信親(奈良先端科学技術大学院大学)
会議名 :The 17th International Symposium on Mixed and Augmented Reality
開催期間 :2018年10月16日〜10月20日
開催場所 :MOC Exhibition Center Munich(Munich、ドイツ)

-要 約-
 ISMAR2018は複合現実感(MR)・拡張現実感(AR)に関する研究分野で最も採録が難しいとされる国際会議である。今年は、HoloLenseやMagic Leapなどに代表される光学透過型HMD(Optical See ThroughHead Mounted Display)に関する発表やデモが多数見受けられた。また、Pokemon GOの影響でスマートフォンに関するセッションは大幅に増加していると思ったが、意外にもスマートフォン関連の口頭発表は2件だけであり、HMD関連の発表が多かった。一方でデモは、スマートフォンでの実装が多く見られた。本稿では、ARが省認知・便利化を助ける日常的に使うツールとして焦点を当てた研究を紹介する。
(2018年11月1日掲載)
(H30-No.30)光エネルギー
テーマ:太陽光-化学エネルギー変換
SolarFuel18ショート速報
藤井 克司(理化学研究所)
会議名 :nanoGe Fall Meeting 18 (S1 Solar Fuel 18 / S2 Light Driven Water Splitting 18)
開催期間 :2018年10月22日〜10月24日
開催場所 :Melià Costa del Sol Convention Center(Málaga、スペイン)

-要 約-
 今年のSolar Fuel 18の内容は昨年と異なり、反応状況のその場観察と有機・無機ハイブリッド材料による光−化学エネルギー変換の話が中心であった。続けて行われたLight Driven Water Splitting 18においては、半導体材料を電解液の中に浸漬し光を照射して水を分解する「光電気化学」の話が中心であった。研究の指向性として、電気化学反応触媒は非貴金属が主で、「地球にやさしい」志向が明確であった。光電気化学は水素生成と酸素生成で異なった半導体を用いる「タンデム型」が主流である。なかでも効率が十分上がらない酸素生成電極材料の話が多く、性能が良いとされるBiVO4や、これに類似の構造の化合物の話が多い。特記事項として、地球温暖化ガス排出抑制にヨーロッパのアカデミアで真剣に取り組むA-LEAFというプロジェクトの紹介があり、各国とも現実的な応用を見据えた自然エネルギー利用の検討が進んでいるようである。
(2018年11月5日掲載)
(H30-No.31)光UI・IoT
テーマ:ユビキタス技術と画像関連技術
UbiComp2018ショート速報
三浦 貴大(産業技術総合研究所)
会議名 :The 2018 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing
 The 2018 International Symposium on Wearable Computers
開催期間 :2018年10月8日〜10月12日
開催場所 :Suntec Singapore Convention and Exhibition Centre(シンガポール)

-要 約-
 モバイル・ユビキタス技術に関する国際会議であるUbiComp/ISWC2018に関して報告する。特に本学会の成り立ちや今回の参加者や採択率といった学会概要の他、キーノート講演の内容を述べる。その後、画像関係の技術を用いていた研究について、「Cameras everywhere」、「Toward accessibility to all」、「IoT and wearables」、「All things learning」のセッションで発表されていたものを紹介する。
(2018年11月6日掲載)
(H30-No.32)光エネルギー
テーマ:評価技術
EUPVSEC2018ショート速報
菱川 善博(産業技術総合研究所)
会議名 :35th European PV Solar Energy Conference and Exhibition
開催期間 :2018年9月24日〜9月28日
開催場所 :SQUARE-Brussels Meeting Centre(ブリュッセル、ベルギー)

-要 約-
 欧州で毎年開催されている太陽光発電分野の国際会議が今年度はベルギーのブリュッセルで開催された。太陽電池材料から新概念、各種新型太陽電池の開発、製造技術、評価技術、システム等、広い分野をカバーする会議である。会議の規模は前年より減少したが、併設された展示会を含めると2,000名以上、発表論文数は約1,000件(industry forum)と、世界最大級の規模である。最近の太陽電池モジュールや太陽光発電システムの低コスト化と設置拡大を反映して、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーを将来の基幹エネルギーとして実現するための研究開発が意識されている。筆者が主に参加した評価関係のセッションでも、発電量増加に効果的な両面受光太陽電池や砂漠地域でのsoiling等、アプリケーションよりの発表が注目を浴びている。
(2018年11月13日掲載)
(H30-No.33)光エネルギー
テーマ:信頼性向上技術
SAYURU-PV2018ショート速報
棚橋 紀悟(産業技術総合研究所)
会議名 :3rd International Workshop on the Sustainable Actions for “Year by Year Aging” under Reliability Investigations in Photovoltaic Modules,2018
開催期間 :2018年10月30日〜10月31日
開催場所 :産業技術総合研究所(つくば、日本)

-要 約-
 SAYURI-PVワークショップは、産業技術総合研究所 太陽光発電研究センターが主催する太陽電池モジュールなどの信頼性向上技術に関する国際ワークショップである。本ワークショップは小規模の国際会議ではあるが(本年の参加者は60名超)、約1/4が海外からの参加者(主にアジア地域)により占められており、当該研究分野における最新情報を俯瞰できるワークショップと位置づけられている。第3回となる本年のワークショップでは、LeTID(Light and Elevated Temperature-Induced Degradation:高効率結晶シリコン太陽電池モジュールにおける光・熱により誘引される劣化現象)に関する報告などが注目された。
(2018年11月26日掲載)
(H30-No.34)情報処理フォトニクス
テーマ:撮像・計測・記録
ISOM'18ショート速報
信川 輝吉
会議名 :International Symposium on Imaging, Sensing, and Optical Memory 2018
開催期間 :2018年10月21日〜10月24日
開催場所 :北九州国際会議場(北九州市、日本)

-要 約-
 International Symposium on Imaging, Sensing, and Optical Memory(ISOM)は、2年前までは光メモリに特化した国際会議であったが、CD、DVD、ブルーレイディスク、近接場光メモリ、超解像光メモリ、ホログラムメモリ等の関連技術を、撮像・計測技術へ応用した研究成果が報告されるようになり、昨年度からイメージングとセンシングがスコープに含められるようになった。本年度の参加者は110人であり、主にアジアからの参加者が多い印象であった。本報告では、筆者が興味を持った、メタサーフェス、ディジタルホログラフィ、ホログラムメモリに関するいくつかの研究発表を紹介する。
(2018年12月14日掲載)
(H30-No.35)光材料・デバイス
テーマ:窒化物系可視・紫外光源
IWN2018ショート速報
土屋朋信
会議名 :International Workshop on Nitride Semiconductors 2018
開催期間 :2018年11月11日〜11月16日
開催場所 :ANA Crowne Plaza Hotel Kanazawa, Ishikawa Ongakudo,
and Motenashi-Dome(金沢、日本)

-要 約-
 IWNは窒化物半導体に関わる研究者が一堂に会し、最新の結果を議論する場であり、窒化物半導体関連では最大規模の国際会議である。今年も900件以上の投稿数と1300人近くの参加者があった。会議は六つのパラレルセッションに分かれており、窒化物半導体の全研究分野(結晶成長、材料評価、光デバイス、電子デバイス)において活発な議論がなされた。光デバイスでは深紫外発光デバイス、面発光レーザ、マイクロLED、赤色LEDなどが活発に議論され、基板では大面積・低欠陥密度化に向けた新たな成長法が報告され、電子デバイスでは縦型パワーデバイスの発表が増えていた。
(2018年12月27日掲載)
(H30-No.36)光UI・IoT
テーマ:光ユーザインタフェース
IDW'18ショート速報
長谷川 雅樹
会議名 :International Display Workshops 2018
開催期間 :2018年12月12日〜12月14日
開催場所 :名古屋国際会議場 (名古屋、日本)

-要 約-
 Keynote Address 3件のうち、2件はユーザインタフェースに関連する講演で、車の運転時のドライバの画像認識に関する話題を横浜国大の岡島先生が、触覚を刺激するハプティックスとタッチディスプレイの統合をNorthwestern大学のE. Colgate先生が講演した。これは、OLEDによる薄型、フレキシブル、LCDによる安価な自由形状、プロジェクション、μ-LEDによる高輝度化など、ディスプレイの形態が多様化し、あらゆる場面でディスプレイが活用される中、ユーザインタフェースの役割が益々重要になってきた表われであろう。また、今年のIDWでは触覚を刺激するハプティックスをトピックスとして取り上げており、多くの発表があった。
(2018年12月28日掲載)
(H30-No.37)情報処理フォトニクス
テーマ:相変化材料・デバイス
PCOS2018ショート速報
斎木 敏治、齊藤 雄太
会議名 :The 30th Symposium on Phase Change Oriented Science
開催期間 :2018年12月6日〜12月7日
開催場所 :黒部宇奈月国際会館 (黒部、日本)

-要 約-
 PCOS(Phase Change Oriented Science)は、カルコゲナイド系相変化材料を中心に、その周辺の酸化物や低次元物質などもターゲットとして、それらの構造、電気的、磁気的、光学的、熱的物性とその特徴を生かした応用分野について2日間にわたって深く議論する場である。超格子構造の磁気的・磁気光学的物性の発現、可視域から赤外、テラヘルツ帯までの広スペクトル領域にわたる光学的応用、時間分解分光による相変化前駆現象の解明、熱伝導制御のための基盤材料としての可能性など、今後の展開と応用が期待される研究成果が多数披露された。
(2019年1月10日掲載)
(H30-No.38)光加工・計測
テーマ:固体レーザ
ASSL2018ショート速報
安原 亮
会議名 :Advanced Solid State Lasers Conference
開催期間 :2018年11月4日〜11月8日
開催場所 :The Westin Boston Waterfront (マサチューセッツ州・ボストン、米国)

-要 約-
 Advanced Solid State Lasers Conference(ASSL)は、米国光学会(The Optical society of America: OSA)が主催する固体レーザに関する国際会議である。1985年から毎年行われ、今回の米国ボストンでの開催で33回を数える。今年も例年と変わらす、約200件の研究成果の発表と約500名の参加者と活況な様子であった。会議では、固体レーザ研究の最新情報を得るため参加者の熱心な議論が見られ、特に近年のトレンドである中赤外レーザ関連の発表が目立った。 来年はウィーンでの開催が予定されている。
(2019年1月10日掲載)
(H30-No.39)光UI・IoT
テーマ:AI,AR,VR and Haptics
IDW'18ショート速報
奥村 治彦
会議名 :The 25th International Display Workshops
開催期間 :2018年12月12日〜12月14日
開催場所 :名古屋国際会議場 (名古屋、日本)

-要 約-
 今年25回目の節目を迎える国際ディスプレイワークショップIDW’18は、 25回記念行事として、第一回目の三役に感謝状を贈るとともに、その功 績を称えて、小林・内池・御子柴賞を来年から設けると発表した。今回、 AR/VR関係では、最新技術を体験できるI-DEMO以外に、新たな取組と して、プロジェクションマッピングの特別展示やAI Applied to Display セッション、さらには、キーノートで触覚関連の世界的な権威Colgate 教授(Northwestern Univ.)の講演など、ディスプレイ技術の新しい展 開に向けた技術動向を、幅広く聴講、体験できる会議、イベントとなっ ている。最新ディスプレイ技術だけでなく、今後のIDWの動向には目 が離せない。
(2019年2月19日掲載)
(H30-No.40)光加工・計測
テーマ:生体医用光学
PW2019 BiOSショート速報
川口 拓之
会議名 :SPIE Photonics West BiOS 2019 Conference
開催期間 :2019年2月2日〜2月7日
開催場所 :Moscone Center (San Francisco、CA、米国)

-要 約-
 BiOS2019はThe international society for optics and photonics(SPIE)が主催するフォトニクス技術に関するイベントPhotonics Westの一部として開催される、世界最大規模の生体医用光学の国際会議である。
臨床医学、トランスレーショナルリサーチ、分子・細胞レベルの基礎研究まで多岐にわたる医学・生物学分野への光テクノロジの応用に関するものであり、理工学系の研究者を中心に様々な専門性を有する研究者が集い、活発な議論が交わされた。
(2019年2月25日掲載)
(H30-No.41)情報処理フォトニクス
テーマ:光インターコネクト
PW2019ショート速報
譽田 英弥
会議名 :SPIE Photonics West 2019
開催期間 :2019年2月2日〜2月7日
開催場所 :Moscone Center (San Francisco、CA、米国)

-要 約-
 Photonics West 2019における光インターコネクト関連の注目トピックスを紹介する。Silicon Photonics ICと光ファイバとの接続、光ファイバの高密度実装、光導波路の技術情報に着目したが、総じて、光ファイバ接続、高密度実装に適用出来る基礎技術の革新を経て、量産化への具体的なアプローチが進んでいる事が確認できた。
(2019年2月26日掲載)
(H30-No.42)光加工・計測
テーマ:加工用レーザ
PW2019 LASEショート速報
河ア 正人
会議名 :SPIE Photonics West LASE 2019
開催期間 :2019年2月2日〜2月7日
開催場所 :Moscone Center (San Francisco、CA、米国)

-要 約-
 Photonics Westは光関連研究者が一同に集う世界最大規模の国際会議であり、OPTO、BiOS、LASEの3つの会議と展示会で構成される。
LASEで多数報告のある加工用レーザの分野では、ファイバレーザ励起用の半導体レーザの高出力化開発が盛んであるが、近年、難加工材と呼ばれる銅や金の加工向け可視光レーザ開発も進んでおり、高出力青色半導体レーザや緑色、赤色レーザの開発状況についても報告があった。また高出力化のみならず、加工モニタリングやビームモード制御に関連した報告も多く、加工用レーザ開発のトレンドが様々な付加価値提供へと拡大していることを実感した。
(2019年3月7日掲載)
(H30-No.43)光エネルギー
テーマ:信頼性向上技術
PVRW2019ショート速報
櫻井 啓一郎
会議名 :Photovoltaics Reliability Workshop 2019
開催期間 :2019年2月26日〜2月28日
開催場所 :Lakewood Denver West Sheraton (Lakewood、CO、米国)

-要 約-
 PVRWは、米国の国立研究所であるNational Renewable Energy Laboratory(NREL)を中心として開催される、太陽光発電設備の信頼性向上をテーマとしたワークショップである。参加者がそれぞれ何らかの技術やノウハウを発表・共有することが原則として義務づけられており、200人程度の規模ながら非常に内容が濃く、信頼性向上技術や関連国際規格の策定状況等について短期間で概観できる場となっている。本報告ではワークショップにおける講演や議論の中から、筆者が関心を持ったものを中心に報告する。
(2019年3月15日掲載)
(H30-No.44)光材料・デバイス
テーマ:オプトエレクトロニクス
PW2019ショート速報
脇田 斉
会議名 :SPIE Photonics West 2019
開催期間 :2019年2月2日〜2月7日
開催場所 :Moscone Center (San Francisco、CA、米国)

-要 約-
 Photonics Westは世界最大規模の光技術関連の会議であり、光通信分野だけに限ってもデバイスから伝送技術まで幅広いトピックを対象としている。近年では3Dプリンタ応用などの加工技術などもApplicationTracksとして存在し、非常に活況な様子である。会議全体としてはBiOS、LASEも含めて非常に大規模であり、展示会も展示内容のスケジュールが組まれ、会期を通して変わるため、注意が必要である。
(2019年3月18日掲載)
(H30-No.45)光情報通信
テーマ:光ファイバ
OFC2019ショート速報
愛川 和彦
会議名 :The Optical Fiber Communication Conference and Exhibition 2019
開催期間 :2019年3月3日〜3月7日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 OFC2019における光ファイバ関連のトピックを紹介する。光ファイバ関連では、例年通り空間多重関連の報告が多くを占めたが、今回は特に実用化を見据えたファイバ設計、周辺デバイスに関する発表が多く見られた。WorkshopやPanel sessionでもSDM関連が組まれ、活発な議論が行われたのでその一部を報告する。微細構造のファイバでは1240〜1940 nmという広帯域で低損失なファイバの最新の報告も行われた。
(2019年3月19日掲載)
(H30-No.46)情報処理フォトニクス
テーマ:光インターコネクト
OFC2019ショート速報
渋谷 隆
会議名 :The Optical Fiber Communication Conference and Exhibition 2019
開催期間 :2019年3月3日〜3月7日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 2018年3月に開催された世界最大規模の光通信に関する国際学会及び展示会であるOFC2019における光インターコネクトに関連するトピックスを報告する。今回も、データセンタ関連の発表が多く、デバイス関連ではシリコンフォトニクスに関する発表が活発である。データセンタ内のルータなどの装置では、プラガブル光トランシーバから、ボード内光配線(On Board Optics)へ、さらに光素子とASICを同一基板に実装するCo-Packagingが進むと予想されている。データセンタに関する技術動向及びOn Board Optics, CO-Packagingに関する技術動向について報告する。
(2019年3月20日掲載)
(H30-No.47)光情報通信
テーマ:光ネットワーク
OFC2019ショート速報
田中 貴章
会議名 :The Optical Fiber Communication Conference and Exhibition 2019
開催期間 :2019年3月3日〜3月7日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 OFC2019にて報告された、光ネットワーク分野のトピックスを紹介する。機械学習やディープラーニングを光ネットワークに適用する試みが盛んに報告されているとともに、これらのAI関連技術にSDN/NFV、Streaming Telemetry等の技術を組み合わせたネットワーク自動化へのチャレンジにも注目が集まった。また、SDMやホワイトボックス、ディスアグリゲーション向け将来光ノードおよび制御技術の発表や、メトロ・コアに加えてデータセンタ向けネットワーキングに関するNWアーキテクチャ提案も多く行われた。
(2019年3月20日掲載)
(H30-No.48)光情報通信
テーマ:基幹光伝送
OFC2019ショート速報
竹下 仁士
会議名 :The Optical Fiber Communication Conference and Exhibition 2019
開催期間 :2019年3月3日〜3月7日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 2019年3月3〜7日に、米国サンディエゴにてOFC2019が開催された。OFC2019にて発表・議論された光基幹伝送分野の研究開発成果から、特徴的な研究動向を中心にまとめる。堅調に伝送容量拡大の動きが続く一方で、シャノンリミットに迫る変調方式実用化に向けた詳細検討、従来のC帯を大幅に拡張する広帯域伝送、空間多重技術の着実な進展がうかがえた。今後の動向が注目される。
(2019年3月20日掲載)
(H30-No.49)光情報通信
テーマ:光アクセス
OFC2019ショート速報
キム サンヨプ
会議名 :The Optical Fiber Communication Conference and Exhibition 2019
開催期間 :2019年3月3日〜3月7日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 2019年3月3日〜7日に米国で開催された光通信関連技術に関する世界最大の国際会議OFC2019における、光アクセス関連技術のトピックスを紹介する。本会議では、第5世代移動通信システムにおける通信トラヒックを効率的・経済的に収容するためのMFH(Mobile Front-Haul)技術がカテゴリ全体として多くを占めていた。また、デジタル信号処理(DSP: Digital Signal Processing)技術を用いた一波長当り25 Gbit/s以上のPON(Passive Optical Network)向けの光伝送技術に注目が集まるとともに、また、DSPを適用したコヒーレントPONが次世代PON技術として盛んに議論された。


Copyright(C) OITDA All Rights Reserved.