光産業技術マンスリーセミナー

*** 2020プログラム紹介 ***

No.
開催日
講演テーマ / 講師
No.448

9/29
(火)

「原発性悪性脳腫瘍に対する光線力学的療法の確立と今後の展望」

東京医科大学 脳神経外科学教室
 教授・医学博士秋元 治朗 氏
(内容)
    膠芽腫は、その周囲脳への浸潤性質、脳の機能局在性などの理由により、手術にての全摘出が不可能である。術後放射線治療や化学療法などの、高度に専門化された医療を施しても、1年生存率62%、5年生存率8%という極めて予後不良の癌腫である。私は腫瘍細胞特異的集積性を持つ光感受性物質と、その励起レーザー光を用いる光線力学的療法にその活路を求めてきた。10年余の基礎、臨床研究の後に、本邦初の複合型医師主導治験を完遂し、世界に類を見ない治療成績を得て、2013年に保険承認を獲得した。本講演では光という武器を持った脳神経外科医が膠芽腫と戦ってきた過去、そして膠芽腫治療への貢献度についての現状、そして今後の展望に言及する。
No.449

10/27
(火)

「目に見えない光が切り拓く「光の世紀」〜次世代のレーザー「光コム」〜」

徳島大学 ポストLEDフォトニクス研究所
 所長・教授安井 武史 氏
(内容)
    21世紀は『光の世紀』と呼ばれ、光を用いない日常生活はもはや考えられない。また、最先端研究でも、光に関連したノーベル賞は、21世紀(この20年間)だけでも、9件にも上る。これは、光という技術が、極めて多様性と汎用性に富んでおり、様々な応用に適用可能であることを示唆しているが、そうすると、もはや光は使い尽くされたのであろうか? 一般に光というと可視光をイメージするが、実は光の波長範囲の大部分は、目に見えない光で占められており、目に見えない光にこそ更なる可能性があると言える。本講演では、「深紫外光」「赤外光」「テラヘルツ波」という『目に見えない光』の特徴と可能性を概略すると共に、波長適用性の広い次世代レーザー「光コム」について紹介する。
No.450

11/17
(火)

「重力波で見えてきた新しい宇宙の姿と、それを支える極限計測技術」

国立天文台 重力波プロジェクト推進室
 准教授麻生 洋一 氏
(内容)
    近年、重力波という新しい観測手段を用いることで、これまで知られていなかった新しい宇宙の姿が次々と明らかになってきました。重力波とは時空の歪みが波として伝播していく現象です。これまでにブラックホールや中性子星といった超高密度天体の合体現象からの重力波が観測されており、宇宙における重元素合成の起源など様々な科学的知見が得られつつあります。また重力波による極めて微小な時空の歪みを検出するためには、極限的な感度を持ったレーザー干渉計技術が必要となります。本講演では、重力波天文学の最新成果とそれを支える光計測技術について紹介します。
No.451

12/15
(火)

「ガラスの超高速精密加工 〜フェムト秒レーザ誘起高速現象の解明とその応用〜」

東京大学 大学院工学系研究科
 助教伊藤 佑介 氏
(内容)
    電子機器や光学機器のさらなる高性能化・低コスト化を実現するために、ガラス材料への微細加工を高速かつ精密に施す技術が求められている。微細加工が可能な技術としてフェムト秒レーザ加工が注目されているが、この手法には、加工能率が著しく低いという課題と、クラックが形成されるために精密加工が困難であるという課題が存在する。本講演では、これらの課題の生じる要因を高速現象観察と数値計算に基づき解説し、課題を克服した超高速微細精密加工法を紹介する。
No.452

1/19
(火)

「光ファイバセンシング技術の新たな展開」

横浜国立大学 大学院工学研究院
 准教授水野 洋輔 氏
(内容)
    高度経済成長期に整備された社会インフラの経年劣化や災害による損傷を診断し、 人類の安心・安全な生活に寄与するための「インフラ神経網」を実現する技術とし て、光ファイバセンサが注目を集めている。本講演では、局所的な歪や温度の空間 的な分布を計測できる分布型光ファイバセンサにおいて、各性能を桁違いに向上さ せることに成功したオリジナル技術「ブリルアン光相関領域反射計(BOCDR)」と その最新の研究動向について紹介する。また、「プラスチック光ファイバヒューズ」 という新しい物理現象と、これを応用した計測技術についても紹介する。
No.453

2/16
(火)

「光技術とバイオの融合による呼気・皮膚ガス成分の高感度計測および可視化 」

東京医科歯科大学 生体材料工学研究所
 教授三林 浩二 氏
(内容)
    呼気や皮膚ガスなどの生体ガスには、疾病や代謝に基づく血中揮発性成分が含まれることから、その高感度計測は新たな非侵襲診断・評価法として注目されている。演者らはこれまでに肝臓の薬物代謝機能に着目し、ガスの認識素子として各種酵素を用いることで、選択性に優れたガスセンサを開発してきた。さらに、光技術と融合することで、高感度な生体ガス計測および可視化計測を実現している。本講演では、センサの基礎原理を説明すると共に、脂質代謝や糖尿病の指標である呼気アセトンガスのバイオ蛍光計測、そして飲酒後に呼気や皮膚ガスに含まれるエタノール・アセトアルデヒド濃度のリアルタイム画像化などを紹介し、将来の可能性を解説する。
OITDA