第16回櫻井健二郎氏記念賞
(2001年 5月 8日掲載)

 第16回 櫻井賞 川上氏およびソニーグループに



櫻井健二郎氏記念賞受賞者(協会創立20周年記念式典にて)
    (写真説明)
    −前列左から−
     受賞者・川上彰二郎氏、窪田電子機器課長、岡村会長、
     田中委員長、内田副委員長、受賞者・久保田重夫氏
    −後列左から−
     灘本専務理事、受賞者・岡美智雄氏、同・江口直哉氏、
     同・田附幸一氏

第16回(平成12年度)櫻井健二郎氏記念賞は、東北大学の川上彰二郎氏およびソニー株式会社・久保田重夫氏、江口直哉氏、岡美智雄氏、田附幸一氏の2件、5名に授与された。
櫻井健二郎氏記念賞は、当協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業の振興に果たされた功績を称えると共に、光産業および技術の振興を図ることを目的として創設されたもので、過去15回の表彰で14名、14グループ、延べ56名が受賞している。
今年度第16回の櫻井賞は、光産業および光技術の分野において先覚的役割を果たした1995年以降の業績を対象に、応募19件の中から厳正に選考された。
受賞の栄に輝いた川上氏の受賞理由は『周期的構造を有するフォトニック結晶の重要性に着目し、半導体技術を応用した独自の多層成長技術(自己クローニング法)を開発、さらにその大きな波長分散性や異方性等の特性を利用する光フィルタ、合分波器、偏光素子等の新しい応用分野を拓き、次世代超小型光デバイス等の研究開発に多大な貢献をした』というものである。
一方の久保田氏、江口氏、岡氏、田附氏の受賞理由は『ベータ硼酸バリウム単結晶育成プロセスの改善、超精密電磁アクチュエータを含む光共振器サーボ機構の開発と光学パラメータの最適化により、半導体レーザ励起Nd-YAGレーザを用いる外部共振器型第四高調波発生装置を開発し、安定かつ信頼性のある連続出力30mWの紫外波長266nmの光源を実現、光ディスクや半導体製造分野等への産業応用に多大な貢献をした』である。
5氏に対する表彰は、12月5日の第20回光産業技術シンポジウム後に行われた協会創立20周年記念式典の席上、櫻井健二郎氏記念賞委員会委員長田中昭二氏(超電導工学研究所長)から経過報告と受賞者の発表が行われ、当協会 岡村 正会長((株)東芝代表取締役社長)から賞状、メダル、賞金がそれぞれに手渡されて行われた。
受賞者を代表して川上彰二郎氏と久保田重夫氏からそれぞれ下記のような挨拶があった。


川上彰二郎氏
光協会創立20周年記念という大変おめでたい席で櫻井賞を授与頂き光栄に思う。今回の受賞対象であるフォトニック結晶の研究は数年前から手掛けた研究であり、最近の仕事に対して受賞したことに関して大変感激している。これからもこの受賞に励まされ若い研究者と刺激しあいながら研究を続けていく所存である。櫻井賞選考委員、光協会、ならびに東北大・産業界の共同研究者の皆様に感謝申し上げる次第である。
久保田重夫氏
検査機光源としての266nmのレーザは、露光機光源の248nmに整合し、デザインルールにマッチしたディフェクト規格で検査するための光源として最適である。この光源開発には10年位の非線形光学のバックグラウンドを必要としたが、BBO結晶を独自の製法で開発し、高信頼性を達成した。最近の結晶は、連続運転で1年間位無故障で品質が維持されるレベルに達している。この受賞を機に、半導体のグロースパースに適合するようなサブナノメートル固体連続光源を開発し、次世代の0.13nmライン&スペースデバイス開発に貢献したい。
なお、受賞者各位の略歴は下記の通りである。

川上彰二郎氏
1960年 東京大学工学部電気工学科卒業。1966年 東北大学電気通信研究所助教授、1979年 東北大学電気通信研究所教授、2000年 東北大学電気通信研究所名誉教授。光ファイバ型デバイスの研究、フォトニック結晶の研究に従事。現在東北大学未来科学技術共同研究センター客員教授。工学博士。

久保田重夫氏
 1971年 東京大学工学部物理工学科卒業。同年ソニー株式会社入社。1991年 主幹研究員、久保田研究室発足。全固体紫外レーザとその応用検査装置の研究に従事。現在、ソニー株式会社執行役員。工学博士。

江口直哉氏
 1978年 東京農工大学工学部応用物理学科卒業。1981年 ソニー株式会社入社。
全固体紫外レーザ及び応用装置の研究に従事。現在、ソニー株式会社コアテクノロジー&ネットワークカンパニー・コアテクノロジー開発本部・久保田研究室主任研究員。

岡美智雄氏
 1981年 京都大学理学部物理系卒業。同年 ソニー株式会社入社。全固体紫外レーザ及び応用装置の研究に従事。現在、ソニー株式会社V-S2Project主任研究員。工学博士

田附幸一氏
1977年 東京工業大学工学部科学工学科卒業。1979年 ソニー株式会社入社。全固体紫外レーザ及びその応用装置の研究に従事。現在、ソニー株式会社コアテクノロジー&ネットワークカンパニー・コアテクノロジー開発本部・久保田研究室課長。

櫻井賞受賞者リスト

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