平成29年度 国際会議速報

(2018年4月9更新)

(2017年 5月12日掲載)
(H29-No.1)光ユーザインタフェース
テーマ:生体センシング
BISC'17ショート速報
鈴木 雅登(パナソニック)
会議名 :Biomedical Imaging and Sensing Conference 2017
開催期間 :2017年4月19日〜21日
開催場所 :パシフィコ横浜(横浜、日本)

-要 約-
 本会議は、細胞レベルの基礎的な研究から臨床応用における種々の光学技術に関する研究発表を網羅し、非線形光学を利用して細胞を蛍光標識せずに特徴づけを行なう技術(CARS、SHG、THGやラマン分光)、厚みのある組織の内部のイメージングに有効な多光子励起技術やOCT(optical coherent tomography)技術に関する発表が多くなされる。 今回は"Computational Imaging"というセッションが開かれ、通常のRGB画像から生体情報を抽出する技術に関する議論が行われた。このような技術は日常的な画像情報の蓄積から個人個人の健康状態の管理に役立つという点で、予防医療へつながる新しい潮流を感じた。
(2017年 5月12日掲載)
(H29-No.2)情報処理フォトニクス
テーマ:光情報処理
IP'17ショート速報
仁田 功一(神戸大学)
会議名 :Information Photonics 2017
開催期間 :2017年4月19日〜21日
開催場所 :パシフィコ横浜(横浜、日本)

-要 約-
 2017年4月に横浜市のパシフィコ横浜会議センターにて開催された国際会議 Information Photonics 2017(IP'17)において、光情報処理、情報フォトニクスに関する研究発表の動向をまとめる。今回の会議は、Optics & Photonics International Congress(OPIC)2017 における 12トピックのSpecialized International Conferences のうちの1つとして開催された。講演内容は、次世代の計算技術に関する挑戦的な研究から、単一画素計測や、ディジタルホログラフィー等の画像取得技術に関する様々な進展の他、様々な報告がなされ、参加者には興味深い多くの成果が提示された。
(2017年 5月31日掲載)
(H29-No.3)光材料・デバイス
テーマ:光デバイス
CLEO2017ショート速報
藤澤 剛(北海道大学)
会議名 :2017 Conference on Lasers and Electro-Optics/Quantum Electronics and Laser Science Conference
開催期間 :2017年5月15日〜19日
開催場所 :San Jose Convention Center(San Jose、米国)

-要 約-
 2017年5月に開催されたCLEO2017において報告された、光デバイス関連の動向をまとめる。例年通り、光の研究分野を広くカバーしたトピックの発表がなされたが、特に、シリコンフォトニクスデバイス、周波数コム発生デバイス、フォトニック結晶デバイスなどに関する講演が多かった。また、メタマテリアル、メタサーフェス、光トポロジカル絶縁体などについても、基礎物理、デバイス応用の観点から多くの発表がなされた。
(2017年 5月31日掲載)
(H29-No.4)光材料・デバイス
テーマ:InP系光デバイス
IPRM2017ショート速報
八木 英樹(住友電気工業)
会議名 :The 29th International Conference on Indium Phosphide and Related Materials
開催期間 :2017年5月14日〜18日
開催場所 :dbb forum Berlin(ベルリン、ドイツ)

-要 約-
 本稿では、ドイツのdbb forum Berlinで開催された国際会議IPRM2017(CSW2017)について、InP系材料を基盤とした光デバイスに関する講演を中心に、光デバイス開発に関わる著者の視点から、見解を記している。 特に、InP系集積光デバイス、及びInP系アクティブ/Siフォトニクス融合デバイスについて活発な議論が行われ、プレナリーセッション及び一般講演から、それぞれで感じた印象を速報として伝えるものである。
(2017年 6月7日掲載)
(H29-No.5)情報処理フォトニクス
テーマ:ホログラフィ
DH2017ショート速報
田原 樹(関西大学)
会議名 :Digital Holography & 3-D Imaging 2017
開催期間 :2017年5月28日〜6月1日
開催場所 :Cheju Halla University(済州島、大韓民国)

-要 約-
 2017年5−6月に大韓民国済州島にあるCheju Halla University にて開催された国際会議DH2017において、ディジタルホログラフィ、3次元イメージング技術に関する研究発表の動向をまとめる。ホログラフィック記録、ホログラフィックディスプレイのセッションが並行して開かれざるを得ないなど、本年も多数の論文が集まった。インコヒーレントホログラフィ、定量位相イメージングにおいて世界的に著名な研究グループの招待講演が数多く執り行なわれ、一般講演でも多次元画像情報取得に関する研究進展が報告されるなど、ホログラフィックイメージングに関する最先端の研究成果の情報収集に有益な会議であった。
(2017年 6月9日掲載)
(H29-No.6)光ユーザインタフェース
テーマ:ディスプレイ
SID2017ショート速報
長谷川 雅樹(メルク)
会議名 :Society for Information Display's Display week 2017
開催期間 :2017年5月21日〜5月26日
開催場所 :Los Angeles Convention Center(Los Angeles、米国)

-要 約-
 8k放送規格やAR/VRが後押しになって、OLED、量子ドット、microLEDを用いたディスプレイの開発が急速に進んだ。特にmicroLED関連の論文が数多く発表され、製造の複雑さからこれまで懐疑的であった方式にも実現の兆しが見えてきた。LCDもこれらの新しいディスプレイに対抗するため、量子ドットを用いて色域を広げたり、ローカルデミングをさらに進めて ピクセル単位のデミングでHDRに対応する技術の開発が進められている。 展示での目玉は、BOEの5インチと14インチのQLED-TVで、QLEDの実用化もそう先の話ではないと実感した。
(2017年 6月9日掲載)
(H29-No.7)光エネルギー
テーマ:集光型太陽光発電
CPV-13ショート速報
西岡 賢祐(宮崎大学)
会議名 :13th International Conference on Concentrator Photovoltaic Systems
開催期間 :2017年5月1日〜5月3日
開催場所 :University of Ottawa(Ottawa、カナダ)

-要 約-
 CPV-13は、集光型太陽光発電に関連する技術に特化した内容に関する国際会議である。世界20カ国より104件の発表があり、134名の参加者が集い活発な議論が行われた。特に顕著な進展として、小面積レンズで1 mm×1mm以下のセルに集光した光を照射するマイクロCPVについて多数報告された。また、5接合型太陽電池モノモジュールの屋外での変換効率41.22%がUS Naval Research Laboratory(米)のグループによって報告された。前回(CPV-12)同様、集光した太陽光を太陽電池だけでなく熱としても同時利用する研究について多くの機関より報告された。
(2017年 6月13日掲載)
(H29-No.8)光加工・計測
テーマ:バイオセンシング
BITE2017ショート速報
渡部 愛理(産業技術総合研究所)
会議名 :5th International Conference on Bio-Sensing Technology
開催期間 :2017年5月7日〜5月10日
開催場所 :Riva Del Garda Congress Centre(Riva del Garda, イタリア)

-要 約-
 イタリアで行われたBio-Sensing Technologyに参加した。主な発表の概要とバイオセンシング業界の傾向を報告する。医療応用を目的としたセンシングがほとんどであり、既存の技術の向上・発展や、患者の負担を減らす工夫などが多く見受けられた。これまでのバイオセンシングの動向をコンパクトに把握するのに適していた。口頭発表が限られており、ほとんどの発表者はポスターに割り当てられるため、ポスターの聴講者は少なめであるが、口頭発表の質疑応答や、コーヒーブレイク中のピロティでは参加者同士の密な議論が活発に行われていた。
(2017年 6月16日掲載)
(H29-No.9)光加工・計測
テーマ:光精密加工
LPM2017ショート速報
中村 大輔(九州大学)
会議名 :The 18th International Symposium on Laser Precision Microfabrication
開催期間 :2017年6月5日〜6月8日
開催場所 :富山国際会議場(富山市、日本)

-要 約-
 2017年6月に富山国際会議場で開催された国際シンポジウムLPM2017におけるレーザ精密微細加工関連の研究発表の動向をまとめる。レーザ誘起表面周期構造や微粒子生成といった基礎物理から産業用レーザ加工の最新動向およびバイオ応用まで多岐にわたるセッションがパラレルに進められる中、レーザ干渉を利用した高速表面テクスチャリング加工装置の開発、中空ファイバによる超短パルスのビームデリバリー、レーザ加工によるSiCインゴットスライシング、フェムト秒バーストパルスによる低熱影響加工の実現など興味深い報告があった。
(2017年 6月19日掲載)
(H29-No.10)光ユーザインタフェース
テーマ:AR/VR
SID2017ショート速報
巻口 誉宗(日本電信電話株式会社)
会議名 :The Society for Information Display International Symposium,Seminar& Exhibition
開催期間 :2017年5月21日〜5月26日
開催場所 :Los Angeles Convention Center (CA, アメリカ)

-要 約-
 2017年5月21日〜26日に米国ロサンゼルスで開催された、SID Display Week 2017のシンポジウムの発表の中からAR/VR関連のセッション4件について、全体動向と注目した発表を報告する。AR/VRのデバイスとしてはステレオ立体視を実現するヘッドマウントディスプレイを中心として研究が行われており、特にステレオ立体視で問題となる輻輳調節矛盾の解消に向けた研究がトレンドとなっていた。
(2017年 6月20日掲載)
(H29-No.11)光エネルギー
テーマ:ペロブスカイト太陽電池
HOPV17ショート速報
早瀬 修二(九州工業大学)
会議名 :International Conference on Hybrid and Organic Photovoltaics
開催期間 :2017年5月21日〜5月24日
開催場所 :Lausanne EPFL international conference center(ローザンヌ、スイス)

-要 約-
 第9回Hybrid and Organic Photovoltaics 2017(HOPV17)が5月21日から24日までLausanne EPFL international conference center で開催された。今年のHOPV会議は昨年よりもさらにペロブスカイト太陽電池に関する報告の割合が多く、ペロブスカイト太陽電池に対するさらに大きな期待が感じられた。最高効率の更新は無かったが、高効率を保ちつつ耐久性を上げる無機系の緩衝層に関する研究に注目が集まっていた。
(2017年 6月23日掲載)
(H29-No.12)光エネルギー
テーマ:化合物薄膜太陽電池
E-MRS2017Sショート速報
和田 隆博、前田 毅(龍谷大学)
会議名 :European Material Research Society2017 Spring Meeting
開催期間 :2017年5月22日〜5月26日
開催場所 :Strasbourg Convention Center(Strasbourg, フランス)

-要 約-
 欧州材料科学会議(E-MRS)2017 Spring Meeting がフランスのストラスブールで開催された。化合物太陽電池の分野では、材料として、 Cu(In,Ga)Se2(CIGS)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSe)およびCdTeやその他のカルコゲン化合物およびペロブスカイト型材料が主に議論された。CIGS系太陽電池では、ソーラーフロンティアからセレンを含まないCu(In,Ga)S2太陽電池で16.9%(自社測定)の変換効率の更新が報告された。Cu(In,Ga)S2のCu-poor組成の吸収層を用いることでKCNエッチングを行っていないところやCdフリーのバッファ層であるZn1-xMgxOを用いていることが注目される。CZTS系太陽電池の変換効率の更新の報告は無かったが、材料の基礎物性に関してたくさんの報告があった。
(2017年 7月7日掲載)
(H29-No.13)光エネルギー
テーマ:結晶シリコン太陽電池
IEEE PVSC44ショート速報
小椋 厚志(明治大学)
会議名 :44th IEEE Photovoltaic Specialists Conference
開催期間 :2017年6月25日〜6月30日
開催場所 :Marriott Wardman Park Hote (Washington DC、米国)

-要 約-
 アメリカ・ワシントンDCで開催されたIEEE PVSC 44(44th IEEE Photo-voltaic Specialists Conference)より、Area4の結晶シリコン太陽電池を中心に紹介する。42か国から1,298名の参加者が集った。国別の参加者数は、米国(1位)、日本(2位)、ドイツ(3位)、オーストラリア(4位)、中国(5位)、インド(6位)、英国(7位)と続き、1056件の論文が発表された。日本からの参加者は96名であった。Area4では最多の182件の論文が披露された。カネカによる世界最高効率の更新や、TrinaからのPERCセルによる単結晶および多結晶の高効率セル、現在流行のキャリア選択コンタクトやシリコン系タンデムデバイスなどに関して、活発な論議が展開された。
(2017年 7月12日掲載)
(H29-No.14)光材料・デバイス
テーマ:半導体光デバイス
CLEO-Europeショート速報
武田 浩司(日本電信電話株式会社)
会議名 :The European Conference on Lasers and Electro-Optics and the European Quantum Electronics Conference
開催期間 :2017年6月25日〜6月29日
開催場所 :International Congress Centre Munich(ミュンヘン、ドイツ)

-要 約-
 CLEO/Europe-EQECはヨーロッパにおける光・量子エレクトロニクス等の大規模な国際会議である。非常に大きな展示会も同時開催されており、会議に登録すればどちらも参加することができる。比較的基礎寄りの発表が多く、大学を中心にアイディアや基礎的な実験が報告された。光の通信以外の応用や、量子関係の発表も非常に多く、これからの光の応用を探索するのに良い学会であった。本速報では学会講演の中から、発光素子、化合物Si集積、ナノ構造、パッシブに分類し、筆者の注目した発表を紹介する。
(2017年 7月27日掲載)
(H29-No.15)光加工・計測
テーマ:生体医用光学
ECBO2017ショート速報
岡田 英史(慶應義塾大学)
会議名 :European Conference on Biomedical Optics
開催期間 :2017年6月25日〜6月29日
開催場所 :Messe Munich(Munich、ドイツ)

-要 約-
 ECBOは、OSAとSPIEが共催するバイオ・医療分野への光学技術の応用に関する欧州会議であり、World of Photonics Congressにおける専門会議のひとつとして、レーザ・光学関連の見本市・展示会であるLaser World of Photonics 2017 と同一会場で開催された。この会議は、細胞から臓器レベルを対象とした光技術の応用を網羅しており、今回は8つのセッションで構成されていた。拡散光の分光計測とイメージングのセッションにおいては、数理モデルに基づいた生体組織内光伝播の解析といった基礎的な 研究から、前臨床応用段階の研究まで、様々なフェーズの研究に関する報告があり活発な議論が行われた。
(2017年 7月28日掲載)
(H29-No.16)光加工・計測
テーマ:3Dプリンタ
AMC2017ショート速報
今福 裕史(アスペクト)
会議名 :The international conference that delivers the credible voice of Additive Manufacturing & 3D Printing
開催期間 :2017年7月11日〜7月13日
開催場所 :Nottingham Belfry Hotel(ノッティンガム、英国)

-要 約-
 AM ConferenceはAM(Additive Manufacturing:付加製造)技術について研究している大学、企業の研究者が最新技術を共有するための学会である。金属AM技術に関する発表が目立ち、最終製品としてどのように応用していくかという議論が多く見られた。金属AM技術にとって重要である応力分布を計算するシミュレーション技術が発展し、形状最適化も高精度になってきている。今後AM技術で造られたものが自動車や航空機などの最終製品として使用される動きが海外で着実に進んでいる事が感じられた。
(2017年 8月8日掲載)
(H29-No.17)光材料・デバイス
テーマ:窒化物半導体
ICNS-12ショート速報
岩谷 素顕(名城大学)
会議名 :The 12th International Conference on Nitride Semiconductors
開催期間 :2017年7月23日〜7月28日
開催場所 :Strasbourg Convention Center(Strasbourg、フランス)

-要 約-
 第12回窒化物半導体国際会議がフランス・ストラスブールで2017年7月23日から28日の会期で開催された。本会議では850を超える論文投稿があり、そのうち800件が採択され、5日間の活発な議論が行われた。具体的には、結晶成長・光デバイス・電子デバイス・評価に関する発表が4パラレルセッションで行われた。光産業技術との関連が密接である結晶成長・光デバイス・評価を中心に筆者が興味深いと感じた内容に関して報告する。
(2017年 8月21日掲載)
(H29-No.18)情報処理フォトニクス
テーマ:ナノフォトニクス
SPIE Optics+Photonicsショート速報
田中 拓男(理化学研究所)
会議名 :SPIE Optics + Photonics 2017
開催期間 :2017年8月6日〜8月10日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、米国)

-要 約-
 この会議は米国のSPIEが主催する光学技術全般を取り扱う国際会議で、毎年開催されている。今年の会議も、例年通り米国サンディエゴのSan Diego Convention Centerで開催された。米国はもちろんヨーロッパ、アジアなど全世界から参加者が集まり活発に議論が行われた。全体で68のカンファレンスで構成され、北米で開催される光学関連分野の学術会議としては最大規模の会議の1つである。研究活動が活発な分野を積極的に取り上げているため、10以上のセッションが平行して開催されているが、どのセッションでも活発な議論が展開されていた。
(2017年 8月22日掲載)
(H29-No.19)情報処理フォトニクス
テーマ:光メモリ
ODS2017ショート速報
片山 龍一(福岡工業大学)
会議名 :Optical Data Storage 2017: From New Materials to New Systems
開催期間 :2017年8月6日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、米国)

-要 約-
 発表内容はシステム・応用関連、ホログラフィックメモリ関連、ナノフォトニクス関連、新技術・要素技術関連がそれぞれ約1/4ずつであった。今回の目玉であるシステム・応用関連の招待講演の1つとして、ふじわらロスチャイルド社から、近い将来の業務用アーカイブストレージでは容量24 TBの光メモリが必要となることが述べられた。一方、その技術候補であるホログラフィックメモリに関しては、米国や日本の企業がことごとく研究から撤退してしまい、会議での発表は大学からの要素技術のみになってしまった。大容量光メモリのニーズは確実に存在し、それに応えるため今こそ光メモリ関係者の奮起が促されていると言える。
(2017年 8月29日掲載)
(H29-No.20)光加工・計測
テーマ:AM技術
SFFS2017ショート速報
伊藤 史朗(アスペクト)
会議名 :The 28th Annual International Solid Freeform Fabrication Symposium
開催期間 :2017年8月7日〜8月9日
開催場所 :Hilton Hotel Austin(Austin, Tx、米国)

-要 約-
 SFFSはAM技術に関する歴史あるシンポジウムであり、近年の参加者が増加傾向にあることから、AM技術全体に対する関心の高まりというものが見える。発表内容は、近年盛んに行われているインプロセスモニタリング等の利用によるプロセス中に起こる現象のメカニズム把握のための研究が更に発展していたのが印象深い。また一方で、既存の方法をアレンジした新しいプロセスの研究発表などもあり、AM技術の新しい潮流が発生し始めているような感 触も受けた。
(2017年 9月8日掲載)
(H29-No.21)光材料・デバイス
テーマ:ナノフォトニクス・シリコンフォトニクス
ICO-24ショート速報
倉持 栄一、滝口 雅人(日本電信電話株式会社)
会議名 :The 24th General Congress of the International Commission for Optics
開催期間 :2017年8月21日〜8月25日
開催場所 :京王プラザホテル東京(東京、日本)

-要 約-
 ICO-24は、国際光学委員会が3年ごとに開催する、光科学技術の全分野を網羅する権威ある国際会議である。基礎から応用までカバーする18のカテゴリーで約700件の講演が行われ、850名ほどの参加者があった。報告者らはナノ・マイクロフォトニクスや通信用光集積回路を中心に、トピックや注目される講演を紹介する。
(2017年9月8日掲載)
(H29-No.22)情報処理フォトニクス
相変化材料・デバイス
EPCOS2017ショート速報
須藤 祐司(東北大学)
会議名 :European Phase Change and Ovonic Symposium in 2017
開催期間 :2017年9月3日〜9月5日
開催場所 :Super-C Center, RWTH Aachen University(アーヘン、ドイツ)

-要 約-
 E-PCOSは、相変化材料の基礎科学および光記録ディスクといった応用に関して議論する場として2001年より開催されている国際シンポジウムである。現在では、不揮発性相変化メモリの実用化に伴い、その議論の中心は、相変化材料の電気的物性に移行しているが、ここ数年来、再び、アモルファス/結晶相変化に伴う光物性変化を利用した新規応用も提案されている。今回のシンポジウムにおいても、相変化材料の電気物性および光物性、また、そのアモルファス/結晶相変化メカニズムについて最新の成果が発表されると共に、最近注目を集めている超格子相変化膜に関する成果や相変化材料の新規応用についての報告があった。
(2017年 9月20日掲載)
(H29-No.23)光材料・デバイス
テーマ:光デバイス
14thGFPショート速報
藤方 潤一(光電子融合基盤技術研究所)
会議名 :14th International Conference on Group Ⅳ Photonics Conference
開催期間 :2017年8月23日〜8月25日
開催場所 :Grand Hyatt Berlin (Berlin、ドイツ)

-要 約-
 2017年8月末に開催された14th International Conference on Group Ⅳ Photonics Conferenceにおけるシリコンフォトニクス(SiPh)に関連する発表を中心に報告する。光通信およびデータセンター向けの高性能Si変調器およびSi上Ⅲ-Ⅴ化合物半導体レーザに関する報告に加えて、ガスセンシングやバイオセンシング応用に向けたGeおよびSiNx導波路をベースとした中赤外フォトニクスデバイスが多く報告された。招待講演のIntelは、量子井戸構造のレーザ活性層をSOI(silicon-on-insulator)基板上に貼り合せて、25 mW程度のレーザ出力を110℃まで実証したこと、またSi導波路との光結合損失が0.5 dB程度であることを報告し、Si上へのレーザ実装技術の完成度に注目が集まった。SiPhトランシーバベンダであるLuxteraは、台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)の300 mmラインで、高性能(>50 GHz)なGe受光器をはじめとして、SiPh回路の生産を立ち上げていることを紹介し、先端CMOS電子回路と組み合わせて、SiPhの市場規模が今後益々大きくなることを印象付ける内容であった。
(2017年 9月25日掲載)
(H29-No.24)光エネルギー
テーマ:太陽光−化学エネルギー変換
SolarFuel17ショート速報
藤井 克司(北九州市立大学)
会議名 :Material and Device Innovations for the Practical Implementation of Solar Fuels
開催期間 :2017年9月4日〜9月6日
開催場所 :the UAB-Casa Convalescència(Barcelona、スペイン)

-要 約-
 SolarFuel17は今年6回目となる太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換する技術について議論する会議である。昨年も同様の関連会議と一緒に行う開催形式であったが、今年からは、”nanoGe September meeting”という名称が付加され、関連会議とより緊密な関係をもって開催されるようになった。本会議は本当の意味での太陽光−化学エネルギー変換に対する有望な技術を議論する数少ない会議である。参加者は80名程度で昨年の2/3程度であったが、以前と変わらず招待講演を中心に構成されているうえ、通常の口頭発表がパラレルになったため、口頭発表件数が増加した。今回は、会議の主催者が材料寄りの人であったせいか、システム系の発表は少なく、材料系の、特に固体液体界面反応の発表が多くみられた。また、二酸化炭素還元について の発表が増加しているのも特徴といえる。水の酸化反応等の電極表面の解析に関しては一定の進捗を見せているものの、二酸化炭素還元はかなり迷走気味であり、今後のブレークスルーが待たれる。
(2017年 9月29日掲載)
(H29-No.25)情報処理フォトニクス
テーマ:光インターコネクト・集積デバイス
ECOC2017ショート速報
鈴木 恵治郎(産業技術総合研究所)
会議名 :43rd European Conference and Exhibition on Optical Communication
開催期間 :2017年9月17日〜9月21日
開催場所 :The Swedish Exhibition & Congress Centre(Gothenburg、スウェーデン)

-要 約-
 ECOCは光通信技術全般に関する国際会議であるが、本報告ではその中で光インターコネクトデバイス関連技術について報告する。ECOCは場所がヨーロッパということもあり、完成度の高いInP系の集積光回路の発表が目立つが、今回はHighly ranked papersを日本からのグループが独占しており、かなり大きな存在感を示していた。光トランシーバ、集積デバイス関連は聴講者が非常に多く、ほぼ全てのセッションで立ち見が出るような状況で、関心の高さを維持していると感じた。1 mW/Gbpsを切るような低消費電力化や1 Tbps/λの伝送容量が発表されるなど、主にデータセンタ向けに精力的に研究開発が進められている。
(2017年 10月2日掲載)
(H29-No.26)光情報通信
テーマ:光アクセス
ECOC2017ショート速報
斧原 聖史(三菱電機)
会議名 :43rd European Conference and Exhibition on Optical Communication
開催期間 :2017年9月17日〜9月21日
開催場所 :The Swedish Exhibition & Congress Centre(Gothenburg、スウェーデン)

-要 約-
 光通信技術に関する世界的国際会議の一つであるECOC2017にて報告された光アクセス分野のトピックスを紹介する。 第5世代移動通信システム(5G)のモバイルフロントホールでは、CPRIが要求する伝送容量の削減に関する報告が多数見られた。また、昨年に引き続きデータセンタ向け光トランシー バとの光デバイス共用による低コスト化を見据えた25Gbps PON技術に関して多くの報告がなされ、クロックリカバリ技術や、PAM4に関して進展が見 受けられた。また、将来のアクセスネットワークについては、長距離PONシステムやコヒーレントPONシステムに関する報告がなされ、アクセスネットワークに特化したDSPの小回路規模化やバースト信号をコヒーレント受信する際の信号処理に関する議論が活発に行われた。
(2017年 10月3日掲載)
(H29-No.27)光材料・デバイス
テーマ:赤外・ミリ波・テラヘルツ
IRMMW-THz2017ショート速報
諸橋 功(情報通信研究機構)
会議名 :42nd International Conference on Infrared, Millimeter and Terahertz Waves
開催期間 :2017年8月27日〜9月1日
開催場所 :Cancun International Convention Center(Cancun、メキシコ)

-要 約-
 ミリ波・赤外・テラヘルツ領域の国際会議であるIRMMW-THz2017に参加し、最新技術を調査した。この会議はテラヘルツ領域全般をカバーしており、超高速分光などの基礎研究から、信号源や検出器などの各種デバイス開発、テラヘルツ計測システム開発、イメージングや無線通信などの各種応用など多岐に渡る講演がなされた。その中でも、テラヘルツの応用技術としてテラヘルツイメージングや高速無線通信のセッション、および高周波デバイス関係 のセッションの中で筆者が興味を持った講演について報告する。
(2017年 10月11日掲載)
(H29-No.28)光情報通信
テーマ:光ファイバ
ECOC2017ショート速報
佐々木 雄佑(フジクラ)
会議名 :43rd European Conference and Exhibition on Optical Communication
開催期間 :2017年9月17日〜9月21日
開催場所 :The Swedish Exhibition & Congress Centre(Gothenburg、スウェーデン)

-要 約-
 ECOC2017における光ファイバ関連のトピックスを紹介する。光ファイバ関連では、近年の学会動向と同様に空間多重関連の報告が半分以上を占めた。ポストデッドラインセッションでは、空間多重を用いたファイバ一本当たりの伝送容量が初めて10Pbpsを超えたことが報告された。この他、増幅用ファイバ、微細構造ファイバなどの着実な進捗が報告された。
(2017年 10月12日掲載)
(H29-No.29)光情報通信
テーマ:光ネットワーク
ECOC2017ショート速報
亀谷 聡一朗(三菱電機)
会議名 :43rd European Conference and Exhibition on Optical Communication
開催期間 :2017年9月17日〜9月21日
開催場所 :The Swedish Exhibition & Congress Centre(Gothenburg、スウェーデン)

-要 約-
 ECOC2017における光ネットワーク分野に関する技術動向を報告する。本年においてはエラスティック光ネットワーク(EON)のようなこれまで議論されてきた技術の実装に向けた取り組みに加え、移動通信システムを基軸としたアクセス−メトロネットワークの統合やデータセンタ内ネットワークといった新たな適用領域に対する取り組みが活発化している。加えて、新たな技術潮流である機械学習/人工知能に対し、その適用について強い関心が寄せられている。Post Deadlineでは空間多重技術の議論が中心となったが、光ネットワーク分野も例外ではなく、大容量化を実現するための運用が議論の的となった。
(2017年 10月12日掲載)
(H29-No.30)光情報通信
テーマ:基幹伝送
ECOC2017ショート速報
高橋 英憲(KDDI総合研究所)
会議名 :43rd European Conference and Exhibition on Optical Communication
開催期間 :2017年9月17日〜9月21日
開催場所 :The Swedish Exhibition & Congress Centre(Gothenburg、スウェーデン)

-要 約-
 ECOC2017での基幹伝送に関連する報告動向を紹介する。シングルコア・シングルモードファイバ(SC-SMF)伝送では、Probabilistic shaping(PS)やGeometric shaping(GS)のConstellation shaping(CS)変調方式の報告が数多く見られ、これまでの世界最大の容量距離積を凌駕する51 Tb/s、17,000 km伝送が報告された。一方で空間分割多重(SDM)伝送方式では、空間多重数が100を超えるマルチコア・マルチモードファイバの適用により世界初の10ペタビット/秒伝送が報告され、光通信もコンピュータと同様に「京」の時代に突入した。さらにSDM技術の応用先として光海底ケーブル長距離伝送への提案動向がみられた。
(2017年 10月16日掲載)
(H29-No.31)光エネルギー
テーマ:評価技術
EUPVSEC2017ショート速報
菱川 善博(産業技術総合研究所)
会議名 :33rd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition 2017
開催期間 :2017年9月25日〜9月29日
開催場所 :RAI Convention & Exhibition Centre(Amsterdam、オランダ)

-要 約-
 欧州で毎年開催されている太陽光発電分野の国際会議が、今回はオランダのアムステルダムで開催された。会議への参加者は1,864名、発表論文数は1,107件、(昨年のミュンヘン会議は同約1,742名、約1,053件)と、太陽電池の会議として世界最大規模である。新材料、結晶シリコン太陽電池、薄膜太陽電池、集光型・宇宙用太陽電池、モジュール性能・信頼性・BOS、PVシステム、経済性・市場・政策と、太陽電池に関わるほぼ全ての分野で発表と議論が行われた。近年の太陽電池産業の傾向を反映して、システム・評価等の応用寄りの内容が増えているが、新材料や新構造の議論も活発である。ここでは主に筆者が専門の性能評価関係の内容について述べる。
(2017年 10月20日掲載)
(H29-No.32)光加工・計測
テーマ:固体レーザ光源
ASSL2017ショート速報
桂 智毅(三菱電機)
会議名 :Advanced Solid State Lasers Conference
開催期間 :2017年10月1日〜10月5日
開催場所 :Convention Center Nagoya(名古屋、日本)

-要 約-
 2017年10月1日〜5日に、名古屋国際会議場で開催された固体レーザ関連の国際会議ASSLにおける固体レーザ光源に関する技術動向を報告する。超短パルスレーザのコヒレント結合及びコヒレントパルススタッキング、導波路レーザやマイクロチップレーザの高性能化において興味深い報告があった。本学会の開催期間中に重力波観測(LIGO)のノーベル物理学賞受賞が発表され、同プロジェクトをスタンフォード大で主導し本学会でも基調講演したByer氏を祝う会が催されるなど盛況であった。
(2017年 10月26日掲載)
(H29-No.33)光ユーザインタフェース
テーマ:MR・AR
ISMAR2017ショート速報
宍戸 英彦(筑波大学)
会議名 :2017 IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality
開催期間 :2017年10月9日〜10月13日
開催場所 :La Cité, Nantes Events Center(Nantes、フランス)

-要 約-
 国際会議IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality(ISMAR)は複合現実感に関する国際会議であり、今年はフランスのナントにて開催され、参加者は約342名、オーラル発表33件、ポスター発表121件、デモ発表16件が報告されている。中でも、カメラトラッキングや医用および工業アプリケーションへの適用事例など、MR/AR分野の幅広いテーマの研究が取り組まれている。本稿では、ISMAR2017の概要及び受賞された論文を中心に最新の研究を紹介する。
(2017年 11月10日掲載)
(H29-No.34)光加工・計測
テーマ:レーザ加工
ICALEO2017ショート速報
鷲尾 邦彦(パラダイムレーザーリサーチ)
会議名 :36th International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics
開催期間 :2017年10月22日〜10月26日
開催場所 :Sheraton Atlanta(Atlanta、GA、米国)

-要 約-
 ICALEOは、LIA(米国レーザ協会)の主催により年1回開催されるレーザ加工分野で世界最大級の国際会議である。ドイツからの講演件数が60件と全体の約33%を占め、昨年に引き続き、ドイツのシェアはダン突であった。なお、今回は中国の躍進が目覚ましく、中国の講演件数は29件で、シェアは約16%に高まった(昨年は9.3%)。クロージングプレナリーセッションにて金属のアディティブマニュファクチャリング(AM)に関して2件の講演がなされるなど、AM分野への期待が強まっている。電気自動車への対応などのためか、アルミなど車体軽量化用材料の加工や、銅の加工、電池材料へのレーザ応用などが活発化している。これに伴い、高輝度な青色レーザを用いた銅のコーティングや溶接などの新技術が注目されている。
(2017年 11月15日掲載)
(H29-No.35)光ユーザインタフェース
テーマ:ディープラーニング
ICCV2017ショート速報
岡山 健(産業技術総合研究所)
会議名 :International Conference on Computer Vision
開催期間 :2017年10月22日〜10月29日
開催場所 :Venice Convention Center(ベネチア、イタリア)

-要 約-
 ICCV2017は隔年で開催される、コンピュータビジョンの分野では世界で最も権威のある国際会議の一つである。本年度は、621件の発表がチュートリアルやワークショップも含めると8日間に渡って行われ、参加者も前回比+113%の3,107名と、近年のディープラーニングのブームにより注目が集まっている会議である。実際に発表の内容もディープラーニングに関連する研究がほとんどであった。本報告では、ディープラーニングに関連する研究のトレンドと注目研究を何点か紹介する。
(2017年 12月2日掲載)
(H29-No.36)情報処理フォトニクス
テーマ:相変化材料・デバイス
PCOS2017ショート速報
斎木 敏治(慶応大学)、桑原 正史(産総研)
会議名 :The 28th Symposium on Phase Change Oriented Science
開催期間 :2017年11月16日〜11月17日
開催場所 :熱海ニューフジヤホテル(熱海、日本)

-要 約-
 PCOS(Phase Change Oriented Science)では、レーザパルスや電流パルスにより生じる「物質の可逆的相変化(構造変化)」を主な対象とする。相変化材料の開発、相変化現象の構造面からの解明、メモリーからスイッチデバイスといった基礎から応用まで幅広いテーマでの発表、討議が行われた。PCOS2017では、昨年、論文賞を授賞された東大の野村教授が特別講演として微細構造による熱伝導制御について話された。その他、15件のオーラル講演、9件のポスター講演があった。カルコゲン超格子を用いたメモリーやTHz光源デバイス、光通信用スイッチ素子の開発、電子や格子構造からの相変化機構の解明、熱電変換素子の材料開発及び評価、コヒーレントフォノン観測によるトポロジカル絶縁体の解明、メモリーのアーチテクチャーの検討、高温熔融の相変化材料の光学的特性と第一原理による特性解明といった発表がされた。PCOS2017 oral awardにはKirillら(産総研)の「GeTe/Sb2Teのカルコゲン超格子のマルチレベルスイッチ現象」に関する論文、PCOS2017 poster awardには中村ら(慶大)の「電流駆動による光通信用相変化光スイッチ素子開発」に関する論文が選ばれた。
(2017年 12月7日掲載)
(H29-No.37)情報処理フォトニクス
テーマ:ホログラフィ
IWH2017ショート速報
最田 裕介(和歌山大学)
会議名 :International Workshop on Holography and Related Technologies 2017
開催期間 :2017年11月22日〜11月24日
開催場所 :プラザヴェルデ(沼津、日本)

-要 約-
 2017年11月に静岡県沼津市のプラザヴェルデを会場に開催されたホログラフィ技術とその関連分野に関する国際会議International Workshop on Holography and Related Technologies 2017(IWH2017)において、招待講演、一般口頭・ポスター講演、およびデモ展示がおこなわれ、国内外の当該分野の第一線で活躍する研究者による活発な議論が展開された。会議名の通りホログラフィを中心とした幅広い分野の研究動向についての発表があったことに加え、日本マイクロソフトによるHoloLensの体験、エガリム株式会社によるホログラム記録露光体験の2件のデモ展示が催され、多くの参加者が体験するなど非常に盛況であった。
(2017年 12月13日掲載)
(H29-No.38)情報処理フォトニクス
テーマ:マイクロオプティクス
MOC2017ショート速報
石川 裕士(日本電信電話株式会社)
会議名 :22nd Microoptics Conference
開催期間 :2017年11月19日〜11月22日
開催場所 :東京大学 生産技術研究所(東京、日本)

-要 約-
 MOCは、微小光学研究会が毎年開催する、微小光学関連分野全般を扱う国際会議である。今回の参加者は251名で、口頭発表とポスター発表を合わせて169件の発表があった。発表者は微小光学関連分野から幅広く集まってきており、セッション自体が1つしかないという事もあって、微小光学関連分野の最新動向をチェックするために最適な会議となっている。今年は第1回のMOC開催から数えて30年目の節目の年という事で、記念シンポジウムも開かれた。
(2017年 12月21日掲載)
(H29-No.39)光ユーザインタフェース
テーマ:LCD関連
IDW'17ショート速報
佐藤 博茂(メルクパフォーマンスマテリアルズ)
会議名 :The 24th International Display Workshops
開催期間 :2017年12月6日〜12月8日
開催場所 :Sendai International Center(仙台、日本)

-要 約-
 IDW’17は今年で24年目を迎える国際ディスプレイワークショップで、ディスプレイとその関連技術について毎年活発な議論が行われている。今回のIDWでは、LCD関連技術に対しては、更なる高コントラスト、高速応答、高透過率化等の特性改善の報告が盛況で、LCDがすでに成熟した産業で近年ではOLEDが注目を集める中でも、まだまだ改良の余地が残されている印象を受けた。また、曲面プラスチックLCD、偏光板が必要ない透明ディスプレイについて完成度の高い試作が報告され、LCDをベースとした新しいタイプのディスプレイ開発が今後も活発に行われていくであろうことが期待できる会議であった。
(2017年 12月25日掲載)
(H29-No.40)光ユーザインタフェース
テーマ:OLED関連
IDW'17ショート速報
中 茂樹(富山大学)
会議名 :The 24th International Display Workshops
開催期間 :2017年12月6日〜12月8日
開催場所 :Sendai International Center(仙台、日本)

-要 約-
 第24回International Display Workshops(IDW’17)が12月6日から仙台国際センターにて開催された。OLEDワークショップは2001年のトピカルセッションから始まり、今年で17回目である。今年はオーラルセッションとしてディスプレイ技術、照明応用、デバイス技術、材料などの分野でセッション構成され、特に材料に関する招待講演が多数組み込まれた。これらの内容を中心について報告する。
(2018年 1月25日掲載)
(H29-No.41)光エネルギー
テーマ:太陽光発電
PVSEC-27ショート速報
山田 明(東京工業大学)
会議名 :The 27th International Photovoltaic Science and Engineering Conference
開催期間 :2017年11月12日〜11月17日
開催場所 :Lake Biwa Otsu Prince Hotel(大津、日本)

-要 約-
 2017年11月に開催されたPVSEC会議の報告をまとめる。会議における発表件数は768件、参加者数は868名であった。カネカからはバックコンタクト型ヘテロ接合太陽電池において26.7%、同モジュールにて24.5%の世界最高効率が報告された。またJinko Solar(中国)は、p型単結晶基板を用いたPERCセルにて22.78%を達成した。ソーラーフロンティアはCu(InGa)(SSe)2太陽電池にCsF処理を適用することにより、会議発表後の産総研における認証値として22.9%の世界最高効率を報告した。会議参加者からは、2017年に開催された日米欧の国際会議において、最も学術的な会議であったとの感想を頂いた。
(2018年 2月21日掲載)
(H29-No.42)光材料・デバイス
テーマ:光超音波センシング
PW2018 BiOSショート速報
田中 雄次郎(日本電信電話株式会社)
会議名 :SPIE Photonics west 2018
開催期間 :2018年1月27日〜2月1日
開催場所 :The Moscone Center(San Francisco、CA、米国)

-要 約-
 Photonics WestはSPIE主催により北米で開催され、毎年2万人以上の参加者が集まる光全般に関する国際会議であると同時に見本市である。大きくバイオメディカル関連のBiOS、レーザ関連のLASE、オプトエレクトロニクス関連のOPTOの3つのカテゴリで構成され、光関連の幅広い分野をカバーする。近年、光の分野においてもバイオ・センシングをキーワードとする研究が盛んに行われるようになっており上記3分野に関係なく、BiOS以外の展示においてもセンシング系の展示が多く見受けられる。研究のフェーズは様々であるが目指している具体的な応用先を明確にしている発表が多く見受けられる。
(2018年 3月27日掲載)
(H29-No.43)情報処理フォトニクス
テーマ:光インターコネクト
PW2018ショート速報
横山 士吉(九州大学)
会議名 :SPIE Photonics west 2018
開催期間 :2018年1月27日〜2月1日
開催場所 :The Moscone Center(San Francisco、CA、米国)

-要 約-
 Photonics Westは世界最大規模の光技術関連の会議であり、光インターコネクトの関連では光通信技術の高速・大容量化、及び新デバイス開発などの最先端技術の研究報告がなされている。従来の通信系技術に加えて、データセンタやIoTなど膨大な情報伝送を必要とする応用への対応が迫られ、Photonics Westにおいても重要なトピックスとなり関連のセッションが立ち上がっている。本報告では光インターコネクトを中心にシリコンフォトニクス、ナノフォトニクス、光変調器、スイッチなどの最新動向について報告する。
(2018年 3月27日掲載)
(H29-No.44)光情報通信
テーマ:光アクセス
OFC2018ショート速報
松本 怜典(三菱電機)
会議名 :The Optical Networking and Communication Conference & Exhibition 2018
開催期間 :2018年3月11日〜3月15日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 2018年3月11日〜15日(米国)に開催されたOFC2018における光アクセス関連技術のトピックスを紹介する。第5世代移動体通信(5G)およびモノのインターネット(IoT)の基盤を支えるべく、本会議では低遅延光アクセス技術や大容量PON技術が多く報告された。特に、100G-EPONをターゲットとした報告が多く、50Gb/s/λのPAM-4が注目を集めた。また、ワークショップ含め各セッションでは、コヒーレントPONが次世代PON技術として盛んに議論された。PONの適用先がFTTHから第5世代移動体通信を含める中で、技術トレンドも従来のOOKから多値変調に変わりつつある。
(2018年 3月28日掲載)
(H29-No.45)光情報通信
テーマ:光アクセス
OFC2018ショート速報
古川 英昭(情報通信研究機構)
会議名 :The Optical Networking and Communication Conference & Exhibition 2018
開催期間 :2018年3月11日〜3月15日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 OFC2018の光ネットワーク関連のトピックスを報告する。今回の注目すべき点として、オープン化とディスアグリゲーションの光トランスポートへの適用を目指したプロジェクトが活発化しており、各コミュニティからの発表に注目が集まっていた。また、5Gサービスを収容するモバイル・光統合ネットワークのアーキテクチャや一体化制御技術への関心も高かった。さらに、空間多重光ネットワーク向けの資源制御技術、光スイッチング技術などが報告された。また、AI/機械学習を光信号品質向上やネットワーク制御自動化に向けて適用する多くの試みがなされており、適用可能性について多面的に検討が進められていた。
(2018年 3月28日掲載)
(H29-No.46)光情報通信
テーマ:基幹光伝送
OFC2018ショート速報
竹下 仁士(NEC)
会議名 :The Optical Networking and Communication Conference & Exhibition 2018
開催期間 :2018年3月11日〜3月15日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 2018年3月11〜15日に、米国サンディエゴにてOFC2018が開催された。OFC2018にて発表・議論された光基幹伝送分野の研究開発成果から、特徴的な研究動向を中心にまとめる。陸上では、これまであまり動きの無かった高ボーレート化に動きが感じられた。空間多重伝送はコア数拡大が一段落し、伝送距離拡大やスペクトル利用効率向上に向かっていると思われる。光海底伝送システムでは、光ケーブルのオープン化の流れとともに、L帯や空間多重伝送利用の関心が増していると思われる。今後の動向が注目される。
(2018年 3月29日掲載)
(H29-No.47)光情報通信
テーマ:光ファイバ
OFC2018ショート速報
高橋 正典(古河電気工業)
会議名 :The Optical Networking and Communication Conference & Exhibition 2018
開催期間 :2018年3月11日〜3月15日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 OFC2018における光ファイバ関連のトピックスを紹介する。空間分割多重伝送技術に関連する報告が最も多く、筆者による分類では、光ファイバ関連の報告数のおよそ6割を占めた。また、シングルモードファイバや、マルチモードファイバ等の空間多重伝送用以外のファイバも報告された。さらに、高非線形ファイバを利用した、非線形応用や、光増幅に関する検 討も活発に行われたほか、伝送用途以外の特殊ファイバも報告された。
(2018年 4月2日掲載)
(H29-No.48)光エネルギー
テーマ:信頼性向上技術
PVRW2018ショート速報
櫻井 啓一郎(産業技術総合研究所)
会議名 :Photovoltaics Reliability Workshop 2018
開催期間 :2018年2月27日〜3月1日
開催場所 :Lakewood Denver West Sheraton(Lakewood、CO、米国)

-要 約-
 PVRWは、米国の国立研究所であるNational Renewable Energy Laboratory(NREL)を中心として開催される、太陽光発電設備の信頼性向上をテーマと したワークショップである。参加者がそれぞれ何らかの技術やノウハウを発表・共有することが原則として義務づけられており、200人程度の規模ながら非常に内容が濃く、信頼性向上技術や関連国際規格の策定状況等について短期間で概観できる場となっている。本報告ではワークショップにおける講演や議論の中から、筆者が関心を持ったものを中心に報告する。
(2018年 4月9日掲載)
(H29-No.49)情報処理フォトニクス
テーマ:短距離光通信
OFC2018ショート速報
兼田 幹也(住友ベークライト)
会議名 :The Optical Networking and Communication Conference & Exhibition 2018
開催期間 :2018年3月11日〜3月15日
開催場所 :San Diego Convention Center(San Diego、CA、米国)

-要 約-
 2018年3月に開催されたOFC2018における短距離光通信に関連するトピックスを報告する。今回も近年の傾向と同様に、学会発表ではシリコンフォトニクスに関する議論が活発であり、シリコンフォトニクス技術の適用範囲拡大に向けた低消費電力化技術等への注目が高まっている。展示会場では400Gへ向けた製品開発が着実に進められている様子が印象的であった と同時に、オンボード光トランシーバのシンポジウムは立ち見となるほど盛況となるなど、本分野への関心の高さがうかがわれた。最後に今後民生用途や産業用途への利用が期待されるPOF(Plastic Optical Fiber)に関する動向を簡単に紹介する。


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