第17回櫻井健二郎氏記念賞
(2002年 5月21日掲載)

 第17回 櫻井賞 太陽誘電、古河電工の2グループに



櫻井賞受賞者記念写真
    (写真説明)
    (前列左から)
     浜田 恵美子(受賞者:太陽誘電株式会社)
     内田 禎二 (櫻井健二郎氏記念賞委員会 主査)
     田中 昭二 (櫻井健二郎氏記念賞委員会 委員長)
     灘本 正博 (光産業技術振興協会 専務理事)
     粕川 秋彦 (受賞者:古河電気工業株式会社)

    (後列左から)
     石黒 隆  (受賞者:太陽誘電株式会社)
     伊地知 哲朗(受賞者:古河電気工業株式会社)
     池上 嘉一 (受賞者:古河電気工業株式会社)
 第17回(2001年度)櫻井健二郎氏記念賞は、太陽誘電株式会社の浜田恵美子氏、石黒隆氏および古河電気工業株式会社の粕川秋彦氏、伊地知哲朗氏、池上嘉一氏の2グループ、5氏に授与された。
櫻井健二郎氏記念賞は、当協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業の振興に果たされた功績を称えると共に、光産業および技術の振興と啓発を図ることを目的として創設されたもので、過去16回の表彰で15名、15グループ、延べ61名が受賞している。
今年度の櫻井賞は、光産業および光技術の分野において先覚的役割を果たした1996年以降の業績を対象に、応募11件の中から厳正に選考された。
受賞の栄に輝いた浜田氏、石黒氏の受賞理由は『高屈折率、低吸収係数を有する色素により記録層に干渉構造を形成するという画期的発想で、CDと完全互換性を有する有機色素使用の記録可能CD(CD-R)を開発、経済性に優れた大容量記録媒体を可能ならしめ、この分野の世界的標準技術としてCD-R自身の普及のみならず、光産業市場拡大に多大な貢献をした』というものである。
一方の粕川氏、伊地知氏、池上氏の受賞理由は『光ファイバ増幅器の励起用レーザ(波長1480 nm および980 nm)として、独自に設計した歪補償型量子井戸活性層を導入し、結晶欠陥の少ない生産性に優れた結晶成長法を確立して世界最高の高出力動作と量産化を実現、波長多重(WDM)技術を用いた大容量光ファイバ通信システムの発展・普及に多大な貢献をした』というものである。
5氏に対する表彰は、昨年12月5日に開催された第21回光産業技術シンポジウムの席上行われ、櫻井健二郎氏記念賞委員会委員長田中昭二氏(超電導工学研究所長)から経過報告の後、同委員長より賞状、メダル、賞金が受賞者それぞれに手渡された。
なお、受賞者各位の略歴は以下の通りである。
    浜田恵美子氏
    1984年 京都大学大学院理学研究科修士修了。同年 太陽誘電株式会社入社。以来、CD-Rの研究に従事。現在、太陽誘電株式会社 事業戦略企画部 主席研究員。工学博士。

    石黒 隆氏
    1982年 東京工業大学 理工学研究科博士課程修了。同年 太陽誘電株式会社入社。以来、CD-Rの研究に従事。

    粕川秋彦氏
    1984年 東京工業大学電子物理工学専攻修了。同年 古河電気工業株式会社入社。以来、通信用半導体レーザの研究開発に従事。現在 同社横浜研究所 半導体研究開発センター長兼WAチーム長。 工学博士。

    伊地知哲朗氏
    1984年 東京大学工学系研究科修了。同年 古河電気工業株式会社入社。以来、光半導体素子、レーザモジュールの開発、生産技術に従事。現在 同社ファイテル製品事業部 光デバイス部 部長補佐。

    池上嘉一氏
    1984年 慶應義塾大学大学院工学研究科修了。同年 古河電気工業株式会社 入社。
    以来、光半導体素子、レーザモジュールの開発、生産技術に従事。現在 同社ファイテル製品事業部 光デバイス部 部長補佐。


■受賞者代表挨拶 ■


浜田恵美子氏
 5.25インチ追記型光ディスクで日本初の標準化が開始された年として記念すべき1985年に、今回受賞対象となったCD-Rの開発を開始し、1988年に開発に成功した。以来、13年が経過し、生産規模で年間55億枚に達するまで発展して、世界各国で生産され、また日本でも継続して生産されていることを非常に喜んでいる。
CD-Rの開発・普及にあたって、いろいろな方々にご指導・ご支援を頂いたことに、改めて御礼申し上げるとともに、発展を続ける日本発のメディアを今後もご支援頂くようお願いする。
粕川秋彦氏
 受賞対象となった1480 nm、980 nm帯励起レーザは、北米中心に花開いたWDM用の励起光源として用いられるものである。
励起レーザの歴史を考えると、本格的に開発のトリガがかかったのは1988〜1989年であるが、当初は開発の方向性が明確でなかった。幸い近い部署でEr-doped Fiber を担当しており、この波長帯の高出力レーザの要望がトリガとなった。通信用と違い、当時100倍以上の高出力・高信頼性を要求されたが、今回の受賞者3人で研究開発から事業化までを担当した。
今後は大容量化対応のラマンアンプへの応用が期待されており、この分野の開発を通じて一層産業界に貢献していきたい。

櫻井賞受賞者リスト

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