光産業技術マンスリーセミナー
(2002年4月19日更新)

*** 1999プログラム紹介 ***

No.開催日講演テーマ講師(予定)
1881999年
1/26
 光情報通信用
  半導体レーザの現状と動向
NEC光・超高周波デバイス
研究所
光基礎研究部 部長
   笠原 健一 氏
(内容)
 次世代への入り口にいるこの時期において,インターネットの急激な発展は社会のパラダイムを大きく変えつつある。テラビット光通信はこのようなインターネットの爆発的需要を支える基盤であり,WDM技術と光ファイバ・アンプの広帯域化によるマルチ・テラビットへの挑戦が既に始まっている。WDMはプロトコル・フリーなネットワークを実現する可能性があり,波長を自在に制御するデバイスやスイッチがますます重要となる。海底用では超高速光技術による1万kmといった超長距離伝送の試みも続けられている。一方,オフィスではパソコンやサーバの高速化により,高速・大容量なLANや光インターコネクトが求められている。家庭への光技術導入もアクセス系といった話だけでなく,情報家電の進展によってホーム・ネットワークの話も出てきている。本講演では,このような光情報通信を支える半導体レーザやその材料に関する最近の動向について紹介する。

189 2/23
 マルチメディアの動向と
  情報記憶技術
NTT入出力システム研究所
情報応用装置研究部
グループリーダ
   山本 学 氏
(内容)
 公衆デジタル回線の普及,LAN等のネットワークの高速化,インターネットの普及などの動向に加え,高精細画像,動画像などの画動情報を効率よく伝達,蓄積するための画像符号化圧縮技術が進展している。これにより,音声,映像情報を高速に伝達でき,さらにネットワーク内に大量の情報を安価に蓄積することが可能になった。その結果,マルチメディア情報をネットワークの中に蓄積し,顧客に配信したり,多数のユーザがオンデマンドにこれを検索・利用できる双方向のマルチメディア通信サービスなどの展開も見られるようになった。本講演では近年におけるマルチメディアの動向とこのようなネットワーク型情報流通サービスを支える記憶基盤技術,システム構成についてその動向を概観する。

190 3/
 21世紀のデジタル
  コミュニテイを担う
  ケーブルTVインターネット
  の現状と動向
(株)東急ケーブルテレビジョン
取締役 通信事業部長
   有馬 尉彰 氏
(内容)
 1993年末の規制緩和によってケーブルTVは通信事業に進出出来ることになった。かってNTTの民営化に伴って出現したNCCはその事業領域を電話に代表されるNTTの通信事業を追従する型を採った。その結果は残念ながらNTTを凌駕するところまでは至っていない。一方最近の米国の情報通信分野では,たとえばレベル3の様な既存の事業者と全く異なった事業戦略を進める者が出てきて大手事業者を脅かすところまできている。
ケーブル インターネットは,日本で始めて1種事業としてNTT非追従型の通信事業としてわずかながら成功の兆しが見えてきている。日本のケーブルTVの光化は思った以上のスピードで進んでいる。わが社は,東京西南部ではNTTに次ぐアクセス網として存在している。NTTにない身軽さで21世紀のデジタル コミュニテイを担う新しいネットワークとしてより高度に発展していきたい。ciscoをはじめ東急のネットワークを司る様々な機器の運行状況も報告したい。

191 4/
 平面光波回路デバイス
日本電信電話株式会社
NTT茨城研究開発センタ
フォトニクス研究所
岡本特別研究室室長
   岡本 勝就 氏
(内容)
 インターネットの普及等による通信量の急激な増大や高度情報社会における多様な新サービス需要に即応できる柔軟な通信網の構築を目指して,波長多重(WDM)伝送方式,光アクセス方式の実用化やフォトニックネットワーキングの研究開発が進められている。 WDM伝送方式は2年前から北米で実用化され,当初の4〜16チャネルから32〜80チャネルへと急速に高度化しており,これに用いるための波長フィルタには狭チャネル間隔や低クロストークなどの厳しい要求が課せられている。
 更に,近い将来には任意波長をアド・ドロップする光Add/Drop Multiplexer (OADM)や,障害回避やネットワーキングのための回線切り替えとしての光クロスコネクト(OXC)用デバイスが必要となる。
 本講演では,世界の通信網高度化の状況,およびこれに対する石英系の平面光波回路(Planar Lightwave Circuit : PLC)デバイスやハイブリッド光集積デバイスの開発の現状,および将来の展開について紹介する。

192 5/25
 マイクロマシンの現状
東北大学
未来科学技術
共同研究センター
教授
   江刺 正喜 氏
(内容)
 半導体微細加工を用いた「マイクロマシニング」と呼ばれる技術によって,光や機械さらには機能材料などを融合し多数の異なる要素が集積化された高機能なセンサやマイクロマシンを実現することができる。これは情報機器の周辺などでシステムの鍵を握る重要な役割を果たしている。例えばセンサ・回路・アクチュエータなどの異種要素が多数分布した柔らかく動く機械,加速度センサ・ジャイロなどの集積化慣性計測システム,超小形化した高感度なセンサや各種マイクロアクチュエータなどを紹介する。 (江刺研) http://vbl.mech.tohoku.ac.jp/esashilab/staff/esashi/esashi-j.html
(NICHe 未来科学技術共同研究センター ) http://www.eng.tohoku.ac.jp/niche/ics.html

193 6/22
 変革期に来た
  イメージセンサ技術:
 CMOSディジタル技術との
  統合による
  低コスト・高機能・高密度化
東京大学
大学院工学系研究科
計数工学科 教授
   安藤  繁 氏
(内容)
 イメージセンサは,かつて撮像管を置き換え,現在また写真フィルムを置き換えようとしている。巨大なアナログVLSIであるイメージセンサの研究開発は,多く日本企業によってなされ,その製品は世界を支配してきた。イメージセンサは日本の技術の一つの金字塔でもある。しかし,米国主導の新技術のもとに,現在これが大きな変革期を迎えている。
本セミナでは,上記の研究開発の悲喜こもごもの歴史を振り返るとともに,イメージセンサ新しい展開に向けた技術開発の最先端を,いくつかの具体例によって紹介する。
(安藤研究室)http://meip6sb.t.u-tokyo.ac.jp/index-j.html
194 7/27
 超大容量光海底ケーブル
  ネットワークの最新技術動向

(株)KDD研究所
取締役
   秋葉 重幸 氏
(内容)
 光海底ケーブルネットワークはグローバルマルチメデア社会の通信インフラとして期待されており,大容量化とネットワーク化を図るために導入された波長多重伝送技術を用いたSEA-ME-WE3ケーブルや非再生中継区間が12,000-13,000kmにも及ぶ中米ケーブル(いずれもファイバ当たり20Gb/s)が建設されている。
さらに最近では,PC-1,Japan-US, TAT-14等のファイバ当たり160Gb/s級(システム容量:640Gb/s)の超大容量大洋横断システムがおよそ2000年の完成を目途に建設の途についている。
また,近年の光海底ケーブルシステムは陸揚げ局と陸揚げ局の間ではなく,海を隔てた都市と都市とを結ぶ超大容量ネットワークとして計画,建設されるようになる一方,主要トラフィックとなりつつあるIPベースの信号をWDMシステムに直接取り込むようなネットワーク技術の研究が進展しつつある。
本講演では,最近の光海底ケーブルネットワークでトピックスとなっているアーキテクチャー,超大容量伝送,ネットワーキングに関する技術動向について述べる。
195 8/24
 光産業動向

千歳科学技術大学
教授
   石田 宏司 氏
(内容)
 (財)光産業技術振興協会の調査報告書「光産業の動向」によれば,1998年(平成10)年度の光産業国内生産見込み額は,対前年比5.6%増の5兆5684億円と,前年に比べ鈍化する見通しである。これは日本経済の停滞と歩調を合わせた形で光産業全体が伸び悩んだためである。しかしながらその中でも光入出力装置など情報関連機器装置と,ディスプレイ素子,発光素子などの堅調な伸びが寄与して,他産業の伸びを上回った。昨年から始めた生産予測調査の結果によると,1999年度は1998年度に対して9.8%の伸び率が予測されている。本セミナーではこうした光産業の国内生産動向の内訳を紹介するとともに,定点観測的に捉えた光産業構造の年次推移,日本企業による光製品の海外生産状況等の比較対照等を紹介する。
196 9/28
 インターネットビジネスの
  パラダイム変化
  −IP over WDM が与えた
    インパクト−
日本シスコシステムズ(株)
エンジニアリング本部
事業企画部長
   櫻井  豊 氏
(内容)
 通信事業者は今,ユーザーのニーズに応えるために,その通信インフラへの投資を,音声サービスを中心に据えた従来型のシステムから,データを中心に音声サービスも統合可能なIPベースのシステムへと,移行を余儀なくされている。
そうしたIPベースのバックボーンをベースにしたネットワークサービス,さらにはそうしたサービスを利用した新アプリケーションやビジネスについて考察する。
具体的には,ネットワークサービスとしてはIP-VPNやインターネットQoS,IP over WDMや音声とデータの統合といったテーマについて,新ビジネスとしてはインターネット放送と電子商取引の融合,さらにはCATVやワイヤレスといった技術を活用したメガビット・トゥ・ザ・ホームの実現について議論したい。
さらに,インターネット技術者教育の一手法についても紹介する。

197 10/2
 光ファイバ増幅器の現状と
   開発動向

住友電気工業(株)
横浜研究所
   西村 正幸 氏
(内容)
 エルビウム等の希土類元素をコアに添加した光ファイバを用いて光信号を光のまま増幅する「光ファイバ増幅器」は,光通信分野における近年最大の技術的ブレークスルーのひとつである。特に,多波長の光信号を,高効率,低雑音,低歪で一括増幅できる優れた性能は,高密度波長多重(DWDM)光伝送システムの急速な進展をもたらした。
本講演では,光ファイバ増幅器の基本的な構成や性能を概説すると共に,使用可能帯域の拡大や制御動作の高度化等,特にDWDM伝送用光増幅器としての高性能化および新技術の開拓が進む最新の技術開発動向を紹介する。

198 11/24
 プラスマディスプレイの
  現状と将来

電気通信大学
電気工学科 教授
   御子柴 茂生 氏
(内容)
 対角40〜60インチのプラズマディスプレイパネル(PDP)の量産に向け,日本,韓国,および台湾では大規模な設備投資が進められている。このような動きを通じて,PDPは大形ディスプレイの本命としての地位を確立しつつある。しかしながら,家庭用テレビ市場を獲得するためには,パネル発光効率改善による消費電力の低減,CRTと同程度の画質での画像表示,インチ1万円を切る低価格化など,いくつかの課題が残されている。
本講演ではPDPの動作原理,研究・開発の現状,および残された技術課題について解説する。
199 12/14
 光技術から見たインターネット

NTTエレクトロニクス(株)
光システム事業推進準備室
室長 理事
   山下 一郎 氏
(内容)
 電話サービスの性質とインターネットサービスの性質は異なり,その性質の違いがレイヤの低いシステムの設計思想にも変化を与えている。それに引きずられて,技術開発の焦点が恣意的に,かつ,激しく動いている。インターネットを電話思想でこなすのは無理がある。
ここでは,「サービスの性質の違いが求める技術の方向(一言で言えば,高品質な蓄積データの大量輸送)」と,「実現できる技術の現状(例えば,WDM,超高速伝送,PDSなど)」との狭間に目を向けて,今後の動向を俯瞰してみよう。

OITDA