平成20年度「主要な国際会議にみる先端光研究の動向調査」報告

(2009年 4月24日更新)
(2008年 5月26日掲載)
(H20-No.1)第1分野 光材料・デバイス

ISSLED2008ショート速報[ワイドギャップ半導体光デバイス]
報告者:菊池昭彦(上智大学)
会議名 :International Symposium on Semiconductor Light Emitting Devices (ISSLED2008)
開催期間 :2008年4月28日−5月2日
開催場所 :Hyatt Regency Phoenix (Phoenix、AZ、米国)

*要 約*
 窒化物系LEDの高性能化に関する発表が多く、青色LEDと緑色LEDでは非極性面/ 半極性面結晶の高品質化による発光効率の向上やナノ構造等を用いた光取出し効率の改善、 大電流動作時の効率低下(ドループ)メカニズムに関する報告などがあり、議論が行われた。 紫外LEDでは結晶性の向上に伴う短波長化と高出力化が報告された。演色性に優れた新しい 白色LED構造の提案、ZnOやナノ結晶等の次世代光デバイスの可能性を探る研究も多く報告された。

(以上)

(2008年 6月 5日掲載)
(H20-No.2)第4分野 ディスプレイ

SID2008ショート速報[3D関連]
報告者:鈴木 芳男(ソニー)
会議名 :Society for Information Display 2008 ( SID 2008)
開催期間 :2008年5月18日−5月23日
開催場所 :Los Angeles Convention Center ( Los Angeles、CA、米国)

*要 約*
 立体ディスプレイに関する発表件数が増えて、3Dがディスプレイ技術の一つして定着してきた ように感じられる。特殊なメガネを必要としない「Auto Stereoscopic」と呼ばれる3D方式と、 メガネを必要とするが、解像度で有利な「Stereoscopic」と呼ばれる方式の議論が行われた。 またSIDのスペシャルイベントとして「3Dシネマ」のセッションが設けられ、映画製作の現場から 報告が行われ、多くの人の関心を集めた。

(以上)

(2008年 6月12日掲載)
(H20-No.3)第4分野 ディスプレイ

SID 2008ショート速報[PDP関係]
報告者:打土井 正孝(パイオニア)
会議名 :Society for Information Display 2008 ( SID 2008)
開催期間 :2008年5月18日−5月23日
開催場所 :Los Angeles Convention Center ( Los Angeles、CA、米国)

*要 約*
 PDPの高性能化のキーとなる、電極保護材料MgOのエキソエレクトロン放出、省電力に必要な 高発光効率化、低コスト化や希少金属を使わないプロセスに関する研究などが報告され注目を浴びた。 また150型の大画面PDPや超大型を目指すプラズマチューブアレイがプロトタイプを発表するなど 実用化に近付いていることが報告された。

(以上)

(2008年 6月27日掲載)
(H20-No.4)第4分野 ディスプレイ

LPM2008ショート速報[フェムト応用とバイオ・ナノ粒子関連技術]
報告者:甲藤 正人(宮崎大学)
会議名 :9th International Symposium on laser Precision Microfabrication (LPM2008)
開催期間 :2008年6月16日−6月20日
開催場所 :Hotel Plaza Quebec (Quebec City、カナダ)

*要 約*
 今回のLPMではマイクロ加工、フェムト秒応用は勿論のこと、バイオ関係の応用とナノ粒子の発表が 多く見受けられた。発表件数に対してドイツ勢が占める割合が非常に多く、ドイツの勢いを改めて 実感する会議であった。従来から知られていたレーザープロセス技術を新たにバイオ関係の プロセス技術へと応用した例、あるいはナノとバイオとの融合による新技術開発事例が多く見られ、 レーザープロセスが多分野において基幹技術として重要な技術であることを改めて感じた。

(以上)

(2008年 7月 8日掲載)
(H20-No.5)第5分野 ヒューマンインターフェース

WMSCI2008ショート速報[システム制御情報技術]
報告者:下田 宏(京都大学)
会議名 :The 12th World Multi-Conference on Systemics, Cybernetics and Informatics (WMSCI2008)
開催期間 :2008年6月29日−7月2日
開催場所 :Rosen Centre Hotel (Orlando, Florida,アメリカ)

*要 約*
 WMSCI2008では、情報技術そのものより知識管理・知識創造支援、教育支援等の応用研究が 数多く発表されていた。特に、知識管理・知識創造支援では相互交流を指向したWeb2.0技術の 応用事例や企業内での知識管理が多く、情報や知識が社会の主要な価値で興味の対象と なっていることを窺わせる。教育支援では、生徒間や生徒・教師間のインタラクションに着目した 事例が多く、その他にも教育のグローバル化やe-Learningと対面教育のハイブリッド教育など、 新しい取り組みが見られた。

(以上)

(2008年 7月17日掲載)
(H20-No.6)第4分野 ディスプレイ

国際液晶学会ショート速報[液晶]
報告者:長谷川 雅樹(メルク株式会社)
会議名 :The 22nd International Liquid Crystal Conference
開催期間 :2008年6月29日−7月4日
開催場所 :International Conference Center Jeju (Jeju、Korea)

*要 約*
 これまでは、液晶の分子構造と相構造など基礎的な研究が大半を占めていた液晶国際会議であったが、 今回は、ディスプレイはもちろんであるが、バイオ、光学、通信などへの応用研究の発表が多く見受けられた。 また、液晶もこれまでのように単体で用いるだけではなく、ナノ粒子、ナノ構造と共に用いて液晶の可能性を 検討していた。液晶ディスプレイ産業が成熟しつつある環境で、研究機関も企業も液晶応用の新たな 方向を探っている状況を反映していた。

(以上)

(2008年 7月23日掲載)
(H20-No.7)第1分野 光材料・デバイス

ODF’08ショート速報[光学設計、Simulation関係]
報告者:荒木 敬介(キヤノン株式会社、宇都宮大学)
会議名 :The 6th International Conference on Optics-photonics Design & Fabrication (ODF'08)
開催期間 :2008年6月9日−6月11日
開催場所 :Taipei International Convention Center (Taipei、台湾)

*要 約*
 Optical Design / Simulationのセッションの招待講演では、非球面の表現法に直交多項式を用いること、 面形状のSlope Errorのトレランスの管理も大切という ことが印象深い。一般講演やポスターセッションでは、日本の講演がやはり技術的に高い印象。 目立った一般講演は、ニコンの偏光収差の講演、三菱電機の非共軸光学系の設計、ニコンのField-Zernikeによる 波面収差表現の講演など。台湾の参加者の熱気も印象的であった。ODFの国際化や発展にとって転換点となる 重要な会議であったと考えられる。

(以上)

(2008年 7月29日掲載)
(H20-No.8)第2分野 光通信ネットワーク

OECC/ACOFT2008ショート速報
報告者:武笠和則(古河電気工業株式会社 ファイテルフォトニクス研究所)
会議名 :13th Optoelectronics and Communications Conference (OECC) held jointly with Australian Conference on Optical Fibre Technology (ACOFT)
開催期間 :2008年7月7日−7月10日
開催場所 :Sydney Convention & Exhibition Centre (Sydney、オーストラリア)

*要 約*
 OECC/ACOFT2008が開催され、50件の招待講演、178件のオーラル発表(投稿数の49%)、 97件のポスター発表(採択率はオーラルと合わせて75%)、6件のPD発表が行われた。非通信分野の トレンドは、ファイバレーザー用途とセンサ応用であるが、その中でも材料開拓とマイクロマシニング技術を キーワードにした発表が多くなされた。通信用途に関しては、Coherent通信、PON等の注目技術と 合わせ、「電力消費」がキーワードとなっていた。また、将来の大容量伝送を実現する基礎技術に関して 報告がなされた。

(以上)

(2008年 7月29日掲載)
(H20-No.9)第6分野 加工・計測

ODF'08ショート速報[Optical Technology, Optical Components, その他]
報告者:谷田貝豊彦(宇都宮大学、オプティクス教育研究センター)
会議名 :The 6th International Conference on Optics-photonics Design & Fabrication
開催期間 :2008年6月9日−6月11日
開催場所 :Taipei International Convention Center (台北、台湾)

*要 約*
 光工学、光デバイス、光計測、ディスプレイなどのセッションにおける興味を引いた講演を紹介する。 光計測ではバイオ応用関連で多くの注目すべき報告があった。光デバイスでは微小光学素子製造技術の 発展が素晴らしく、光伝搬シミュレーション技術や光学設計技術との有機的な融合により新規光学技術の 誕生が期待される。また、会議の後に実施された見学ツアーは、台湾の光学メーカーの方々と直接交流 できた点、大変有意義なものであった。

(以上)

(2008年 8月 5日掲載)
(H20-No.10)第7分野 太陽光エネルギ

Intersolar 2008ショート速報
報告者:山本 憲治(潟Jネカ 先端材料開発研究所)
会議名 :Intersolar 2008 (PV Industry Forum)
開催期間 :2008年6月10日−14日
開催場所 :IMC- International Congress Center (Munich、ドイツ)

*要 約*
 Intersolarは世界最大の太陽電池展示会である。展示エリアは76,000m2、出展社数は1,053社、 参加者51,861名、参加国140国と過去最大の展示会となった。特に海外からの参加者が45%、 出展社の47%が海外とその国際的なニーズ・重要性を示している。Intersolarに併設して2日間 PV Industry Forumが開催された。この参加者が、Forum参加費500ユーロにもかかわらず、 約700名にものぼったのは驚きである。

(以上)

(2008年 8月21日掲載)
(H20-No.11)第7分野 太陽光エネルギ

NRELワークショップ ショート速報[太陽電池]
報告者:大下祥雄(豊田工業大学)
会議名 :18th Workshop on Crystalline Silicon Solar Cells & Modules: Materials and Processes
開催期間 :2008年8月3日−6日
開催場所 :Vail Cascade Resort (Vail、CO、米国)

*要 約*
 本ワークショップでは、結晶シリコン太陽電池に関して材料からデバイスまで一貫した議論が行われた。
結晶成長に関しては、キャスト法による単結晶シリコン成長の報告がBP solarからあった。 結晶性に関しては改善の余地があるが、キャスト成長技術が一段向上してきている。 デバイスとしては、SunPowerの裏面接合型セルが着実に進歩しており、モジュール効率で21%が 視野に入ってきた。一方、本ワークショップへの新たな参加者が近年増加している。
今年は、Applied Materialsよる結晶シリコン太陽電池製造システム、ならびに薄膜および 結晶シリコン太陽電池の市場戦略に関する報告が印象的であった。

(以上)

(2008年 9月17日掲載)
(H20-No.12)第7分野 太陽光エネルギ

EU-PVSECショート速報[結晶Si関連]
大平圭介(北陸先端科学技術大学院大学)
会議名 :23rd European Photovoltaic Solar Energy Conference
開催期間 :2008年9月1日−5日
開催場所 :Valencia, スペイン

*要 約*
 バルク結晶Si系のセッションでは、Si原材料の有効利用に関連する技術について、多くの興味深い 報告がなされた。特に、イオン注入と加熱劈開によりカーフロス無く薄板Siの直接形成が可能な技術、 溶融Siに異種基板面を接触させて多結晶Si板を直接形成する技術は強い関心を引いた。
また、電極焼成時の基板の反りの問題の無いヘテロ接合太陽電池、ハンドリングとモジュール化が 容易で高効率化も可能な裏面電極型太陽電池においても、特性向上の報告とともに薄型化の 検討が本格的になされつつある。

(以上)

(2008年 9月16日掲載)
(H20-No.13)第3分野 光メモリ・情報処理

EPCOS2008ショート速報[相変化記録材料]
報告者:島 隆之(産業技術総合研究所、近接場光応用工学研究センター)
会議名 :European Phase Change and Ovonics Symposium 2008
開催期間 :2008年9月8日−9日
開催場所 :プラハ、チェコ共和国

*要 約*
 Ge-Sb-Teなどの相変化記録材料は、これまで光メモリ(光ディスク)に使われていたが、不揮発性の 電気メモリ(相変化メモリ)においても使う検討が進み、間もなく実用化される。既に光ディスクで市販化 されている材料でありながら、メモリの根幹を成す、アモルファス/結晶間の相変化機構には未だ不明な 部分が多く、実験や計算を含め数多くの報告があった。メモリデバイスとしては、光から電気に移行して きているため、光ベースの報告はそう多くないが、筆者が注目した発表を中心に、以下報告する。

(以上)

(2008年 9月25日掲載)
(H20-No.14)第7分野 太陽光エネルギ

23rd EU-PVSECショート速報[薄膜シリコン太陽電池]
報告者:松井卓矢(産業技術総合研究所)
会議名 :23rd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition
開催期間 :2008年9月1日−5日
開催場所 :Valencia, スペイン

*要 約*
 薄膜シリコン太陽電池の分野では、アモルファスシリコンと微結晶シリコンを組み合わせたタンデム型 太陽電池の研究開発が活発である。急速な太陽電池市場の拡大を背景に、会議では1.4〜5.7m2 といった大面積プラズマCVD装置によるタンデム型太陽電池モジュールの生産技術に関する内容が 中心であり、その他、フレキシブル太陽電池や新しい光閉じ込め技術などの発表が注目を集めた。 薄膜シリコン太陽電池の資源的優位性と数年後の大幅な生産拡大予測に関する講演がさらに この分野の勢いを印象づけた。

(以上)

(2008年10月 7日掲載)
(H20-No.15)第2分野 光通信ネットワーク

ECOC2008速報 [光ネットワーク関連]
報告者:甲斐 雄高(富士通研究所)
会議名 :The 34th European Conference and Exhibition on Optical Communication (ECOC)
開催期間 :2008年9月21日−25日
開催場所 :Brussels Expo (Brussels、ベルギー)

*要 約*
 今回のECOCでは、次世代変調方式、デジタルコヒーレント、OFDM関連の伝送技術をメインに、 シリコンフォトニクス系の光デバイス技術、WDM-PON関連のアクセス技術、そして100Gbps/ch超級 DWDM伝送技術から全光信号処理技術に至る幅広い分野での発表が行われた。光ネットワーク関連の 主なトピックスとしては、1.多様化するフォトニックネットワークの実現に向けたコントロールプレーン制御技術 (ASON/GMPLS)、2.広帯域でトランスペアレントなサービスの実現に向けた無線(モバイル)と光ネットワークの融合 (Radio over Fiber)、3.広域Grid網への光バースト応用と光パケット関連技術が議論された。

(以上)

(2008年10月10日掲載)
(H20-No.16)第1分野 光材料・デバイス

2008 International Semiconductor Laser Conference [ショート速報]
報告者:松尾慎治(NTTフォトニクス研究所)
会議名 :2008 International Semiconductor Laser Conference
開催期間 :2008年9月14日−18日
開催場所 :ソレント(イタリア)

*要 約*
 今回の半導体国際会議では1.3および1.5ミクロン帯での通信応用を目指した面発光レーザや 量子ドットレーザの着実な研究の進展が見られた。また、新たな波長帯としてセンサー応用等で 期待される2-4ミクロン帯へ向けた研究開発も盛んである。さらに、光注入レーザによる 変調帯域増大の可能性や、Siに格子マッチングした新しい発光材料の実現など将来のブレークスルー となる可能性のある興味深い報告も数多くあった。

(以上)

(2008年10月17日掲載)
(H20-No.17)第1分野 光材料・デバイス

MOC ’08 速報
報告者:宮下隆明(リコー)
会議名 :Microoptics conference ‘08
開催期間 :2008年9月25日−9月27日
開催場所 :Diamant Conference and Business Centre (ブラッセル:ベルギー)

*要 約*
 MOCはMicroopticsに特化した学会で、1987年に第1回が日本で開催されて以来、今回が14回目の 開催である。参加者は220名、論文は144件が報告された(うち日本からは75件)。本年は「理論・設計」 「材料・作成」「能動デバイス」「受動デバイス」など8分野のセッションが組まれ、さらに 「European Network of Excellence for Microoptics(NEMO)」、「ヨーロッパでのナノフォトニクス」の 特別セッションが設けられた。微小光学への日本の役割は大きいが、今後さらに世界をリードできるような 研究開発が重要になる。

(以上)

(2008年10月21日掲載)
(H20-No.18)第7分野 太陽光エネルギ

23rd EU-PVSEC報告 [CIS系太陽電池]
報告者:中田時夫(青山学院大学)
会議名 :23rd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition
開催期間 :2008年9月1日−5日
開催場所 :(Valencia, スペイン)

*要 約*
 CIGS薄膜太陽電池は、ここ数年で世界的に、商業化への動きが加速し、大きな転換期を迎えた。 現在、CIGS太陽電池メーカーはベンチャー企業を含め、全世界で20社を超え、2012年の生産能力は 現在の60MW/年から一挙に2.5GW/年に拡大すると予想される。これに伴い、本国際会議の発表も、 これまでの基礎的な研究内容から、大面積、量産化技術や、Cdフリー化、フレキシブル化など商業化を 念頭に置いた報告が中心となり、この分野の実用化に向けた勢いを印象付けた。

(以上)

(2008年10月17日掲載)
(H20-No.19)第1分野 光材料・デバイス

ECOC2008ショート速報[光材料・デバイス]
報告者:狩野 文良(日本電信電話株式会社)
会議名 :The 34th European Conference and Exhibition on Optical Communication
開催期間 :2008年9月21日−25日
開催場所 :Brussels Expo (Brussels, ベルギー)

*要 約*
 光デバイス関連の発表は,概ね省電力化(高温動作,uncooled動作),多値変復調方式・ディジタル コヒーレントレシーバ,40GbE/100GbEのいずれかに主眼を置いたものであった.光変調器に関して, さらなる多値化や変調器の構成や駆動方法を工夫することでbaud rateを落す試みが多くなされていた。 また,小型化や高機能化の要求に対応するため集積化についていろいろな検討が進められていた。 シリコンフォトニクスに関して注目度は高く研究は盛んで技術の向上はあるものの,あまり大きな進展は 見られてない。

(以上)

(2008年10月17日掲載)
(H20-No.20)第2分野 光通信ネットワーク

ECOC2008ショート速報[基幹伝送関連]
報告者:森田 逸郎(KDDI研究所)
会議名 :34th European Conference and Exhibition on Optical Communication
開催期間 :2008年9月21日−25日
開催場所 :Brussels Expo (Brussels、ベルギー)

*要 約*
 9月にベルギー・ブリュッセルで開催されたECOC2008について、主に基幹系システム向けの光伝送 技術に関して報告する。今年の光伝送技術関連の発表では、デジタル信号処理を用いた コヒーレント受信(デジタル・コヒーレント受信)を中心に、デジタル信号処理を用いた方式に関する 発表が多数を占め、現在の研究トレンドとなっていることが強く感じられた。

(以上)

(2008年10月20日掲載)
(H20-No.21)第1分野 光材料・デバイス

GFP2008ショート速報[シリコンフォトニクス]
報告者:山田 博仁 (東北大学 大学院工学研究科)
会議名 :The 5th International Conference on Group IV Photonics
開催期間 :2008年9月17日−19日
開催場所 :Hilton Sorrento Palace (Sorrento, Italy)

*要 約*
 Siフォトニクスにフォーカスしたメジャーな国際会議であり、毎年開催され今回が第5回目。 発表件数はこの5年間着実に伸びており、今回は143件。特に欧米が伸びているが、日本からの 発表件数は今回少なかった。参加者は約170人。主な内容としては、10Gbps超のSi光変調器や 40GクラスのGe on Si PDに関する発表が増えてきた。Si発光デバイスやSi基板上に化合物光デバイスを 集積化する技術に関する発表も多かった。会議の最後には、Siフォトニクス関連のファブからの PRセッションもあり、非常に盛りだくさんの内容で密度の濃い会議であった。

(以上)

(2008年10月20日掲載)
(H20-No.22)第1分野 光材料・デバイス

IWN2008ショート速報[窒化物半導体の進展]
報告者:本田 徹(工学院大学)
会議名 :The 5th International Workshop on Nitride Semiconductors
開催期間 :2008年10月5日−10日
開催場所 :Montreux Music and Convention Centre (Montreux、スイス)

*要 約*
 IWN2008は、窒化物半導体全体のテーマを7つのセッションに分かれて議論するワークショップとなった。 前回2006年から、GaN、AlN基板製作技術の進展に目を見張るところがあった。 また、黄色LEDの発光効率が従来のIII-V族LEDを超えたなど興味深い発表があった。

(以上)

(2008年10月21日掲載)
(H20-No.23)第6分野 加工・計測

AHPSL2008ショート速報[LD関連]
報告者:桂 智毅(三菱電機 先端技術総合研究所)
会議名 :Applications of High Power Semiconductor Lasers (AHPSL2008)
開催期間 :2008年10月7日−8日
開催場所 :Doubletree Hotel San-Diego Mission-Valley (San-Diego、米国)

*要 約*
 AHPSL(Applications of High Power Semiconductor Lasers)は、今回が開催2回目の新しい 会議である。参加者は講演者を含めて100人弱と小規模で、昼食会やレセプションにより参加者 同士が気軽に議論出来る雰囲気に特徴がある。高出力LDは高輝度のファイバカップルモジュールの 報告があるなど、高出力化・高輝度化・高信頼化において着実に進化している。更なる普及の ためには用途開発が必要であり、LDメーカと用途開発者が本会議のように気軽に会話出来る場が 果たす役割は拡大しつつあると感じた。

(以上)

(2008年10月24日掲載)
(H20-No.24)第8分野 メディカル光産業技術

FACSS 2008速報 [スペクトロスコピーの医療・バイオ応用関連]
報告者:石井 克典(大阪大学大学院工学研究科)
会議名 :The 35th annual Federation of Analytical Chemistry and Spectroscopy Societies (FACSS 2008)
開催期間 :2008年9月28日−10月2日
開催場所 :Grand Sierra Resort and Casino (Reno, NV, USA)

*要 約*
 FACSS2008において、光の関係する分析技術としては、ラマン分光イメージングや近赤外分光 イメージングなどに代表されるケミカルイメージングの応用研究が目立っていた。特に、製薬分野への 応用が積極的に取り組まれており、薬剤生産ラインにおける品質管理技術として有用性が、FDAや 製薬メーカーから数々報告された。今後、専用装置開発の動向次第では急速に実用化が進むの ではないかとの予見を得た。その他、スペクトロスコピーの医療・バイオ分野への応用研究は、様々な シーズ研究が散見されたがまだ基礎的な段階であり、今後の研究開発動向が注目される。

(以上)

(2008年10月28日掲載)
(H20-No.25)第6分野 加工・計測

ICALEO2008速報
報告者:鷲尾 邦彦(パラダイムレーザーリサーチ)
会議名 :27th International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics
−Laser Materials Processing Conference (LMP会議)
−Laser Microprocessing Conference (LMF会議)
−Nanomanufacturing Conference (Nano会議)
開催期間 :2008年10月20日−10月23日
開催場所 :Pechanga Resort & Casino (Temecula,CA,米国)

*要 約*
 ICALEOは,LIA(米国レーザ協会)の主催により年1回開催されるレーザ加工分野で世界最大級の 国際会議である。第27回目となる今回のオーラル講演件数は,LMP会議が135件,LMF会議が75件, Nano会議が17件,プレナリー講演が4件の計231件であった。昨年に比べて,LMP会議は6件(約4.7%), LMF会議は4件(約5.4%)の微増となり,Nano会議は5件(約23%)の減少となった。
日本からの講演件数は減少したのに対して,ドイツは依然として躍進を続けており,ドイツと日本との 講演件数比は約2.6となるなど,格差が拡大した。マクロ加工分野では高輝度なファイバレーザの普及が 進展しており,従来からの溶接分野のみならず,切断や穴あけなどの除去加工分野への適用を指向した 各種の実験的試みが目立った。また,微細加工分野では,高出力・高速繰り返しピコ秒レーザなどを 用いた微細除去加工分野などの進展が顕著であった。また,空間的および時間的なレーザビームの 照射パターンの工夫などにより,加工品質を改善する試みが 活発になされていた。

(以上)

(2008年11月19日掲載)
(H20-No.26)第4分野 ディスプレイ

IMID2008ショート速報[OLEDデバイス関連]
報告者:安達千波矢(九州大学未来化学創造センター)
会議名 :IMID (International meeting on information display/International display
manufacturing conference and Asia Display)
開催期間 :2008年10月13日−10月17日
開催場所 :Kintex(Ilsan-seogu、韓国)

*要 約*
 IMIDのOLEDセッションの一部について報告する。HTLやETLへの新規ドーパント材料、ダメージレス ITO成膜、新規リン光機構、高性能リン光デバイスなど新しい進展に関する報告がなされた。

(以上)

(2008年12月11日掲載)
(H20-No.27)第3分野 光メモリ・情報処理

IP2008ショート速報
報告者:的場 修(神戸大学)
会議名 :International Topical Meeting on Information Photonics 2008
開催期間 :2008年11月16日−11月20日
開催場所 :Awaji Yumebutai International Conference Center (兵庫,日本)

*要 約*
 International Topical Meeting on Information Photonics 2008は、光情報処理に関する技術、 デバイス、システムをカバーする国際会議として企画され、12ヶ国から約150人の出席者と125件の 講演があった。会議では、ホログラフィー技術に基づくバイオ計測システムの実用化(ディジタルホログラフィック顕微鏡)や 3次元ディスプレイ・情報処理関連の講演が実用化を目指して非常にアクティブに行われていた。 また、光メモリ用材料やメタマテリアル応用などの新規デバイスの発表もあり、研究分野の広がりを実感した。

(以上)

(2008年12月16日掲載)
(H20-No.28)第4分野 ディスプレイ

IDW’08ショート速報[OLED関連]
報告者:中 茂樹(富山大学)
会議名 :The 15th International Display Workshops
開催期間 :2008年12月3日−12月5日
開催場所 :朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター (新潟,日本)

*要 約*
 IDWは毎年日本国内で開催されているディスプレイに関するワークショップであり、今回は第15回目の 節目の年であった。3日間で13のワークショップによるセッションと2つのトピカルセッションが開催され、 570件を超える報告があった。その中のOLEDワークショップは2001年のトピカルセッションから始まり、 今年で8回目である。オーラルセッションの内容は材料・評価、デバイス技術、アクティブマトリクス、 フレキシブル技術について講演があり、これらの内容について報告する。

(以上)

(2008年12月18日掲載)
(H20-No.29)第4分野 ディスプレイ

IDW’08ショート速報[全般、PDP関連]
報告者:打土井正孝(パナソニック株式会社)
会議名 :IDW ’08 (International display workshops 2008)
開催期間 :2008年12月3日−12月5日
開催場所 :朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター (新潟,日本)

*要 約*
 IDW ‘08のPDP関連の発表と会期後に行われたPDP international forumに参加した。主な話題は、 発光効率向上、放電の高速化、保護膜材料、新プロセスで、新たな分野として透明PDPや 超大画面のフィルムディスプレイを目指す取り組みなどだった。着実に成果の上がっている報告が多く、 今後の低電力化(発光効率向上)や更なる高画質化(高速駆動、パネル精細度向上)につながる 技術が多数発表された。またPDP international forumでは、各国のPDP開発状況も話され、 日本、韓国以外に、中国やインドでもPDPの生産が始まりつつあることが報告された。

(以上)

(2008年12月24日掲載)
(H20-No.30)第4分野 ディスプレイ

IDW’08ショート速報[LCD関連]
報告者:長谷川雅樹(メルク株式会社)
会議名 :The 15th International Display Workshops
開催期間 :2008年12月3日−12月5日
開催場所 :朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター (新潟,日本)

*要 約*
 LEDバックライトを用い、空間と色を個別に制御したローカルデミングによるコントラスト向上技術が 数多く発表された。空間の分割数を増やし、あたかもLEDによる発光型のディスプレイとLCDの 二枚を重ねたような構成となっており、液晶パネルの欠点をバックライトで補っている。高速応答に 関しては、OCBモードの発表が多く、また液晶材料では、ブルー相を始めとする自己組織化を 使った新たな応用や、添加物による特性の改善が報告された。携帯用パネルでは、 高速応答表示モードでの単一セルギャップの新しい構造が報告された。

(以上)

(2008年12月24日掲載)
(H20-No.31)第4分野 ディスプレイ

IDW’08ショート速報[3D関連]
報告者:山本裕紹(徳島大学)
会議名 :The 15th International Display Workshops
開催期間 :2008年12月3日−12月5日
開催場所 :朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター (新潟,日本)

*要 約*
 IDW’08は15回目の開催となる国際ディスプレイワークショップである。3D分野では33件(口頭18件、 ポスター15件)の発表がなされた。特筆すべきは、立体ディスプレイの国際標準に関わる総合報告である。 また、3D映像がもたらす画質や質感、奥行きと大きさの知覚に関して新しい知見が報告された。 多方向の指向性画像表示、ボリューメトリック表示、ホログラフィー応用表示においては、最新の デバイス・プロセッサ技術を活用した取り組みが際だっていた。これらの注目講演の内容と その意義について報告する。

(以上)

(2009年 1月20日掲載)
(H20-No.32)第3分野 光メモリ・情報処理

APDSCショート速報
報告者:小出 大一(NHK)
会議名 :Asia-Pacific Data Storage Conference 2008
開催期間 :2008年12月15日−17日
開催場所 :Lotte Hotel Jeju (済州島、韓国)

*要 約*
 Asia-Pacific Data Storage Conference 2008は、次世代の光記録や磁気記録技術に関する 国際会議として開催され、アジア・太平洋圏を中心とする国から約110人の出席者と105件の講演があった。 会議は、光記録技術(二光子吸収、薄型光ディスク、近接場光記録、ホログラフィックメモリ、マイクロカンチレバー)や、 磁気記録技術(熱アシスト、ビットパターンメディア、デイスクリートトラック)に関する技術の発表があり、 次世代高速大容量ストレージデバイスの模索や実用化を目指した技術発表が行われる会議となった。

(以上)

(2009年 2月 3日掲載)
(H20-No.33)第7分野 太陽光エネルギ

PVSEC18ショート速報[薄膜シリコン]
報告者:宮島晋介、小長井 誠(東京工業大学)
会議名 :The 18th International Photovoltaic Science and Engineering Conference
開催期間 :2009年1月19日−23日
開催場所 :Science City Convention Center (Kolkata, インド)

*要 約*
 薄膜シリコン太陽電池のセッションでは、タンデム型太陽電池 (アモルファスシリコン/微結晶シリコン)に関する報告が行われ、特に、 光閉じ込め技術(新規テクスチャ基板、中間反射層)が注目を集めた。 また、アモルファスシリコンゲルマニウムやアモルファスシリコン オキサイドなどの材料開発についても着実な進展が見られた。

(以上)

(2009年 2月 3日掲載)
(H20-No.34)第7分野 太陽光エネルギ

PVSEC18ショート速報[無機ナノ材料・新概念太陽電池]
報告者:黒川康良、小長井 誠(東京工業大学)
会議名 :The 18th International Photovoltaic Science and Engineering Conference & Exhibition
開催期間 :2009年1月19日−23日
開催場所 :Science City Convention Center (Kolkata, インド)

*要 約*
 MA Green教授が第三世代太陽電池を提唱して以来、ナノ材料や新概念 太陽電池に関する研究は全世界に広がっている。特に量子ドット太陽電池 は、化合物系のみならずシリコン系においても既にデバイス構造の作製が 試みられ、その特性が少しずつ明らかになってきている。今回の学会では、 欧米の研究機関による発表がなかったのは残念ではあるが、インドの研究 機関においてもナノ材料や新概念太陽電池に関する発表が多く見られ、 関心の高さを伺うことができた。

(以上)

(2009年 2月 4日掲載)
(H20-No.35)第7分野 太陽光エネルギ

PVSEC18ショート速報<[CIGS薄膜太陽電池]
報告者:山田 明、藤田稔之(東京工業大学)
会議名 :The 18th International Photovoltaic Science and Engineering Conference
開催期間 :2009年1月19日−23日
開催場所 :Science City Convention Center (Kolkata, インド)

*要 約*
 2009年1月19日−23日、インドのコルカタ市において、第18回太陽光 発電国際会議(PVSEC18)が開催された。今回CIGS太陽電池に関しては、 最高効率の更新、企業からのモジュール等に関する発表は無く、製膜 ならびに評価がメインの発表であった。また、興味がもたれた発表は、 招待講演に集中していた。招待講演の中で最も興味が持たれた発表は、 IBMのMitziによるスピンコート法を用いたCIGS薄膜の製膜である。 溶液から合成した粒子をスピンコート、アニールすることで変換効率 12.8%(面積0.45cm2)が得られていることが報告された。

(以上)

(2009年 2月 4日掲載)
(H20-No.36)第7分野 太陽光エネルギ

PVSEC18ショート速報[全体]
報告者:山口真史(豊田工業大学)
会議名 :The 18th International Photovoltaic Science and Engineering Conference
開催期間 :2009年1月19日−23日
開催場所 :Science City Convention Center (Kolkata, インド)

*要 約*
 現在主流の結晶Si系も課題であったfeed stock問題が、むしろ供給過多 に動き、この問題は解決され、今後10年は結晶Si系が主流であり続ける ことが期待される。薄膜SiやCIGS太陽電池等の薄膜太陽電池や集光型 太陽電池も、さらなる高効率化、低コスト化、生産性向上等により、 結晶Si系に相当する地位の確立が期待できる。今回、Fraunhofer研究所 による効率41.1%の世界最高効率の紹介もあり、40〜50%の超高効率を 達成する一番手は、III-V化合物半導体を用いた集光型多接合太陽電池 であることが示された。

(以上)

(2009年 2月19日掲載)
(H20-No.37)第6分野 加工・計測

Photonics West 2009ショート速報[加工・計測関連]
報告者:田北 啓洋(宇都宮大学)
会議名 :Photonics West 2009
開催期間 :2009年1月24日−29日
開催場所 :San Jose Convention Center (San Jose,カリフォルニア,米国)

*要 約*
 Photonics West 2009では、光に関連する4つの国際会議が同時に開催され、3,000件を超す講演が 行われた。その中でも、高繰り返し周期フェムト秒レーザー加工、CGHを用いた並列フェムト秒レーザー加工、 微小球の光トラッピングと近接場効果による並列ナノ加工,低コヒーレンス光源による生体の3次元計測について 興味深い報告がなされた。米国における光関連の企業と研究者の数の多さに圧倒されつつ、光関連技術の 着実な進歩を感じさせられた。

(以上)

(2009年 3月 6日掲載)
(H20-No.38)第8分野 メディカル光産業技術

Photonics West 2009速報 [医療・バイオ応用関連]
報告者:石井 克典,粟津 邦男(大阪大学大学院工学研究科)
会議名 :SPIE Photonics West 2009
開催期間 :2009年1月24日−29日
開催場所 :San Jose Convention Center (San Jose, CA, 米国)

*要 約*
 今年のBiOSにおける話題は、診断分野の台頭と治療分野の衰退が顕著であった。盛況だったテーマは、 例年参加者の多いOptical Coherence Tomography (OCT)、眼科、光トモグラフィー、超音波、脳科学、 顕微イメージングであった。診断基礎技術の対象としては「がん」と「生細胞」が多く、CARSなどに代表される 新しいイメージング技術の適応に関して報告が多数あった。治療分野に関しては新しい技術の臨床例に 関する報告は少なく、メカニズム解明に向けた基礎研究が中心であった。しかしながら、泌尿器科や 耳鼻咽喉科といった治療色の強い診療科に関する研究が見直されてきている傾向もあり、今後の 研究動向に注目すべきである。

(以上)

「主要な国際会議にみる先端光研究の動向調査」報告(詳細版)全文掲載

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