光産業技術マンスリーセミナー
(2002年4月19日更新)

*** 1998プログラム紹介 ***

No.開催日講演テーマ講師
1761998年
1/27
 マルチメディア時代の
 大容量光通信ネットワーク技術
日本電信電話(株)
NTTネットワークシステム
研究所
テラビットシステム研究部
グループリーダ
   萩本 和男 氏
(内容)
 昨年度は,幹線系に光ファイバ増幅器を用いた発の10Gbit/s級大容量光伝送システムが国内・外で実用化・導入され光ネットワーク時代の幕が開き,加入者システムではファイバが浸透しはじめ,いよいよマルチメディア時代のネットワークづくりが実際に動き出した。さらに研究レベルではテラビットに届く伝送実験が複数の機関から報告され,これを支える数テラヘルツの帯域を持つ光ファイバ増幅器技術が進展してきた。一方,サービス側から見てみると,従来の電話サービスの成長鈍化と対照的に携帯電話・PHSの爆発的普及,さらにはパソコンを通信端末として使いインターネット接続などのコンピュータ通信の急速な拡大など,使い方自体が点から点への電話から,マルチキャストな面的な通信へと大きく舵を取った象徴的な時代ともいえよう。そこにはマルチメディア時代に相応しい経済的で信頼性の高いネットワークづくりへの期待と,これを支える光通信ネットワーク技術の進展が,互いに呼応して21世紀を予感させる技術の展開がはじまっている。
 本講演では最近の内外の光通信システム技術の主なトピックスと技術の特徴を紹介し,これを支えるオプトエレクトロニクス要素技術について解説する。また,これらの技術展開と本質的なシステム性能を精査して次世代の40Gbit/sを超える光通信技術や将来の光ネットワーク時代について展望したい。

177 2/24 空間光伝送技術の動向 郵政省通信総合研究所
先端光技術研究センター長
   有賀  規氏
八木アンテナ(株)
開発センター長
   八木 建巳 氏
(内容)
 空間光伝送には,レーザ光のコヒーレンス性によるビームの鋭い指向性を利用して自由空間での狭ビームの光伝搬を行うものと,LEDのようなインコヒーレントな光ビームを利用するものとがある。光ファイバ等を利用する有線に対して空間光伝送は無線であり,有線では得られないその特長を生かして種々の技術開発が行われてきている。空間光伝送技術は主として光通信やレーザレーダ等の光計測に応用され,通信,計測ともに室内,屋外等地上での利用のみならず,宇宙での利用にも発展しており,研究や技術開発が行われている。実用面では光無線LAN,屋外無線光通信,車両情報伝送等として発展し,装置の量産化も進んでいる。またミリ波・マイクロ波等の技術と競合している面もある。本講演ではこれらの空間光伝送技術の動向について紹介する。

178 3/24 ディスプレイ技術の全体像と
  今後の見通し
日本電気(株)
研究開発グループ
主席技師長
   谷 千束 氏
(内容)
 マルチメディア時代におけるディスプレイの主要課題は,超高精細や大画面を含む高画品質化,フルカラ−動画にも対応する超低消費電力携帯化,および立体表示を含む高臨場感化にある。この3大主要ニ−ズに対し,フラットパネルディスプレイではLCD,PDPを軸にこれまでの表示性能・機能を大幅に改善する新技術の革新的開発が多面的・精力的に行われている。また,PALC,FED,有機ELなど新デバイス技術も急速に台頭してきて,高画品質,携帯市場への技術開発の道筋は,技術競合のなかである程度明確になってきている。しかし,インフラ環境も整う21世紀最大の魅力的テ−マになると予測される高臨場感ディスプレイについては,今のところ有望な技術方式候補は見当たらない。新コンセプトの立体表示方式などの提案・開発の活性化が期待される。

179 4/28 光インタコネクション
  開発の背景と将来展望
日本電信電話(株)
NTT光エレクトロニクス
研究所
光応用装置研究部
グル−プリ−ダ
   安東 泰博 氏
(内容)
 VLSIの高速・高密度化を背景に,今後も通信装置・コンピュ−タのスル−プットは増大の一途を辿ると予測されるが,インタコネクションがボトルネックになるといわれている。この信号配線の危機を解消する最有力な技術として脚光を浴びているのが光インタコネクションである。講演では,「インタコネクションの光化がなぜ有用なのか?」をその物理的な意味から説き起こすと共に,顕在化しつつあるニ−ズ,米国を中心とする活発な開発競争の現状をレビュ−する。また,光インタコネクションの具体例として,NTTで開発された並列光インタコネクションParaBIT,現用システムからの拡張的なアプロ−チとしての光アクティブコネクタおよびチップ間光インタコネクションの一例としてのOE−MCM技術について紹介すると共に今後の課題について考察する。

180 5/26 光ファイバ増幅器の
  現状と動向
日本電信電話(株)
NTT光エレクトロニクス
研究所
研究企画部長
   須藤 昭一 氏
(内容)
 インターネットや携帯電話さらに高速コンピュータ通信などが職場や家庭に急速に浸透するマルチメディア時代到来の大きな高まりの中で,通信設備の高度化・高機能化が強く求められ,この解決に光技術が重要な役割を果たす状況となっている。とくに,光ファイバ増幅器は通信設備の大容量化と低コスト化のキー技術として,見えないところで極めて重要な役割を果たす状況となっている。本講演では,光ファイバ増幅器の現状と動向を,基礎技術からシステム応用(WDM技術など)を含め幅広く解説する。

181 6/23 ウェーハ張り合わせ技術と
  光デバイス
  −レーザから
    光電子集積回路まで−
沖電気工業(株)
半導体技術研究所
光ネットワークデバイス
プロジェクト
研究リ−ダー
   和田  浩 氏
(内容)
 現在多くの分野で用いられている光システムには,化合物半導体(GaAsやInP)からなる受発光素子,強誘電体(LiNbO3など)からなる光スイッチ,さらにそれらのデバイスを駆動するSi-LSIなど,さまざまな材料からなる多種のデバイスが用いられている。現状ではこれらの個別デバイスをハイブリッドに集積することでシステムを構築しているが,将来的には,実装の低コスト化やデバイス機能の向上という観点から,これらのデバイスをモノリシックに集積することが望まれている。ウェーハ張り合わせ技術は,基板の格子定数や結晶構造の違いに左右されずに,異種材料を準モノリシックに集積化できる技術として近年関心を集めている。本講演では,張り合わせ技術による半導体レーザの機能向上や,Siと化合物半導体の集積化の例など最近の動向について紹介する。

182 7/28 光触媒が活躍する 東京大学
工学研究科
応用化学専攻 教授
   藤嶋  昭 氏
(内容)
 酸化チタンを用いた光触媒が話題になっている。国内では1000社以上が研究を始めているというし,タイル,ガラス,フィルムなどの応用製品が上市されてきている。光触媒は殺菌ができ,消臭効果があり,また,快適環境を作る技術として注目されている。本講演ではこの光触媒の原理,現状を示して,将来の課題についても言及する。

183 8/25 光産業の動向 東洋大学
工学部電気工学科
教授
   森川 滝太郎 氏
(内容)
 日本における光製品の国内生産額は,(財)光産業技術振興協会の調査報告書「光産業の動向」(1998年3月発行)によると,1997(平成9)年度には総額5兆2600億円余に達するものと見込まれる。対前年度比で見ると10.4%増となっており,とくに光ディスク装置,光入出力装置,ディスプレイ素子など情報関連製品の寄与が大きい。デジタル化を軸とする製品横断的な変化の傾向をふまえ,景気低迷を打破するに足る光産業の力量に期待しながら,光製品(光機器・装置および光部品)の国内生産額の内訳,光産業構造の年次推移,日本企業による光製品の海外生産,光産業に係わる国際動向の一端などを紹介する。

184 9/22 太陽光発電(太陽電池)
  技術への期待
通商産業省
工業技術院
電子技術総合研究所
電子デバイス部
   下川 隆一 氏
(内容)
 エネルギー問題と地球環境問題を背景として,通産省の太陽光発電システム導入普及促進策(H9年度:203億円,H10:261億円)が強化されている。昨年の日本の太陽電池モジュール生産量は大幅な増大を示し,過去最高の35MWp(世界:126.7MWp)に達した。今後の広範な応用システムの開発と一層の価格低減による普及拡大・市場の自立化が期待されている。セミナーでは,太陽光発電の歴史的経過とその中核である結晶シリコン太陽電池の研究開発の現状を中心に紹介する。

18510/27 ポリマー光導波路 日本電信電話(株)
NTT光エレクトロニクス
研究所
光材料部
   今村 三郎 氏
(内容)
 インタネットの爆発的拡大にみられるように,低コストで高速・大量に情報を処理できる通信基盤の構築が早急に求められている。この要望に応えるために,各家庭まで光ファイバを敷設するFTTH,また私設網(LAN,家庭内ネットワーク,装置内接続)を従来の金属配線から光ファイバや光導波路を用いた光配線へ移行する光化が進められている。これらの実現に欠かせない光部品は,高性能であることはもちろん,低コスト性,システム管理のしやすさが重要視される。光部品の一つである光導波路には,ガラス,半導体,ポリマーが主要な材料として用いられている。ポリマー光導波路に使用されるポリマーは加工性や応用面で,他の素材にない特長を持っており,光部品の低コスト化,高機能化に適合する候補材料として注目されている。たとえば低温で成形加工や紫外光によるパタン形成が可能なため,短時間に同一のものを大量に得ることができ,また,大面積でフレキシビリティのある導波路を作ることも可能である。 本講演では,我々の研究を中心に,ポリマー光導波路の材料や作製の基本技術から,光部品や光インタコネクションへの適用までの現状と動向を紹介する。

18611/24 光ディスクの現状と将来 日本板硝子(株)
光事業部担当部長
   三橋 慶喜 氏
(内容)
 CD/DVDが市場で受け入れられて光産業の成長を支えている。これらの現状とVCRの置き換えをねらう次世代光ディスク技術,磁気ハードディスク技術と光ディスク技術を融合した米国Quinta社,Terastor社などの研究開発について,ISOM '98(98年10月20〜22日)での発表等を参考に紹介する。光協会でまとめた光メモリロードマップ:サーバシステムおよびパーソナルシステム,についてその概要を説明する。また,記録密度100Gb/in2およびそれ以上を目指す将来技術について,課題を述べる。

18712/15 光コネクタの経済化
  および標準化動向
日本電信電話(株)
NTT光エレクトロニクス
研究所
光複合部品研究部
主幹研究員
   住田 真 氏
(内容)
 FTTH(Fiber To The Home)に向けて現在進められている光コネクタの経済下ならびに標準化の動向に関して紹介する。光ネットワーク用単一モード光コネクタの開発は,アクセス系ネットワークの光化の立ち上がりとともに新たな経済化のフェーズを迎えている。すなわち,新規な光コネクタそのものの開発フェーズから,既存光コネクタの構造をベースとして1)新材料の導入による経済化ならびに2)高密度/小型化による経済化の流れが主流となっている。また,これらの光コネクタとは適用領域を異にする光ボード用および光モジュール用光コネクタの開発も今後一層の活発化が予想される。上記トレンドに歩調を合わせてJISおよびIEC等でも光コネクタおよび関連測定評価技術の標準化が着実に進んでいる。


OITDA